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王女だってお姉さまを好きになる  作者: 雪の降る冬
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戻ってきた少女6

「まだ本格化はしていないが、君の婚約者にと名乗り始めている豚が数名いるんだ。僕としては譲ってもいいんだけど、君が困るだろ?そして、俺も多少困るんだ。サナと結婚することは前提として考えていきたいが、君が断れば話が変わってくる。君と結婚することに意味があるんだ。」


イロエの話はもっともです。

彼以外と結婚となれば私にとってあまり好ましくありません。

この国の法律では同性の結婚が認められていないため、お姉さまと結婚するには一夫多妻制を利用するしかありません。

しかし、彼以外となればどこの誰かもわからない相手と結婚するだけでなく、お姉さままで巻き込んで今うのでそれだけは避けたいです。


「わかりました。今回だけはあなたの策に乗ります。しかし、これはあくまでお互いの利益のため。そこだけは忘れないでください。」

「分かっているとも。」


少々時間をいただき、2人そろって外に出かける事に。

お姉さまのお母様は仲良くしているように見えているらしいのでとても喜んでいました。

本当は否定しておきたかったのですが、イロエと不仲であると知って悲しませるわけにもいきません。

それに、お母様のお口からお姉さまに伝わってしまう可能性もあります。

そうなれば、偽りの顔しか見せられていないお姉さまがどれほど悲しんでしまうか考えるだけで胸が締め付けられてしまいます。


「お手をどうぞ。」

「ありがとうございます。」


2人して偽りの笑顔を作ったまま街の中を歩いて行きます。

王女という肩書があっても、多少の変装をすれば街中には自由に散策出来ます。

偶にお店に立ち寄って仲のいい恋人のような会話をして、周囲の人にアピールをしていきます。

このような事は昔から行っていたので、お互いに何の前振りもなく言葉が出てきます。


そんな偽りの関係も外から見れば仲の良い恋人同士。

誰も私たちの仲が悪いなんて知る由もない。




====================




「おかえりなさい、リーナ、お兄様。」

「ただいま、サナ。」

「お、お姉さま!?お戻りになられていたのですか!?」


お姉さまのお家だからいる事は当然なのかもしれませんが、まさか一緒に帰る所を見られてしまうなんて想定外です。

このままではあらぬ誤解を受けてしまいます。


「一度は白紙になった話だったはずだけど、仲がいいままでよかったわ。もしかして、気持ちはまだあるのかしら?」


やはり誤解をしてしまっていますわ!!

どうにか誤解を解かないと!?


「違うよサナ。仲が悪いわけではないけれど、サナとリーナが戻ってきたことで他の男性が近づくようになってしまった。せっかくの休みが今日みたいな会談でつぶれるのは良くないと思ってね。におわせ程度の行動をしておいた方がいいと思わないかい?リーナには元婚約者である私がいると、サナには王女であるリーナが会いに来ていると勘違いさせていた方が休みを満喫できるんじゃないのかい?」


ぺらぺらと戯言が出てくるところはさすがだと思います。

ここまでお姉さまの前で白々しく言えるのは本当に天賦の才能だと思えます。

敵である彼に、今だけは協力者でよかったと思えます。


「そうだったのですね。…ですが、気持ちが本当であるのであれば私はいつでも応援しますよ。」


それでも、お姉さまの中では私たちの関係を少しだけ信じているようです。

悲しいのですが、これ以上言い訳をしてもかえってより怪しさを増してしまい誤解を増幅させかねないので話はここでおしまいです。


夕食にはまだ早い時間だったので、この後はお姉さまのお部屋にお邪魔させてもらいます。

お姉さまと話す機会がなくてお姉さまロスの状態で今日は限界です。

お姉さまの匂いが充満しているお部屋でのお話はとても体にいいので、皆さんもぜひ試してみてください。


そして、就寝前まで一緒にいると、別れ際にお姉さまから頼みごとをされてしまいました。

後日王宮の別館でお話があるとかなんとか。

一体どんなことがあるのかまだ日にちがあるのにとてもワクワクしています。

お姉さまからお呼び出しをしてくださるなんて光栄すぎて、その日はなかなか眠れませんでした。



======================



そして当日になると、お姉さまは既に別館の方へといらしていました。

遅くならないようにとなるべく準備を早く済ませるとともに、身だしなみには念入りに注意しました。

一体どんなお話があるのか、いったいどのようなことが行われるのか。

期待を膨らませながら、別館へ向かいました。


階段を上がるにつれ、上の階からの声が少しずつ聞こえる様になります。

私だけが呼ばれたのだと思ったので、少し残念です。

目的の部屋に行くと扉に耳を当て中の様子を伺ってみます。


「本当に知らないのね?」

「本当です。リーナ様にお聞きしても素直に答えてくれるとは思いませんが本当なんです。信じてくださいよ。」

「そう言われてもね、あの子がしているのを見てしまっては第8部隊聖騎士団団長であるあなた疑うほかないのよ。」


中で話しているのはお姉さまと第8部隊聖騎士団団長と言っているので本人だけだと思います。

しかし、話の内容を聞いて見ると、私に関しての事のようです。

お姉さまのお口から私のお話が出てくるのは良いのですが、内容はあまり良いものではないみたいです。


もしかしなくても、第8部隊聖騎士団団長さんに説教のようなものをしていますし、これは私も同じようにお説教をされるかもしれません。

お姉さまとのSMプレイは強要されれば断れませんし断りませんが、お説教はSMプレイとは違いただ辛いだけなのでご勘弁です。


ここはバレない様に逃げましょう。

体調を崩してしまった事にして、言い逃れしましょう。

音をたてないように体勢を180度変えて階段の方へ向かいます。


「リーナ、どうして帰ろうとているのかしら?」

「お、お姉さま‥‥!」

「部屋の前で立ち尽くしていつになったら入ってくるかと思ったらどこかへ行こうとして。」


後ろを振り向いて見れば、笑顔のお姉さまがいました。

満面の笑みで美しいはずなのですが、背筋に電流が流れる感覚がします。

体の全身から警告が出て、更には開いたドアから見える部屋の中に正座をさせられてつらそうにしている聖騎士団団長さんがいて、今すぐ逃げないと辛い目に合う事は目に見えていました。


「こ、これは、誤解なのです。話し合えば分かってもらえます!」

「そう。それなら…、部屋に入ってからしましょうか。ほら、騎士団団長と一緒に正座をして、言い訳を話してもらいましょうか。」

「お、お許しを~!!」


抵抗もむなしく、あっさりと部屋の中に引き込まれてしまました。

この後はせいぜい罪が軽くなるように、聖騎士団団長さんにできる限り罪を擦り付けて言い逃れしましょう!

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