砂漠の国へ
話は前後して、バッハトマ王国でのあれこれ。
バッハトマ(タクラカカン)国王アララギが会見した愛し子は、わずか六歳の幼女だった。
かつてバッハトマが犯した愚行を聞いていたのだろう、健康そうな頬は緊張に蒼ざめ、しかしアララギは当事者ではないと懸命に恐怖を押し殺していた。いっそ哀れですらあった。
「シルヴィア・シントラーです。この度は会見を受けてくださりありがとうございます」
「バッハトマ国王アララギ・アルルカン・ミディ・イシュタールである。こちらこそ、助力感謝申し上げる」
砂漠の国バッハトマはエルメトリアと気候がまったく異なるため、シルヴィアはいつものドレスではなくケミスという民族衣装に外出用ヴェールを頭から被って顔だけを出していた。一見すると暑そうだが、締め付けがないため風通しが良く、灼熱の太陽から肌を守るようにできている。
石造りの宮殿は完全に日光を遮り、少しひんやりとしていた。バッハトマが天罰の後になんとか工夫をした努力が見て取れた。
傲慢な王ならこの宮殿だけにして、国民は自力でやれと放置だろう。だが、シルヴィアはここまでの道中で破棄された都市を目の当たりにしていた。住んでいた家を、街を捨て、オアシスのある場所に国民を移住させたのは英断といえる。
天罰が一時的なものか、それとも永続するのかわからない状態で、バッハトマ国王は国民を守るべく動いたのだ。
アララギはバッハトマが砂漠化し、タクラカカンと呼ばれるようになって三代目の王である。他国に頭を下げて多くの国民を逃がし、運河による国交をキャラバンに代え、苦労に苦労を重ねて国を再建させてきた。賢王と名高い男が、六歳のシルヴィアに丁寧に頭を下げた。
正直、愛し子は恨まれていると思っていたシルヴィアは驚いた。そしてアララギに好感を抱いた。
一方、シルヴィアの侍従神官として同行していたタートは、驚くと同時に容易ならぬ人物だと腹の中で唸りをあげた。目的のためなら相手が誰であろうと頭を下げる。自分のプライドを捨てることのできる冷徹さを持っている男だと感じていた。
アララギの目がシルヴィアを見て、彼女の後ろに控えていたグレイスを捉えた。
「そちらのお方は聖女様であられますか?」
愛し子のそばにいる同じ年頃の少女となればそう思うのも無理はない。シルヴィアは首を振った。
「いいえ。こちらはグレイス・バーネット。わたくしの親友ですわ」
誇らしげに胸を張るシルヴィアに、アララギは微笑んだ。
彼がうなずいたのを待って、グレイスが礼を取る。
「はじめてお目文字いたします。グレイス・バーネットと申します」
「うむ。よくぞバッハトマに参られた」
それからアララギはタートに目を向けた。本来名乗る必要のない侍従神官にまで紹介を求めた国王にタートは戸惑い、だが待たせる無礼を犯すわけにはいかないと神官の礼を取った。胸の前で両手を重ね、頭を下げる。
「タート・ティディエ。シルヴィア様の侍従神官でございます」
タートの名に聞き覚えがあったアララギの目がわずかに見開かれた。エルメトリア王家の騒動はいつどこの国に起きてもおかしくない権力闘争である。その敗者にして功労者、もっとも泥を被ったタートの名はアララギの耳にも届いていた。
「愛し子の一行をバッハトマにお招きできること、光栄の極みである。砂漠の旅でお疲れであろう。まずはゆるりと休まれよ」
アララギの言葉にシルヴィアは謝意を示し、用意された部屋に通された。
一行というからには供はグレイスとタートだけではなく、エルメトリア騎士団と魔導士団、側付きの侍従が数名。外交官が随従していた。
「砂漠のお城ってどんなところかと思ったけど、素敵ね」
女官に案内された部屋を見回して、シルヴィアが感嘆した。
