すれ違う少女5
「お姉ちゃん、こっちは終わったよ!」
「ありがとう。‥‥それで、終わったところ悪いんだけど、こっちも手伝ってもらえるかしら?」
「うん!」
お姉ちゃんに頼まれたので、一旦じょうろを取りに戻った。
ついでに水も少なくなっていたので汲み直してお姉ちゃんの元に戻った。
「そこの一列だけお願い。」
「分かった!」
指をさされた場所の端に行き、花の根元部分だけ水がかかるように撒いていく。
「リーナはてきぱきと働いてくれるから今日は凄く助かるわ。」
「えへへ。お姉ちゃんのお手伝いできてうれしいから。」
少しずつ位置を変えながら水を撒く。
多すぎても少なすぎても駄目だけど、お姉ちゃんに教えてもらった通りやってるから問題ない。
焦らず正確にやり端から端まで終わらせる。
「こっちは出来たけど……うん、そっちも終わったみたいね。」
「次は何をするの?」
「そうね、……今日はもうすることもないでしょうから、他の所を見に行きましょう。」
お姉ちゃんについて行き、エレベーターを使って下の階へ。
飼育用の階でいったん降りると、レオナちゃんとマリアお姉ちゃんが動物たちに餌をやっているのが見えた。
2人とも楽しそうにやっていて、誤解はちゃんと解けたようだった。
「会長、レオナちゃんとはうまく言っているようですね。」
「サ、サナちゃん!?それにリーナちゃんも!?」
「会長驚きすぎです。……もしかして、お楽しみ中でしたか?」
「も、もう、からかわないで。」
そう言ってマリアお姉ちゃんは赤くなった顔を隠していた。
レオナちゃんは私たちに気づいていた時点で赤くなっていた。
「お姉さまから聞いていましたが、お二人とも無事に誤解が解けたようですね。」
「もう、リーナちゃんまで………でも、ありがとう。」
「それにしても、次回からは自分で解決してくださいね。話し合えばきっと解決しますから。」
「分かってるわ。次はサナちゃんを頼らなくてもいいようにして見せるわ。」
「わ、私もリーナちゃんに迷惑をかけないように…。」
私は頼って貰っても構わないけど、レオナちゃんが一人で頑張りたいと言うならその成長を見守ってあげないと。
「そう言えば、サナちゃんとリーナちゃんはどうしてここへ?」
「実は、今日やる事は終わったので、何かやる事はないかと思って来たんです。」
「そうなの。でも、私たちも今餌をあげている子が最後なの。」
「そうですか。それなら、ヒマリの所に行ってみますね。」
そう言って、エレベーターに戻ろうとすると、
「ヒマリちゃんならもういないわよ?」
「そうなんですか?」
「ええ。少し前に今日の分は終わったからって、寮に戻っていったわ。」
「そうだったんですか。……それなら私たちにも一言残してほしいわ。」
「何でも、テスト用の資料を作るからって、駆け足で戻って行っちゃったからしょうが無いと思うわよ。」
「そうなんですか。なら、まあ…。」
そう言われてお姉ちゃんもプチ怒だったのが治った。
ちゃんとした理由があるんだからお姉ちゃんも怒れない。
「そうそう、言い忘れてたけど、明日から部活動はいつもの半分の時間だけにするからね。残りはテスト勉強の時間にしようと思っているの。」
「勉強する場所はどこにするんですか?」
「ここでもいいんだけど、まだ時間もあるからゆったりできる空間がいいと思うの。だから私の部屋でどうかと思うんだけど‥‥?」
「私は大丈夫ですよ。」
「私も皆さんと勉強できるのであればどこでも大丈夫です。」
「よかったわ。なら、ヒマリちゃんにも伝えておくわね。」
そう言ってからマリアお姉ちゃんは立ち上がる。
丁度餌をすべて食べ終わったようで、レオナちゃんもお皿を持って立ち上がった。
「それじゃあ私たちはこのお皿を洗って来るわね。」
マリアお姉ちゃんとレオナちゃんはお皿を持って、手洗い場に向かった。
「リーナ、ここに居る動物たちを見てどう思う?」
「どう、とは、どういうことですか?」
「いえ、あなたに向けられる視線だけ、異なっているようにおもうの。会長の前では言いにくかったけど、どこか敵視しているような気がして。」
あたりを見渡してみると、手前にいる動物たちはそこまでおかしな視線をしていない。
あくまで、物珍しさで見ている。
しかし、一定以上後ろにいる動物たちは殺意とまではいわないけれど、どこか睨みつけている感じがあった。
「お姉さま気にし過ぎですよ。」
「そうかしら。会長にちゃんと世話をしてもらっているから悪い方向に育っていないと思っているの。会長だから言いにくかったんだけど、いなくなったとたんさらに敵視する数が増えたように見えるわ。」
「そんなことありませんよ。会長にお世話されているんですから、会ってすぐに噛みついたりするような子たちはここに居ませんよ。」
けれど、お姉ちゃんの予想は多分当たっている。
確実に私だけを睨みつけている。
1人でいるときっと襲い掛かられてしまう。
「それでもやっぱり…。」
「あ、マリア会長も戻ってきましたよ。」
するとお姉ちゃんも態度を改める。
「それじゃあ、今日やる事全て終わったと思うから帰りましょうか。」
そう言って、4人で寮に帰る事になった。
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