第94話 アイリスの故郷と帰宅
「なるほどな。つまりアイリスは銀狼に変身できるってことか……」
「うん。そうなるね」
あれからマークさんの家まで戻った僕とギルベルトは別室に移動して二人だけで話をしていた。
流石にこの状況で誤魔化すことは出来ない。
僕は隠すことなく伝えた。
「そうか。だからライアスは馬を持ってなかったのか。銀狼になれるってんなら、馬車を引くくらいはどうってことねぇはずだからな」
ギルベルトは僕が馬を連れていなかった理由を察したようだ。
今の所、ギルベルトの顔に非難するような色は無い。
ただ安心はできないだろう。
エルフと敵対しようとしていない時点で、ある程度亜人にも理解があるとは思っているけど、どの程度までかは分からない。
そして、アイリスが銀狼という特殊な存在であるなら、他にも気になる存在が居るはずだ。
「ってことはあれか、ずっとフード被ってる嬢ちゃん達も……」
「うん。エルフだね」
わざわざラストエルフであることは言わないけど、僕は正直に話す。
ここで嘘を吐いてもバレるだけだし、嫌な不信感は与えたくない。
少し考え込んでいたギルベルトは呆れるように言った。
「かぁ、お前、危ない橋渡ってんなぁ」
そうして、頭を掻きながらもギルベルトは笑った。
「だが、良い。オレの目には狂いが無かったってことだ。やっぱり、お前は何か持ってやがるな」
「そ、そうかな?」
「ああ、そうに決まってんだろ。亜人と仲良くしてるだけでもヤベェのに人間の癖してエルフの村に受け入れられていやがったからな。あんなことを平然とされたら、そう思わざるを得ねぇなぁ」
あれは、アリエッタさんが特殊だっただけの気もするけど……
でも、ギルベルトの言葉には咎める雰囲気は無い。
受け入れてくれたということだろうか。
話は終わりとばかりにギルベルトがみんなの元に戻ろうとする。
「もう良いの?」
「あ? 良いに決まってんだろ。オレは何か分からねぇ状況が嫌いなだけだ。アイリスが銀狼で、フードの嬢ちゃん達がエルフなら、それを知れた段階でオレから何かする気はねぇよ」
それは一種の職業病のようなものだろうか。
行商人をやっているくらいだから、情報の大切さというのは骨身に染みているはずだ。
だからこそ、分からないことを分からないままにすることを嫌っているのかもしれない。
「そっか。ありがとう」
「なんだ、礼を言われるようなことをした覚えはねぇぜ」
「やっぱり、亜人ってだけで生きづらい思いをしてるからね。仲良くなった人に敵視されるのは辛いだろうから」
「はっ、そもそも今の世の中だって、気に入らねぇアイツが造ったもんだろ? それに従う方が気持ち悪いぜ」
まぁ、人間の国では上手くやるけどな、と締めくくったギルベルトはみんなの元へと戻る。
ギルベルトが亜人に理解のある人で良かった。
アイリスも今頃はおじいさんやおばあさんと今までのことを話しているだろうから明日には元気になって戻ってくるだろう。
直近の問題が解決した僕は少し心が軽くなったような気がしていた。
◇◆◇
「それで、確か小さな魔物が出るんでしたっけ?」
「はい。お客人に話すようなモノでは無いのですが、猿型の魔物だと思います……度々村に現れては畑を荒らしていくんです」
僕はマークさんから、今この村を襲っている魔物についての話を聞いていた。
でも、それは多分魔物じゃないと思う。
もし、魔物なら人間を襲っているはずだからだ。
そんな話は無いみたいだから、恐らくは新種の動物とかだろう。
でも、確かに厄介だな。
結構数が居るみたいだからその被害も大きくなってくる。
柵を作ろうにも猿なら余裕で超えられてしまうだろう。
「なんとかなんねぇか、ライアス。正直、オレは良い案が浮かばねぇ」
うーん。普通に思いつく案ならば、全て試しているはずだろう。
別の価値の低い食料を囮にしたりするのも、効果はありそうにない。
村の人達には出来ずに、僕達に出来ることはあるだろうか?