柱や天井には彫刻が施され、窓の格子も複雑な文様を描いている。床には華やかな絨毯が敷かれていて、クッションがいくつも置かれてあった。ソファはなく、休む時は床に座るのだ。
天蓋付きのベッドは夜が冷え込むため外気を遮断するぶ厚い布で覆われていた。布団は羽毛という豪華さである。
「本当に。独特の装飾も綺麗ですけれど、とても快適で驚きました」
シルヴィアとグレイスは同室にしてもらっていた。
グレイスは王都に来て以来、魔法の才能を着実に伸ばしている。幼等魔法学校に通う代わりに魔法研究所で魔力制御と魔法の組み方を教わっていた。研究所での訓練が終われば王宮に行儀見習いに行き、帰りに花離宮に寄ってシルヴィアと会っていく。家に閉じ込められていた頃からは想像もできない暮らしだった。
家族はあれから多少反省したのかグレイスと会話を交わすようになった。やはりまだ気まずさは消えず、特に魔力制御を覚えてからは疎んでいるというより怖がられている。少し淋しいが、それでも無視されて意地悪をされていた頃よりずっとましになった。
なによりあの頃と違い、グレイスにはシルヴィアという心強い親友がいてくれる。グレイスと共に笑い、グレイスのために怒り、泣いて、グレイスが好きだと慕ってくれる親友がいるのだ。シルヴィアを通じて世界が広がったグレイスには、家族の悪意など跳ね除けられる程度のものでしかなかった。
それでも家出孤立していることに変わりはない。今回の同行は、そんなグレイスの淋しさを酌んだシルヴィアが強く願って叶えられた。
「お気に召していただけましたか」
女官がほっとしたように言った。
マーブレーナの一件から、愛し子がバッハトマを訪れることはなくなった。シルヴィアが神託を届けに来てくれたのは快挙である。
「はい。遠目からもこの宮殿は金色に輝いて見えましたわ。途中のオアシスはどこも清潔で、みなさんとても親切でした」
シルヴィアは思い出す。さぞや愛し子を恨んでいるだろうという危惧に反し、行ってみれば誰もが笑顔で歓迎してくれた。子供たちは笑顔で手を振り、大人、老人などは涙を浮かべている者さえいたほどだ。
ちなみにこの歓迎パレードの時、パパは「シルヴィアー! こっちむいてー!」とファンサを要求した。感動を台無しにするパパに、やけくそのシルヴィアがやたら笑顔を振りまいたことを付け加えておく。
「バッハトマ王国の良さをこの目で見ることができました。嬉しく思います」
シルヴィアの言葉に女官が頬を染めた。
「ありがとうございます。心を込めて、お世話させていただきます」
女官が頭を下げた。
アララギには「神を敬うように」もてなすよう命じられている。
百三十一年前の一件からバッハトマを訪れる国賓はめっきり減った。少しでも汚名を晴らそうと、国王は客人のもてなしを徹底して国民に指導した。その甲斐あってバッハトマの快適さは我が家のごとしとまで評されるようになっている。客人に気を使わせない心配りで着実に国力を回復していっていた。
そこにシルヴィアの来訪である。バッハトマ王国は喜び、全力を尽くそうと一丸となった。神を敬うようにとは最上級のもてなしを意味している。愛し子に対し、感謝と詫びを伝えたいのだろう。
女官が指示を出すとメイドだろう女性たちがやってきた。
てきぱきと絨毯の上に布を重ね、菓子と果物、お茶を並べた。
砂漠でのマナーは教わったが、食事はテーブルではなく床でとる。宮殿でもそれは変わらないらしい。シルヴィアとグレイスは目を丸くして見守った。
女たちはそれぞれに頭からヴェールを被り、服も体を覆い隠すものだ。どれも凝った刺繍が施されており、動きに合わせてひらひらと花を咲かせている。
