1917年 31
これはフィクションです。
ほとんど入らないので気にしてませんが、作中の作者の求める評価は、現実とは関係ありません。
作中で評価を乞う行為は違反になるので、リアルな作者への評価は完結後でお願いします。
なんて、偉そうに書くのも恥ずかしんだけれどね。
本当に、この先を追いかけていったら読者が増えると言うのだろうか?
いや、その前に面倒ばかりが増える。
そして、連載が終らない。
「もう…疲れてきちゃったよ〜私が何を探し当てたって世界は変わらないわ。」
ボヤく。
「ふっ、これくらいで泣き言いってるから、いつまでも底辺を這いつくばる事になるのよ。
ファティマの聖母が本物なら…真実を公表したら、何か、利益があるとか考えないの?」
ベルフェゴールに叱責されてもため息しかでない。
「真実なんて調べようがないし、西条八十と関係ないじゃない。」
私は叫ぶ。
「さあ、まだ分からないわよ。少なくても、マラキの予言については、あなたの作品にはかかってきていたわよね?」
ベルフェゴールは苦笑する。それは私の顔を渋くする。
「ええ、確かにっ(>_<。)
仕方ないじゃない!7年前が2012年に当たっちゃったんだもん。」
私は頭を抱えた。
そう、『パラサイト』は2019年に7年前に失踪した雅苗の残した謎を探す話だった。
それは、失踪届の手続きから発想したんだけれど、これが、2012年。
マヤの滅亡予言でわいた時代だった…
滅亡はしなかった。
が、311から地震や異常気象があり、暗い年でもあった。
「その『引き』がミューズの贈り物だと思わない?」
ベルフェゴールはそう言ってチョコをくれた。
「そう?そうだとしても…時代遅れよ(T-T)人類滅亡の話なんて、今や不人気ジャンルだもん。」
チョコを口にする。中に入ってるベリーのソースが旨い。
「そうかしら?今が旬な気がするわよ。」
ベルフェゴールの意地悪な顔を…私は、批判する気にはなれなかった。
時代の寵児としてノストラダムスと滅亡を語り続けた世紀末の方が、現在より未来が明るかった気がするからだ。「縁起でもない!それにしても…この話、掘れば掘るほど終わりが見えなくなるわ。」
私は終わらない話に頭を抱えたくなる。
大体、この話で評価を貰えたからって、私の書きたい昭和少女漫画の読者が増えるとは思えない。
なんか、怪しげな問答を挑んでくる様な読者が増えて、そっちに流されたりしないだろうか?
「そうかな?」
ベルフェゴールの、何か知ってる感のある顔がムカつく。
「別にいいわよ。私はね、昭和の少女漫画の新作が読みたいのよっ。
難しい政治の話とかじゃなくて。
かわいい少女が努力して、美しく成長する話が見たいのよぅ。
そんで、同い年のファンと一緒にお茶会とかしたいんだもん。」
思わず叫ぶ。
夢の…昭和セレブなサロン。きらやかなファンの婦人方…
私は、それをこっそりと観察する二軍のお茶会で給仕をするんだわ。
「お茶会ねぇ〜仕方ないわ。じゃあ、用意するから頑張りなさいよ。」
ベルフェゴールは、悪ガキの様にニヤリと笑い、なんか、昔、漫画で見たような…なんか、凄くゴージャスな部屋を作り出し、それから、少し、考えてから、小さな西洋のホテルのような部屋に改変した。
「ベルサイユ宮殿の伯爵婦人の部屋…風味でどうかしら?」
ベルフェゴールは、そう言いながら私と自分のコスチュームを変える。
嫌な予感が心臓をバクバクさせた。
舞台チェンジなんて…長期化するフラグみたいなもんじゃないさ…
混乱する私の背後で、ドアをノックする音がした。
ベルフェゴールの許可と共に現れたのは…
執事姿も美しい…私のメフィスト!
「あ、アンタ(○_○)!!」
思わず叫ぶ私を無視して、奴はとても上品に燕尾服をさばきながら膝をつき、恭しくベルフェゴールに挨拶をした。
「お嬢様。本日の給仕をつとめさせていただきますメフィスト・フェレス。でございます。」
メフィストの、低く、甘味、マシマシの美声が部屋を響いた。