恐らく僕達の戦力ならその猿を追い返したり追い込むことは出来る。
でも、あまり長い時間滞在できる訳では無いので、現実的な手段とは言い難い。
「あ!」
そこで、僕は自分の馬車に乗っているものを思い出した。
あれなら、なんとかなるかもしれない。
「なんだ、何か思いついたのか?」
少なくとも試してみる価値はあるだろう。
それに、これは僕達が居なくなっても使える手段だ。
「うん。ちょっと見た目はあれだけど、お守りみたいに使えるかも」
僕がそこまで言うとカナリナも理解したのか、眉を顰める。
「え、アンタあれ使うつもり?」
「うん。効果はありそうでしょ?」
「まぁ……確かに一理あるわね」
そう。僕が使おうとしているのは大災害の魔物だ。
今荷台には大災害の魔物の死骸が大量に詰め込まれている。
それを幾つか畑の周りに置いておけば、その残った魔力だけでも牽制になるはずだ。
魔物も動物も匂いには敏感なものが多い。
決して悪い賭けじゃない。
少し置いてきぼりをくらっているマークさんに向き直る。
「解決になるかは分かりませんが、一つ案があります」
◇◆◇
「こ、これは……」
マークさんは人の顔程もある蜘蛛型の魔物を見て、怯えたような声を上げる。
いや、そうなってしまうのも無理はない。
普通の蜘蛛より何十倍もデカいのだ。流石に引いてしまうだろう。
僕は大災害の魔物の本体を見ているからまだ、可愛い大きさに見えるけど、それを知らない村の人からすれば、ただただデカくて黒い蜘蛛の死骸だ。
マークさんも、なんとなく禍々しさは感じるのか、少し気分が悪そうだった。
「どうしましょう? 多分、これを置いておくと猿も寄ってこないと思うのですが……」
「いや……はい。そうですね。では少しだけいただけますでしょうか?」
ちょっと断りたくなったのかもしれないけど、流石にこのまま猿に食べ物を食い荒らされたら生きていけない。
これが解決策になるならという思いだろう。
そうして、僕は幾つか魔物の死骸を取り出し、村の周りに置いておく。
(うーん。景観が悪い……)
大災害の魔物だから仕方ないのかもしれないけど、村の周りに黒い蜘蛛を置くのは違和感が凄い。
まぁ、猿を防ぐための犠牲だと思って欲しい。
「それでは、これで様子を見てみてください」
「あ、ありがとうございます」
まぁ、明日にはここを出るから、これで無理だったとしても僕は対応できない。
今度ギルベルトが来るみたいだし、様子を見ていてもらおう。
そうやって、村に現れる猿の件もひとまず片付いたことで、夕食を取ってから明日に備えて眠ることになった。
◇◆◇
「あなたが、ライアスさんですか……昨日は碌な挨拶も出来ず、すみません……アイリスから話は聞かせてもらいました。アイリスを助けてくださったそうで、ありがとうございます」
「おじいさん、頭を上げてください。僕も彼女には助けてもらっていますから」
次の日、アイリスの様子を見に行った途端、足が悪かったはずのおじいさん手ずから迎えに来てくれた。
「あの子には酷いことをしてしまいました。ですがこうして、謝る機会を得られたのはあなたがこの村に来るよう説得してくれたお陰です。なんとお礼を言ったら良いか……」
余程アイリスが来てくれたことが嬉しいのだろう。
謝っている姿ではあるけど、昨日よりもかなり元気になっているようだった。
そんなおじいさんの後ろからアイリスが出てくる。
「もうおじいちゃん、ライアス君が困ってるじゃん……ライアス君ありがとう。昨日はしっかり話せたよ」