二人の視線に気づいた女たちが嬉しそうな笑い声をあげた。
「何か御用でしょうか?」
「あ、ごめんなさい。じろじろ見て」
「床で食事をとるのはまだ慣れなくて、つい」
女たちは子供の疑問を意に介した様子もなく、むしろ自慢げだった。
「テーブルがあるとむしろ大変なんですよ」
「窓から砂が入ってきますからね。いちいち拭くよりは、床で食べてさっと片付けたほうが楽なんです」
「食べこぼしも床で丸めれば済みますし」
やはり彼女たちはメイドのようだ。国は違えどおしゃべり好きは同じらしい。
「生活の知恵ってやつですよ。これはこれで快適です」
頬を赤くしてメイドが言い切った。シルヴィアとグレイスは彼女たちの勢いに圧倒されつつ、顔を見合わせて笑う。
「こら! あなたたち、おしゃべりばかりしないで動きなさい!」
そこに先程の女官が戻ってきた。上司のおでましにメイドたちが慌てて再開しはじめた。こういうところもエルメトリアと一緒だ。
まったくもう、と恥ずかしそうに一睨みした女官に、シルヴィアが弁解した。
「ごめんなさい。わたくしが話しかけました。砂漠での生活を聞いていたのです」
グレイスもシルヴィアを援護した。
「はい。珍しいものばかりで、お仕事の邪魔をしてしまいました」
ごめんなさい。
バッハトマの公用語はエルメトリアとは微妙に違う。子供二人がたどたどしく謝罪したのに怒るわけにもいかず、女官はため息を飲み込んだ。
「……シルヴィア様、グレイス様、お召し替えしましょう」
シルヴィアとグレイスが着ているのは外出着だ。日光から肌を守るために、女官やメイドたちが着ているものより布が厚くなっている。
宮殿は陽が遮られているので涼しいが、これだけ着ていれば汗ばんでくる。着せ替えてもらい薄手のヴェールになると、体がほっとした。
「こちらの刺繍はとても素晴らしいですね」
麻の布に花の刺繍が施してある。ずいぶんと手が込んでいた。
「バッハトマでは服を作るのは女の仕事です」
外仕事では倒れてしまうこともあるので、女はあまり外に出ないそうだ。ごく自然と男女で役割分担ができているのだという。
「刺繍の腕の良い娘ほど嫁に望まれるんです。年頃になる前から針と糸を持たされますから、嫌でも上手になりますよ」
「そうなのですね……」
バッハトマが神の罰によってタクラカカンになるまで一年ほどだった。たった一年で水が枯れ、今までの生活が一変してしまったのだ。
どれほどの苦労と努力を重ねたのだろう。シルヴィアの胸がきゅっと痛んだ。
「あの……。聞いてもいいですか?」
「はい、なんでしょう?」
「あなたたちは、愛し子を恨んでいないの?」
シルヴィアが一番聞きたかったのはそれだ。
バッハトマが愛し子の結婚相手を暗殺したのが悪いのは当然だが、そもそも愛し子という存在さえいなければ今もこの国は水豊かで人々が行き交う、大陸の交流地点として栄えていただろう。
申し訳なさそうに眉を寄せ、叱られる寸前の顔をしているシルヴィアに女官は目を見開き、それからやわらかく微笑んだ。
「……バッハトマは元々神への信仰が篤い国なのです。愛し子を崇めるあまり、かつての王様は強引すぎる手段を用いてしまいました」
うなずいたシルヴィアの前にグレイスが立った。
シルヴィアを傷つけるなら相手になるといわんばかりに見てくるグレイスに、女官の目がさらに細くなる。
「慢心していたのだと思います。愛し子とはいえ人の子、ましてや魔力を持たないか弱い少女です。隠してしまえば諦めるだろうと」
バッハトマは、愛し子が欲しかっただけなのだ。
「憧れて崇拝していた存在が他者に穢されそうになったことへの怒りがあったのでしょう。愛し子には愛し子の幸福があり、心がある。それがわかるには、あまりにも遅すぎました」
