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王女だってお姉さまを好きになる  作者: 雪の降る冬
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夏を楽しむ少女7

お店の扉が開くと、鈴の音が小さくなる。

その音を聞くと、すかさずお客様の前まで行き笑顔でお迎えします。


「いらっしゃいませ!」


元気よく挨拶をすると、いつもと違った店員の前に驚きと楽しそうな顔をする。

扉の前で立たれると次のお客様が入れないので人数確認をしてテーブルに案内します。

最後に、メニュー表とお冷をお渡しして、注文を聞かれるまで他の方の接客をします。


リザさんのお父さんが倒れられ、急遽ボランティアとして手伝う事になった私たちはキッチンとフロアに分かれる事にしました。

私とヒマリ先輩が先発としてフロントに入り、控えにはレオナちゃんで時間制限で交代制です。

キッチンの方ではリザさんの監督のもとマリア会長とお姉さまが担当しています。

配役は料理の上手さで決まりました。


ミワちゃんはリザさんの弟さんとたまに食器洗いを頼む程度で後は遊んでもらう事にしました。

流石に子供に仕事をさせるわけにはいきません。


「ありゃ?今日はリザちゃんじゃない子がいるね?」


常連の方でしょうか?

少し高齢の方が入店してきました。


「いらっしぃませ!」


まずはマニュアル通り接客です。

来店してもらっている以上おもてなしは必須です。


「今日はリザちゃんいないのかい?」

「リザさんはキッチンで料理をしています。今日だけ私たちがこのお店で働かせてもらっているんです。もしお話があるならお呼びしましょうか?」

「いや、大丈夫じゃよ。いつもきな臭い爺の料理ばかりで、せっかくリザちゃんが料理してくれるのなら嬉しいわい。それに、別嬪さんの接客も嬉しいからのう。」

「別嬪さんだなんて大袈裟ですよ。」


かなり長い年月通われている方のようです。

お店のルールもちゃんと知っているようでスムーズに接客出来ました。


「リ、リーナちゃん、こ、交代の時間です!」


ここに来て休憩の時間になりました。

私と交代で入るのはレオナちゃんでとても緊張しています。


「緊張しなくても、笑顔でいればどうにかなりますよ。」

「そ、そうかな?」


どうにも緊張が抜けていないようです。

ここは私が緊張をほぐして上げようと人差し指でほっぺを釣り上げてあげました。


「リ、リーナひゃん!?」

「どうですか?ちょっと緊張がほぐれますでしょう?心配しなくても、これぐらいの笑顔を保つことを考えていればいいんです。それ以外考えなくて大丈夫です。失敗してもヒマリ先輩がいますし、まずは笑顔だけに集中するんです。」

「う、うん!」


まだ固いですがあれぐらいなら大丈夫でしょう。

交代してすぐにお客様が来ましたが、笑顔だけはしっかりしているようでした。

しかし、笑顔だけで接客のマニュアルを完全に忘れているのはどうかとも思います。


それでも、交代してレオナちゃんに任した以上心配するのはやめましょう。

自分でもヒマリ先輩がいると言ったように困った時は助けてくれるはずです。


「リーナ、お疲れ様。」

「お姉さまもお疲れ様です。」


ちょうどお姉さまが休憩していました。

お隣の席が空いていたので、座らしていただきました。


「接客の方はどうだった?あなたを知っている人はいたかしら?」

「大丈夫でしたよ。それに、変装しているので顔を知っていても気づかれていないともいます。」


実際、私を見ておかしな反応をした人はいませんでした。

代わりに、綺麗だと褒めてくれる人はいましたが。


「それよりも、お姉さまの方は大丈夫ですか?顔色は朝よりも良くなっていますが心配です。」

「だいぶ良くなったわ。あなたからもらった薬のおかげよ。」


私の作った精力剤で元気になってもらえて嬉しい気持ちと、言葉の響きがエッチで興奮しそうな2つの気持ちが湧き上がります。

だって、自分で作った精力剤を飲んで元気になったと言われて興奮しない人なんていませんよね!?


それと、味や飲みやすさに凝ったかいもありましたし、今度お母様や偶に自分の薬を流してもらっているお店に渡してもいいかもしれません。


「リーナちゃん、サナさんお疲れ様です!」


リザさんも休憩をしに戻ってきました。

手には料理が綺麗に盛られているお皿を持っていました。


「一緒にお昼ご飯食べましょう!」


持ってきてくれたのは、自分たちの賄いと彼女自身の昼食のようです。

賄いにしては少し派手な物でしたが、リザさんが気にしていなかったようでしたし、せっかく作って持ってきていただいたので有難くいただくことにしました。


昨日も思いましたがリザさんの作った賄いはとてもおいしく、お姉さまも絶賛していました。

料理人の腕としては申し分ないので、人手があればすぐにでも人気が出そうでしたが、社会という物は厳しいのだとお店を通して感じさせられます。

どこか手伝ってあげたいですが、誰か一人だけ贔屓してはいけないので、今回ぐらいしか手を差し伸べられません。


それからしばらくすると、ヒマリ先輩と変わりました。

お姉さまも休憩を終えてキッチンの方へと向かわれました。


レオナちゃんがどうなっているのか気になり、少しだけ様子を見てはいったのですが、緊張は既に解けてちゃんと受け答えできていました。

入った当初は受け答えを忘れるほど緊張しているようでしたが、ほんの数時間で見違えていました。


そして、夕方まで問題が起きる事もなく完璧にとまでは行きませんでしたが、失敗しても失礼のない態度で熟して終わりました。

リザさんも満足いってもらえているようでしたので今回は成功と言っても問題ないでしょう。


「みんなありがとうね!」

「いえ、こちらこそ貴重な体験有難うございました。」

「かしこまらなくて大丈夫ですよ!正直、1人でやってもうまくいかなかったのは薄々気づいていましたし、止めてもらったという意味でも助かりました。」


お互いに謝るような流れになり苦笑してしまいます。

それでも、人助けができて満足でした。



===================



「視察はうまくいったの?」


部屋に戻ると、誰もいないはずの空間に声を掛けました。


「ちゃんと場所を特定して結界を張っておいたわ。これで美徳を誰かに持って行かれることはないわ。」

「私とお姉さまで張った特別な結界なので認識阻害もあり、どれだけ暴れても問題になる事はないと思います。」


誰もいない部屋に突然とアリスとエリスが現れました。

今日一日中私たちがボランティアとして活動している間、2人には美徳がある場所を探してもらっていました。

本当は私たちが動くはずだったのですが、時間の無駄の排除とアリスの方が探知にたけているという事で変わってもらっていました。


「それで、結界を張って戻ってきたという事は、美徳をすぐには回収できないようね。」

「私達女神が直接触れないように強固な呪いが掛けられていたわ。」

「それなら、私たちにが直接向かうだけで良いのですか?」

「そうとも限らないわ。美徳は私の半身でもあるの。防衛意識として近くの生き物を操って襲ってくる可能性もあるわ。」


となると、最低の状況を想定して向かう必要があるみたいです。

美徳が操る生き物となると強力な力を持っている可能性が高いので、その場合の対処を今日中に考えないといけません。


「リーナ、これから会議をするけど、眠くなったら言ってちょうだいね。」

「全然眠くありませんのでその必要はありません!それこそ、お姉さまの方が体調的に辛くなったら言ってください。」


お姉さまに苦笑されながらも、4人で話し合いをするのでした。

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