そうして、家の中から出てきたアイリスの顔は晴れやかだ。
そして、僕が驚いたのはもう一つ。
「そっか。その耳と尻尾を見る限り、克服できたんだね」
「うん! おじいちゃんもおばあちゃんも受け入れてくれたよ」
アイリスは今まで「誰かと違う」ということに、とてつもない恐怖心を抱いていた。
それは仕方の無いことだ。
銀狼族からは、体毛が生えていないことで追い出され、人間の村からは狼になったことで追い出された。
そんなアイリスにとって誰かと違う、特に人間と違う狼の耳と尻尾はずっと隠しているものだった。
たまに僕には見せてくれるけど、それを他の人に見せたところは見たことは無い。
でも、これを見る限り克服できたのだろう。
僕はアイリスの重荷が取れたことを嬉しく思う。
ただ、それと同時に不安にもなってしまった。
アイリスは今、本当に幸せそうだ。
久しぶりに会ったおじいさんやおばあさんと過ごせる時間が楽しいのだろう。
ただ、そうなってくると、もしかしたらアイリスはここに居る方が良いと言うかもしれない。
アイリスにそう言われたら僕は止めることが出来ないだろう。
そんな思いが顔に出ていたのかもしれない。
アイリスは耳と尻尾をぴょこぴょこと動かしながら僕の元まで来ると、腕を絡めてくる。
「おじいちゃん、おばあちゃん。昨日は、ううん。今まで育ててくれてありがとう。私はこの人と一緒に行くね」
そうやって、おじいさんとおばあさんに告げた。
おじいさんとおばあさんはそれを聞いて、少し寂し気な顔を見せたけど、すぐに優しい笑顔になる。
「ああ、婆さんや、アイリスは良い人を見つけたようだねぇ」
「ええ。アイリスの顔を見れば分かりますね」
そう言って、おじいさんが僕の元まで歩いてきて手を出してきた。
「あまり偉そうなことを言える立場ではありませんが、どうか、アイリスをよろしくお願いします」
その差し出された手を僕もしっかりと握り返す。
「はい。任されました。アイリスと協力しあいながら、幸せを探していきたいと思います」
おじいさんは少し涙ぐんでいるようだった。
僕は改めて彼女達を大切にしなければならないなと思う。
彼女達も色々と訳ありだけど、大切に想ってくれる人が居る。
彼女達と一緒に過ごすということはそんな人達の想いも任されたということだ。
僕はおじいさんと会ったことで、そのことを再確認した。
◇◆◇
「少しの間でしたけど、ありがとうございました」
「いえいえ、ライアスさんのお陰で今朝は猿が来ませんでしたからね。それに、ライアスさんは守り神の伴侶でもありますから。また機会がありましたら、いつでも寄ってください」
アイリスがあの時の銀狼だということは何故か村中に知れ渡っていた。
村の人達は銀狼になれるアイリスに恐怖心を抱かないどころか、神聖視すらしていて、隣に居る僕まで守り神扱いされるところだった。
まぁ、そんなこともあったけどアイリスの嬉しそうな顔を見れたので良しとしよう。
「おじいさんも、お元気で。また来ますね」
「ええ。気長に待っとります。アイリスや、元気でな」
「うん。おじいちゃん、おばあちゃん、またね……」
少しアイリスは寂しそうな声を出したけど、泣いてはいけないと思ったのか、笑顔で手を振っていた。
「よし、それじゃあ行くぜ。今日で出来るだけ距離を稼いでおきたいからな……マークも、村長もまた近々来るから、その時はよろしくな」
「いつでも、待ってるよ。あ、お酒は美味しい奴よろしくね」
「ククク、分かってるよ」
マークさんとそんなやり取りをした後、ギルベルトは馬を走らせた。
