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1922年 1

1922年…この時、法王に就任したピオ11世は、5年前にポルトガルの片田舎でおこった奇跡の話を思い出しただろうか?


まあ、考えてる暇なんてなかったに違いない。

何しろ、1919年にワルシャワに赴任時代のポーランド・ソビエト戦争があって、21年に終戦を迎えたと言っても、問題は熱いままくすぶっていた。


世界最強の情報網を持つバチカンなのだから、この時…つまり、1922年2月、レーニンの体調が芳しくない事、次の書記長にスターリンが就任しそうな事を知っていたかもしれない…。

もし、そうだとしたら…

やはり、ファティマの聖母の予言が頭を(かす)めたかもしれない。


このままでは、みんな地獄行きです。それを阻止したければ、皆で悔い改めなさい。

それが出来ないと、神様が激しい罰を下し、ロシアが災いをおこすでしょう。



まさに、この頃、東欧とロシアの新たな形態が作り上げられようとしていた。

1922年…

ウラジミール・レーニン

彼を目指した2人の男が、この年に全く新しい国家を誕生させる


ソビエト社会主義共和国連邦の書記長に就任したヨシフ・スターリン

そして、イタリアにファシスト政権を成立させたベニート・ムッソリーニである。


ピオ11世は、ソビエトの同行も気にはなっただろうが、それよりも自国の新しい政権とのやり取りの方が気になったに違いない。


バチカンは、イタリア国王とは絶縁状態だったし、イタリア半島に、細かいバチカンの飛び地がある。


フランス革命の時には、その名を盾に教会への略奪行為が横行した。

いや、最近でも、社会主義を掲げて略奪や暴動をおこす(やから)は沢山いた。


片田舎の鍛冶師の息子の社会主義者を両手をあげて信用なんて出来るはずもない。


バチカン…それは、命をかけ布教をした世ぺトロの時代から各時代の法王が、信者が、命をかけて紡ぎ続けた、文字通りの千年王国なのだ。


自分の代で破壊などされるわけには行かないのだ。

ローマ法王…バチカンが崩壊する…それは、世界が滅亡することを意味するのだから。


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