1/1
プロローグ
運命の伴侶。
それはイロアス帝国皇族に受け継がれる言い伝え。
運命の赤い糸に繋がれた皇子と少女は
いつか必ず巡り会い、結ばれる
2人は人目見たときからお互いを特別な存在だと
感じ、特に皇子は少女に並一通りでない深い深い愛情を生涯注ぎ続ける――――
そんなロマンチックな伝承は帝国の令嬢たちを
惹き付け、そして彼女たちは運命の伴侶に選ばれる
ことを望んだ。
しかし運命の伴侶について詳しいことは
判明しておらず、自身の運命の伴侶に出会わず人生を
終える者も少なくない。
ただ、出会った者たちは口を揃えてこう言う。
「会えばわかる」、と。
これは、目と目が合った瞬間動き出した、
とある2人の運命のおはなし。