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王女だってお姉さまを好きになる  作者: 雪の降る冬
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夢を見る少女10~~お姉ちゃん視点~~

リーナは数分して落ち着く事が出来た。

それでも私はリーナの背中をさすり続けてあげた。


「リーナ、どう?少しは落ち着いた?」

「………。」


リーナは喋りはしないもののゆっくりとうなずいてくれた。

そして、しばらくするとリーナはだいぶんよくなった。


「お姉ちゃんありがとう。もう大丈夫。」

「遠慮しなくても大丈夫なのよ?」

「本当に大丈夫。それよりも………さっきの人達。」

「悪い人たちじゃないから安心していいわ。」

「そう、なの?」

「ええ。3人とも良い人たちなの。」

「私、手を払っちゃった。…悪いことしちゃった。」

「そうだったの。なら、後でまた謝りに行こうね?」


ただ、リーナは目をうるうるさせて気にしているようだった。


「さっきも言ったと思うけど、良い人だからそれぐらいでは怒らないわよ。だからちゃんと理由を教えたら分かってくれるわよ。」

「本当?」

「ええ。それともお姉ちゃんを信じられない?」


するとリーナは顔を思いっきり横に振り、


「そんなことない!お姉ちゃんは嘘つかない。」

「なら、後で一緒に謝りに行きましょう。」

「うん。」


すっかりと元通りになった。だから、


「元気が戻ってきたようね。」

「うん。お姉ちゃんのおかげ!」

「そんなリーナに頼みごとがあるの。」

「頼みごと?」

「ええ。少しの間この部屋を守っててほしいの。」

「お姉ちゃんどこか行くの?」

「ええ。さっきの人達とお話があるの。だからその間この部屋にさっきみたいにならないようにしてほしいの。」

「え?でも……。」


やはり思った通り、顔をしかめてしまった。さっきみたいになるかもしれなくて怖いのだろう。

でも、私はリーナを信じたい。次はちゃんとできると。


「誰かが来ても、扉越しでいいから私がいないことを伝えればいいの。それだけでいいから任されて、ね?それに私はリーナの事信じてるから。」

「……お姉ちゃんが私の事を信じてくれてるなら頑張る!」

「ありがとう。よろしくね。」


リーナがやる気になったので安心して部屋を出られるようになった。

リーナなのためにも早く戻ってこられるように頑張らなくては。


「行ってくるわね。」

「うん。」


部屋を後にした。

会長の部屋は私の部屋の2階上で、階段を上って右に曲がってすぐの場所にある。

なるべく早く向かい部屋の前につくと、レオナちゃんがいた。


「レオナちゃんどうしたの?」

「あ、えっと、その、」

「もしかして会長にお話があるの?」

「いえ、そうではなくて、知らない人たちが会長の部屋に来たのでどうしたのかと。」

「ああ、そう言うこと。」


さっきからたどたどしいと思っていたら簡単な事だった。


「サナ先輩は何か知っているんですか?」

「ええ。リーナの両親が来ているのよ。」

「リーナちゃんのお父さんとお母さんが来ているんですか!?」


教えてあげると目から鱗のように驚いていた。でも、リーナの両親は特別なのだから当然なのかもしれない。


「あ!そう言えばもしかしてサナ先輩は会長にお話しですか?それなら私お邪魔なことしてましたか!?」

「会長にお話はあるけれど、レオナちゃんが邪魔だなんて思ってないわ。」

「そう、ですか。それでどのようなお話を?」

「リーナの事でお話をね。」

「もしかして、リーナちゃんが目を覚ましたのですか?」

「ええ。ただ、お話をするのは難しいのだけれどね。」

「そう、ですか。……でも、いつかはきっと話せるようにはなりますよね?」

「ええ。ちゃんと話せるようになるわ。」


その返事を聞くと、レオナちゃんは降りて行ってしまった。

私はその背中を見送ると、会長の部屋に向き直った。


トントントン


ノックを3回すると、会長が出て来てくれた。


「さあ、中に入って。」

「はい。」


会長に連れられ中に入ると、ライネル様とアイナ様が椅子に腰を掛けていた。

私はテーブル越しにアイナ様の前に座り、ライネル様の前に会長が座る形となった。


「それでサナよ、リーナについて教えてくれんかの?」

「はい。そのつもりです。」


ライネル様の顔がやはり険しい。さすがに娘の話となるとどのような立場の人でも同じようになるのだろう。


「リーナについてなのですが、体については大丈夫なようです。昨日から目覚めまして今日まで何ともないとリーナ自身も行っていました。」

「そうか。」

「ですが、精神面に問題が発生していました。」

「もしかして、あの時私の手を払ったのもなの?」

「はい。ただ誤解してほしくなくて、リーナ自身悪気はなくて驚いてしまっていただけなんです。」

「そうだったの。……よかったわ。」


思った通り会長は起こっているわけではなく心配してくれているだけだった。


「それで、サナちゃん。リーナには何が起こっているの?私たちを見た時とても怖がっていたように見えたの。それも精神面においての悪影響なのかしら?」


アイナ様はとても洞察力がいい。最初から見ていたわけではないけど、アイナ様がそう言うのならそうなのだろう。


「実は、リーナは今記憶喪失なんです。」

「記憶、喪失じゃと?」

「そう。」

「そん、な!?」


アイナ様は悟っていたようだけれど、ライネル様と会長はとても驚いていた。


「それは、今までの事すべて忘れているという事なのか?だが、そなたの事は覚えていたではないか?」

「いえ、正確には私の事は覚えていませんでした。私の事を姉だと認識しているだけで私がどこのだれかは覚えていませんでした。それと、リーナは自分の事も覚えていません。ですので、精神が幼くなっていて、私以外だとちゃんと接する事が出来ないようです。」

「そうか。しかし、なぜサナを姉だと思っていたのかは不思議じゃの?それに本当の姉ではないのにのぅ。」

「はい。そこは私も分からないんです。なぜ私の事を姉だと思っているのか分からなくて。」

「それは一番記憶に残っていたからではないの?リーナはいつもサナちゃんの事ばかり考えているもの。」

「そうですね。リーナちゃんはサナちゃんの事が大好きですものね。サナちゃんの事だけはどうしても忘れたくなかったのでしょう。」

「それなら嬉しいのですが、違う気がするんです。」

「そうなの?私的にはそうだとしか思えないわよ?」

「ただ単に、サナちゃんが鈍感なだけよ。」


アイナ様と会長の二人の意見は変わらないらしい。でも、私はどうしても違うと思えた。その確信が何故か私の中にあった。

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