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1917年 13

ジョージ5世…

そうだった。いくら大英帝国の女王でも、人間なんだから、19世紀から、21世紀まで生き続けているわけも無いし、国王は、女性に限ったわけでもなかった…

「そうね。確かに、2017年、イギリスの国王は、ジョージ5世だったわ。」

私は深くため息をつく。

確かに、間違いはしたけど、もう、そんな豆知識、どうでもいい。


早く話を終わらせたいのだ。

「そうよ。それに、当時の王様に言ったところで、それほど未来に影響は与えられないわ。

だって、大概は、その時代の紛争の当事者だから、反論でるし、問題の未来には既に他界したりしていて、影響力は無くなってるんだもの。」

「えっ…(°∇°;)ファティマでは、100年以上先の未来の為に、少年少女にお願いしたのに、

現在、ライフが少ない私が、そんな話を受けるって…地球、ヤバイじゃない!」


そうか、確かに、未来について話すのだから、その未来に大人として関わる世代に予言は託されるべきなのだ。

小説としたら、なかなか勉強になるけど、当事者として考えると、私と同じく地球のライフも減ってくる。

「何よ?地球のライフって…」

ベルフェゴールは、コロコロと鈴のような可愛らしい笑いをもらす。

「だって…私じゃ、2030年問題にすら、生きてるか分からないわ。なんか、ローマ法王も心配の呟きを発したみたいだし、私だって心配になるわよ。」


そう、ファティマの予言。中でも第3の予言は、バチカンの隠蔽疑惑が噂されていた。

なんであれ、ファティマの予言を原文で見られるのは、バチカンの一部の人間だけなんだと思う。

先の短い私に話が回ってきたら、なんだか心配になる。


文句を言う私に、ベルフェゴールは、悲しく笑った。

「神に愛されたら、永遠の命を授かるのよ。」

「バーさんの姿で永遠の命とか、罰ゲームじゃない。」

私は『さまよえるユダヤ人』の伝説を思い出した。


これは、13世紀の創作されたキャラらしいが、刑場に送られるキリストを罵倒した為に、キリストの降臨…人類滅亡のその時まで、生き続ける運命を受けた男の伝説だ。

「いやーね。小説家なんだから、作品の永遠を思い浮かべないの?」

ベルフェゴールは、面白そうにクスクス笑う。


「今時はコンプライアンスがなんか、大変だし、私の世代は人類滅亡の話はお腹いっぱいなんだから。

評価どころか、PVすら伸びないわ。

それより、何が言いたいのよ?」

私は仕切り直しをはかる。

もう、折角、まとまりそうな話が、わけが分からなくなりそうだ。


「人の歴史に…何も言う気は無いわ。

単純に、あなたの答えを知りたいだけよ。」

ベルフェゴールは、色気のある流し目を私に向けた。


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