今回は僕もみんなと同じ馬車に乗っている。
そこでアイリスに小さく謝る。
「一日しか居れなくてごめんね」
本当はもう少し居たかったに違いない。
でも、アイリスは首を横に振った。
「ううん。これで良かったんだよ。おじいちゃんやおばあちゃんとも仲直り出来たし、また会いに来れば良いからね」
確かにアイリスと会ったおじいさんとおばあさんには活力が漲っていたからな。
また、会いに行くチャンスはあるだろう。
そんな訳で、偶然の出会いだったけどアイリスの故郷帰りという当初の目的を果たした僕達は久しぶりの家への帰路についた。
◇◆◇
「それじゃあ、ここで良いんだな」
「うん。ありがとう」
「いや、礼はオレ達が言わなきゃならねぇ。エルフの村でのことは助かった。また、今度会ったときにしっかり借りは返させてもらうさ」
家の近くまで送ってもらった僕達はギルベルト達に別れを告げる。
ギルベルトは義理堅い性格なのだろう。
エルフの村でも恩には報いると言っていたので、今度会った時は何かしてくれるようだ。
「それじゃあ、またどこかでね」
「ああ、なんか、ライアスはどこにでも現れそうだからな。朝起きて、オレの寝床に居たとしても不思議じゃねぇぜ。またどこかでな」
まぁ、確かにエルフの村で捕らえられたと思ったら、そこに人間である僕が来たらそんな感想になってしまっても仕方がない。
そうやって笑いあった後、ギルベルトと別れた僕達は家に向かう。
「結構疲れたね~」
「はい……やっぱり、旅は慣れないです……」
「ミーは楽しかったけどね~」
「まぁ、こういうのはたまにで良いわね。やっぱりあたしはここで暮らしてる方が楽だわ」
特にファナとティナちゃんなんかは、ギルベルトと会ってからはずっとフードを被ってたからな。
心身ともに疲れているだろう。
「ファナと、ティナちゃんも疲れたでしょ?」
「いえ、私は……でも、エルフの村で、ラストエルフとバレないかは心配になりました」
「お姉ちゃん、びくびくしてたもんね」
「び、びくびくはしてないわよ」
そんな風に談笑する中、アイリスが笑みを零す。
「でも、やっぱり私たちの家が一番だね!」
みんなも同じ意見なのか、無意識にみんなの歩く速度が速くなった。
そこで、僕はふと思い出す。
「そういえば、ぷーちゃん達が家を修繕してくれてたよね。雨風が防げるようになってるとありがたいなぁ」
元孤児院は長年の劣化で、雨漏りと隙間風が酷かった。
それが直ってくれていたら大手柄だろう。
そんな風に気楽に考えていた僕だったけど、家に近づくにつれて、何か変な違和感に気付き始めた。
まだ森の中なのでしっかり見える訳じゃ無いけど、なんか綺麗な白色が見える。
僕達の家はほとんどが森と同化しているので白い壁は草に覆われ、色自体もくすんでいたはずだ。
それなのにも関わらず、森の隙間から綺麗な白色が見えるのだ。
僕はそこで重要なことを忘れていたことに気付いた。
巨人族の里の地下に居たエルフの研究者達。
その設備は地下にあるものと思えない程素晴らしいものだった。
そして、そんな凄いものを造ったのは恐らくエルフじゃない。
あのぷーちゃん達だ。
しかも、多分ぷーちゃん達は研究者のエルフ達に無理やり従わされている感じだった。
そんなぷーちゃん達が元気よく本気を出したらどうなるのか……
「え……」
言葉が出ないとはこのことだろうか。
僕の目の前には元の建物の面影を感じさせない程、立派な城が建っていた。
綺麗な白色は太陽を反射して神々しく光を放っている。
(あれ? というか大きくなってない?)
