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1917年 12

もうっ、こんな時にっ。

私は朝のニュースに愕然とした。

なんか、イスラエルの偉い人が原爆使うとか言ったらしい。


審議はともあれ、女子力高めのベルフェゴールの登場と共に、そんな話題…やめてほしい(>_<)


底辺ウェブ作家の私に何が出来るわけもないし、もう、落選したんだから、完結ボタンを押して新たな話を作りたいんだよぅ。


モヤモヤする。


「あら、バタフライエフェクトと言うじゃない?」

イライラとコーヒーをすする私の横でベルフェゴールは笑った。

翅風呼嵐(バタフライエフェクト)ね。そんなん、本当にあるの?」

「あら、世界は陰謀に溢れているのよ。あなたの呟きも、ビックデーターの一部として、未来の指針になって行くのよ。」

ベルフェゴールは、怪しい都市伝説を語る。

「はぁ…まあ、いいけど、でも、剛、解放してくれないかな?」

私はベルフェゴールに頼んだ。

「そうね。でも、解放したら、エタらせちゃうでしょ?まずは、更新してくれなきゃ。」

ベルフェゴールは、冷たく私を突き放した。が、温かい紅茶は入れてくれた。

「それほど、時間はとらないわ。」

「テンプル騎士団まで登場したのにっ?」


泣きそうになる。


もう、この時点で、『ダ・ヴィンチ コード』と『インフェルノ』の物語が私の頭で融合を始めていた。

いや、自作の『ノストラダムスを知ってるかい?』から調べた色々が『パラサイト』重なりあってきた…と、言うところだろうか。


「私にはテンプル騎士団は関係ないわ。」

ベルフェゴールは穏やかに微笑む。

その微笑みの向こうに、聖書が語るエピソードが思い浮かんだ。

旧約聖書によると、イスラエルの民がモーセと共にカナンの地に向かう途中、ベルフェゴール…旧名バアル・ペオルを信奉する民に遇う。

そこで、みんなでバアル・ペオルを参拝して、ご飯を食べた事にヤハウェが激怒。疫病で2万人強の人間を殺した、と、言う話だ。


「確かに、聖書の神様って、怒ると怖いもの。何か、平和的な解決を祈りたくなるのは分かる気はするわ。」

ため息が出る。

確かに、平和に解決してほしいけれど、色々、難しい気もしてくる。

「そう簡単な問題でも無いけれど、ね。」

ベルフェゴールは、少し寂しそうに微笑んだ。


原爆の話とかが、普通にテレビで話題になるのも怖いけれど、ベルフェゴールにしてみても、平和的な神…もしくは、悪魔ではない。


ベルフェゴールは、ルシファーと共に神を敵にまわして、大量破壊兵器『炎のつらら』なるものを製作したらしい。

まあ、本当はどんな兵器なのかは、分からない。

そして、ネットの情報は、ゲームやアニメの創作設定が、まことしやかに流れてくるから、注意が必要だ。

「そうよ、私には扱いきれない内容よ〜」

私は泣きをいれた。

中東の難しい問題に、私がナイスなアドバイスが出来るわけもない。

「そんな事は無いわ。ただ、盛者必衰(じょうしゃひっすい)の物悲しさを伝えてくれたら。」


ベルフェゴールの言葉にタロットカードを思い出す。

回転する真理…


そう、すべてのものには、始まりがあり、盛り上がり、そして、衰退をする…

「そんなん、私には語れないわ…

それにしても、ファティマの聖母も、子供に世界平和なんて難しい事を頼まずに、1917年、チャーチルとか、エリザベス女王に言ってくれたらいいのよ。」

私が叫ぶと、ベルフェゴールは困ったようにこう言った。

「1917年、イギリス国王は、ジョージ5世よ。」


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