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1917年 38

冗談じゃないわよ〜


私は頭を抱える。

既に私は落選し、ついでに、イベントは終わったのに、私だけは終わらない。

普通に決まったシナリオですら終わらないのに、ここに来て、まさかのイタリア史!?

ムッソリーニとイタリアの20世紀を語ることになろうとは(>_<。)


窓辺では、ベルフェゴールに命令されて、メフィストが『フェレンツェは花咲く木のように』を歌っていた。


この長文題の歌を、知らないと思う人が多いと思うが、聴いてみればジェラードやピザの風景と共に記憶がよみがえるかもしれない、良く使われるBGMである。


嫌なら断ればいいのに…

開け放たれたフランス窓を背に燕尾服も颯爽に歌うメフィストに呆れるが、長い足と、細マッチョの整った背筋に流れるようなシルクのスタイルをみると、本来、彼は目立つのが好きなんだとも考える。


シェークスピアとゲーテに愛された悪魔。


そう考えれば…確かに、ベルフェゴールの命令を拒否する理由もないのかもしれない…


ああ、でもっ、ジャンニ、ジャンニ・スキッキ…


深くため息が出てくる。

2021年…私は『パラサイト』の製作の為にメフィストとこの曲を追いかけたことがある。


この話に『トミノの地獄』を加えてしまったのが原因だ。

『パラサイト』は昆虫ミステリーだ。

そこに、都市伝説にもなった詩を付け加えて…改編することになってから泣かされた。

泣きながら、何とか馴染ませようと西條八十を調べた。

が、糸口はそれほど時間はかからなかった。

森鴎外

この教科書に載る文豪があいだを持ってくれた。


私のなかでは、甘いマスクのアイドルが演じる『舞姫』に合わせて、なんか、恋多き、退廃的な文人のイメージだった森鴎外。


この人、ネットで調べて一気に印象が変わった。

鴎外作の『舞姫』の主人公と作者の人生を重ね、留学先の異国の女性との色恋を思い、なんか、チャランポランとした人の印象は一気に変わる。

この人、ほぼ、国語の授業でしか語られないが、本業は医学研究者。

留学時代は、日本はコレラで大変で、何万人と人が亡くなっていた。


パンデミックを経験した現在、気楽な若者でも、鴎外がチャランポランと日本の税金を使って勉強もせずに遊んでいたとは思わないだろう。


江戸から明治にかけての日本で、数万人の死者が出るようなパンデミックなのだ。

親を亡くし、10代で働く少年からも集められる税金でドイツまで勉強に行くのだから。

設定は、少年漫画の派手さはないが、名実ともに日本国民の…ひいては世界の人達の命を背負った旅なのだから。


実際、この頃の日本の学者は、世界的に貢献した。

鴎外もまた、その中の1人であり、日本国は、21世紀を過ぎて、いまだに降伏の難しいコレラを都市環境の改善などで感染者を減らす事に成功している。


『パラサイト』は、細菌の物語である。

ここで、文学と生物学を合わせて、話を継続することが可能になった。


あのときは…幸せだった…

でも、こんなに上手く組み合わなきゃ、今頃、異世界の話を書いていられたかもしれないとぼやきたくなるほど、終わらない話にもなっていった。


まあ、ともかく、私は張り切って文学と生物学を会わせた話を作り始めた。

当時、作家は役人や貴族、学者の副業みたいなところがあった。

森鴎外もまた、主業は医師であり軍人だった。


そして、インテリの人達は、時代の変わり目をルネッサンスの芸術などで語りだし、そこにはボッチチェリの絵画やダンテなんかがあった。


ダンテ…『神曲』での地獄めぐりの話が有名で…私はこの辺りから『トミノの地獄』の新解釈と、なんか、秘密結社を作ろうと考えていた。


私はもとより、『神曲』は、数々の文豪、クリエーターに影響を与えた。


『ジャンニ・スキッキ』は、プッチーニが『神曲』からインスパイヤーしたオペラで、1918年リリースされた。


アメリカで上演されたこのオペラでアメリカ人がイタリアに憧れている頃、

イタリア国民は、本当の地獄に足を踏み入れようとしていた。


第一次世界大戦では…イタリアは上手くまとまりきれなかったのだ。


1917年…ヒトラーは奇跡の生還を体験し、ムッソリーニも九死に一生を得ていた。

爆発事故に巻き込まれたのだ。

それは奇跡的な生還ではあったが、大怪我をした。

それはムッソリーニには、最悪の出来事だろうが、イタリア国民の未来に大きく影響する正に、首の皮1枚の幸運な事なのかもしれない。


負傷したムッソリーニの病院に国王が訪問し、ムッソリーニに励ましの言葉をかけたのだそうだ。


後の第二次世界大戦で、首相として、上に、王や、天皇がいたイタリアや日本と、ヒトラーの独裁下のドイツでは、終戦までのステップが違ってくるからだ。


ムッソリーニが、国王を廃して独裁者になっていたら…また、歴史は違っていたかもしれないし、重傷の病床で、国王に会うことがなかったら、もしかしたら…歴史はまた、変わっていたかもしれない。


そして、時を同じくしたロシアでは、2月革命が成功しつつあった。


そして、ポルトガルの小さな村で、ルチア達は春の訪れをただ、無邪気に待ち焦がれていたに違いない。

去年の初夏の牧場で出会った光の天使の不思議な出来事を思い出しながら…


ファティマの聖母に会う一年前、光の天使に会っていた…

五島勉『ファティマ・第三の秘密』を参考にしました。これについては、ネットでもいろんな方が記事にされていたようですが、書かれない記事もあるので、私には真相はわかりりません。


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