どこか遠くを見るような瞳でそう語った女官は、胸に手を置き、シルヴィアに頭を下げた。
「バッハトマに来るのは勇気がいったでしょう。それでもお越しいただけたこと、本当に感謝しております」
シルヴィアは驚いた。女官の話は彼女一人の意見かもしれないが、そこまで愛し子を思ってくれていたのが意外だった。
歴史書や、一般に広がっている恋物語とは全然違う。バッハトマ国王の私欲や聖女の逆恨みだけではない、根強い信仰心が絡んでいたのだ。
「頭を上げてください。一方の話だけを聞いて、誤解していました。わたくしが悪いのです」
「シルヴィア様……」
女官が頭を上げた。目が潤んでいる。
「わたくしは愛し子。人々が平和に生き、幸福であるお手伝いをするのがわたくしの役目です」
きっぱりと言い切ったシルヴィアは、前に立ち守る体勢を崩さないグレイスの腕に抱き付いた。
「わたくし、ちっとも怖くありませんわ! グレイスと一緒に旅をすることができて、楽しかったくらいです!」
「まあ、シルヴィア様」
ぽっとグレイスの頬が染まった。
堅苦しい王宮を離れて、親友と朝から晩までずっといられるなんて滅多にない。むしろ役得だった。
無邪気に喜ぶシルヴィアに、女官の顔に笑みが戻った。
「では、どうぞバッハトマをお楽しみくださいませ」
そう言って下がった女官は廊下でタートとすれ違った。神官は神官服にローブ姿が義務付けられているので一目でそうとわかる。
一礼した女官はふと振り返り、タートがシルヴィアの部屋に入るのを見て忌々しげに眉を寄せた。
そのまま木陰の道を通り抜け、宮殿内にある教会の裏口に着く。そっと左右を見回してから入っていった。
中にいた修道女が彼女に気づいて近づいてきた。
「遅かったわね。サートゥルノ様はもういらしてるわ」
「申し訳ありません。愛し子様と話をしておりました」
愛し子、の言葉に修道女が顔を輝かせる。
「まあ! ぜひその話を聞かせて」
「はい。まずはサートゥルノ様に」
二人は神官室のドアをノックした。女官が居住まいを直し、何度か空咳をして喉を整える。
「お入り」
部屋の中には二人の男がいた。神官服を着た男と、スリーピースのスーツに片眼鏡をかけた赤毛の男だ。
女官は片眼鏡の男の前に進み出ると、胸に手を当てた。
「お久しぶりでございます、サートゥルノ様」
「うむ。元気そうでなによりだ、イマリ」
「はい。ありがとうございます」
床にはすでにクッションと飲み物が用意されていた。サートゥルノが座るように促し、四人が席に着く。
しばらく挨拶と雑談が交わされた。サートゥルノが茶碗を床に置いたのを合図に、話を切り出す。
「今代の愛し子、シルヴィア様はどのようなお方だった?」
「はい。黒髪に黒い瞳と、愛し子にしては落ち着いた色でございます。お顔立ちはたいそうかわいらしく、微笑まれるとほっと心が和みます」
イマリと呼ばれた女官は身を乗り出した。
「いまだ六歳。子供らしく無邪気で、好奇心旺盛なところがおありのようですわ。砂漠での生活に興味をお持ちになり、メイドにも気さくに話しかけておりました」
サートゥルノの片眼鏡の奥にある金色の瞳が濃くなった。神官と修道女も微笑ましげに相槌を打つ。
「バッハトマのことを気にかけてくださっていたようです。教会から話を聞いていたのでしょう、愛し子に恨みはないのかと訊ねられました」
「……ふむ、それで」
「ええ、もちろん否定いたしました。愛し子を愛しこそすれ、恨みなどあろうはずがありませんもの」
神官が深くうなずいた。
「愛し子を守るべき教会が愛し子に差別と偏見を吹き込むとは……。まったく嘆かわしい」