元の孤児院もかなり大きかったけど、なんか一段と大きくなっている気がする。
というか、周りの木が伐採されて、平地になってるし、突っ込むところが多すぎる。
もしかして、場所を間違えたのか。
そんな風に現実逃避しだした僕の元に地面から近づく存在が居た。
「ぷぎぃ!」
地面から現れたぷーちゃんは久しぶりの再会を喜ぶように僕の胸に飛び込んでくる。
そして、自分の後ろにある大きな城を指差し、どうだと言わんばかりに眉を寄せた。
「これ、ぷーちゃんが造ってくれたの?」
「ぷぎぃ!」
元気満々に返事をするぷーちゃん。
そして、かなり立派に、というかもはや別物になった建物を見て、みんなも声を漏らす。
「良い、ですね……これならライアスさんが住んでいても、おかしくない、です……」
おい、プリエラよ。僕をどれだけの存在だと思っているんだ……
「うわぁ~おっきい~」
「これだけ大きいと、家でも走れそうだね!」
「こ、これは凄いわね」
みんなそれぞれに感想を零しているけど、これが異常であるとは思っていないらしい。
異常性が分かるのは、人間の貴族として暮らしていたカナリナくらいなものだろう。
そして、そんなカナリナから不穏な言葉が聞こえて来る。
「これ、王城より立派なんじゃないかしら?」
ま、マジですか……
僕は王城を見たことは無い。
でも、どう考えても王城より立派な建物を造って許される気がしない。
そこまで考えたところで、僕はまだぷーちゃんにお礼を言っていないことに気付く。
確かにやり過ぎ感は少々、いやかなり否めないけど、これだけやってくれたぷーちゃん達には感謝しかない。
未だ僕の腕の中で不思議そうな顔をしているぷーちゃんを見る。
「ぷーちゃんありがとう。ほんとに立派な家だよ」
立派過ぎるけどね、という言葉は呑み込んでおいた。
僕が笑うとぷーちゃんも嬉しそうに鳴いていた。
「他のみんなもありがとう。何かご馳走を作れるようにしておくね」
僕はぷーちゃんの後ろで待機しているデリモット達にも感謝を伝えておく。
これだけやってくれたのだ。何か恩返しはしたい。
デリモット達は何が好きなんだろうか。
そんな風に考え出した僕をぷーちゃんが引っ張ってきた。
「ん? どうしたの?」
「ぷぎぃ!」
ぷーちゃんはついてこいとばかりに僕の先を歩く。
どうやら家を早く見て欲しいらしい。
そんな訳でみんなと家に向かったけど、どうやらぷーちゃんが伝えたかったのは別のことだったようだ。
「これは……?」
家の玄関の前だろうか?
そこには何やら手紙のようなものが落ちていた。
かなり綺麗な封書に入れられているけど、誰からだろう?
というより、封書があるということはここが誰かにバレたってことか?
そんな風に疑問を抱えながらも僕は封書を拾う。
「え? 待って。それってもしかして……」
カナリナが何かに気付いたのか声を上げたけど、まだ答えには至っていないらしい。
手紙なので、開けてみなければ始まらないか……
僕が封書を開くと、そこには立派な一枚の紙が入っていた。
「え~なになに。ライアス、並びにその仲間たち。大災害の魔物の討伐ご苦労であった。差し支えなければ、我が開催するパーティに招待したい。いつでも歓迎しよう」
そして、最後にはアーノルド・ローランドという名前とともに、何か凄い綺麗な印鑑が押されていた。
「え? アーノルド・ローランド?」
ローランドを名乗ることを許されているのはこの世界では彼らしかいない。
そう、それはこのローランド国を治めているものであり、エルフを窮地に追いやったあの──
そんあ僕の思考に被せるようにカナリナが叫んだ。
「そ、その印鑑! 間違いないわ。それ、王家の紋章よ!」
え、マジで……
様々な疑問が頭を駆け巡る中、最後に僕の中に残ったのはシンプルな言葉だった。
「ヤバイ……」
帰って来てそうそう、僕は大きな問題にぶつかっていた。
アイリスがトラウマを克服できたことを喜んでいる中、家に戻ってきたライアス達を待っていたのは王城と見まがうほど立派な城と、一枚の手紙でした。
王家から送られてきたという手紙。
ライアス達の存在は国王にも知られていたようです。
ただ、ライアス達を呼ぶ国王の意図は分かりません。
この手紙にライアスはどのような答えを出すのか。
次回、封書の意図と選択。お楽しみに。