「ですが、シルヴィア様は一方の話だけで誤解していたと謝罪してくださったのです。ただ言われるがままではなく、ご自分で判断するためにバッハトマ来訪を望まれたのでしょう」
「賢いお方のようだな」
「はい。賢くて、おやさしいお方です」
シルヴィアを思い出して微笑んでいたイマリは、しかし次に顔を曇らせた。
「ただ、ご親友という少女とは、あまり一緒に過ごすことができないようです。今回の旅で仲を深めることができたとたいそう喜んでおられましたわ」
サートゥルノが髪と同じ赤毛の髭を撫でた。
「その少女のことは知っている。主に愛し子の友人にと選ばれながら、家族に疎まれ虐待されていた少女だ。シルヴィア様が自らお救いになられたそうだ」
「なるほど。シルヴィア様を守ろうとしていたのはそのためだったのですね」
グレイスに警戒されていたと言えば、さもありなんとサートゥルノがうなずいた。
「グレイス嬢はシルヴィア様に守られている。恩を返したいと思っているのであろう」
四人はそこで黙り込んだ。神官と修道女は恥じ入るようにうつむき、イマリが縋る目でサートゥルノを見つめる。
「嘆かわしいことだ」
低い声が落ちた。
「国も、教会も、愛し子を利益のための道具としか思っていない。このままでは今代の愛し子も、また利用され絶望のまま天の国にお帰りになるだろう」
「サートゥルノ様」
神官は苦渋に顔を歪ませた。サートゥルノがうなずいた。
「わかっている。バッハトマに迷惑はかけんよ。シルヴィア様を囲っているのはエルメトリアだ。シルヴィア様を国益のために利用し、世界を支配しようとしている。このままいけばカイン王子と婚約させられるだろう。我が祖国といえど恥ずかしい限りだ。……が、とても都合が良い」
バッハトマの国民である三人は顔を見合わせ、サートゥルノを見て、うなずいた。
「サートゥルノ様、罪深いのは我々とて同じ。いえ、世界中のすべての者が罪を背負って生きているのです」
神官が言えば、修道女も続けた。
「愛し子様の神託に縋り、聖女ごときを守りにするのは間違いです。聖女の害は知っているはずですのに、精霊魔法があるからと。それを正し、愛し子様をお守りするのは我らの使命でありましょう」
イマリもまた胸を張って言った。
「今のバッハトマをご覧ください。愛し子様に頼らずとも、知恵と力を合わせればどんな困難も乗り越えていけるとバッハトマが証明しています」
天罰を受けたバッハトマでさえ自力で立ち直ることができたのだ。世界が力を合わせればできないことなど何もないだろう。
「聖女が不在の今が好機。シルヴィア様には無垢なまま、天の国にお帰り願おう」
「はい。それこそがまさに神の御心に適うことでしょう」
バッハトマ王国は神への信仰が篤い国だ。
だからこそ、神の愛し子が男と通じる――結婚することを忌避している。
愛し子を神託の道具として利用するのは悪であり、ただ慈しみ、守るべきだという考えが根強かった。
その思想が暴走した結果がタクラカカンの悲劇だ。だがこれはかえって神への信仰を強め、愛し子への畏敬の念を強くするだけだった。
そして、そういう思想を持つ者は、バッハトマに限ったことではない。
「すべては神と愛し子のために」
赤毛に金の瞳。片眼鏡をかけた男、サートゥルノ・アルフォンス・フェルディナンドはエルメトリアでも高名な宗教学者である。バッハトマへの旅を、神託の真意が知りたいと同行を許された一人だ。
彼の思想に賛同する者はエルメトリアを中心に広がっている。
「すべては神と愛し子のために」
三人が唱和した。
彼らの目的はただ一つ。愛し子を神の御許に帰すことである。
愛し子過激派が動き出す!




