夢を見る少女9
私が意識を取り戻した時には次の日になっていた。
「目が覚めたようね。どう、気分は大丈夫?」
「うん、元気だよ。それより、お姉ちゃんはどこに行ってたの?ここお姉ちゃんのお部屋だよね?もしかして私のせいで床で寝たの?」
「心配しないでいいわ。予備の布団を敷いて寝たから。」
そう言いながら頭を撫でてくれた。
お姉ちゃんに頭を撫でてもらうととても気持ちがよくって、ずっと撫でていて欲しくなる。
「そう言えば、お腹空いているかしら?」
「んー、少しだけ、かな?」
「それなら用意していた料理を持ってくるから少し待っててくれるかしら?」
「うん。ありがとうお姉ちゃん!」
そうして、お部屋を出て行ってから数分で持ってきてくれた。
持ってきてくれたのはお粥と細かくカットされたリンゴだった。
「美味しそー!お姉ちゃんが作ってくれたの?」
「ええ。ただ、リーナの舌に合うかどうかは‥…。でも、誤解はしないでね?一応味見はしておいしかったから大丈夫だとは思うの。」
「お姉ちゃんが作ったものだから大丈夫だよ。」
「ならいいのだけれど……。」
それでもやっぱりお姉ちゃんは気にしているようだった。ただ、私はお姉ちゃんがどんな料理を作っても受け入れるから安心てほしい。
「それで、自分で食べれる?無理そうなら手伝うわよ?」
「それなら食べさせてほしいな。」
「分かったわ。」
まずはお粥からで、鍋の蓋を開けると白い湯気といい匂いがたった。
スプーンで一杯すくい取ると、軽く息をかけてやけどしないように配慮してくれた。
「ふぅー、ふぅー。……これぐらいならすれば大丈夫よね?はい、あーん、して?」
「あーん。」
「ゆっくりでいいからしっかり噛んで食べるのよ?」
ゆっくりとスプーンを口に運んでもらい口を閉じる。
水っぽすぎず、ちょうどよい柔らかさ。味付けも濃すぎずに体に負担をかけないように考えられていた。
「お姉ちゃん、とってもおいしいよ!」
「ならよかったわ。美味しくないって言われたらどうしようかと思ったわ。」
お姉ちゃんは心底落ち着いた感じだった。
「お姉ちゃん、次も頂戴!」
「分かったわ。ふぅー、ふぅー……。」
「あーん。」
お姉ちゃんに言われる前に口を開き、貰う準備をする。
お姉ちゃんがやけどをしないようにふぅーふぅーしてくれるのでどんどん食べられた。
そして気づいたら全部食べていた。
「あったいう間に食べたわね。」
「うん。お姉ちゃんが作ったの美味しかったから。」
「そこまで喜んでもらえれるなんて嬉しいわ。それじゃあデザートの林檎も食べさせてあげるわ。」
最後に林檎を食べることにした。
林檎は兎さんの形にカットされていて、食べるのがもったいないぐらい可愛かった。
「うさぎさん可愛い。」
「良く分かったわね。教えてもらってやってみたのだけれど上手くできていたみたいね。」
「うん。とっても可愛いよ。」
つまようじで刺した林檎を口に運んでもらう。
シャキッとしていながらも、果汁がしっかりと詰まっていてとても甘かった。
「とても甘いね!」
「私が育てた林檎なの。他のみんなからもおいしいってもらってたから用意したの。」
「お姉ちゃんが育てたの!?すごいね!」
「と言っても、他の人にも知識を教えてもらってるから私一人とは言えないんだけどね。」
「それでもお姉ちゃんはすごいよ。」
「ありがとう。」
こっちの林檎もとてもおいしかったのであっという間に食べ終わってしまった。
「ごちそうさまでした。
「お粗末様でした。それでもうお腹はいっぱいになった?」
「うん。お姉ちゃんのおかげでお腹いっぱいだよ。」
「ならよかったわ。それじゃあ、お皿をかたずけてくるわね。また一人にさせてしまうけれど待っていてね?」
「行ってらっしゃい。」
お姉ちゃんは部屋を出ていった。
そして、部屋でちゃんと待っているとノックがかかった。さらには知らない女の人の声も。
「サナちゃん、今いいかしら?」
多分お姉ちゃんに会いに来たんだと思う。
でも、お姉ちゃんは部屋を出て行ってしまったので今はいない。
代わりに出てもいいけど、知らない人に合うのは怖くてなかなか動けなかった。
それでも勇気を出して、ベットから出る。
ドアの前に立ち恐る恐るドアノブを触り、ゆっくりとドアを開けると知らない人が三人いた。
「あら、いたのね。すぐ出てこないからいないのかと‥…。リーナ、ちゃん!」
「!」
「よかったわ!リーナちゃんも目が覚めたようでうれしいわ!どう、体は大丈夫?」
どこのだれかは分からないけど、私の知り合いである事は何となくわかった。
でも、あまりの勢いに全くついていけなかった。
そして、こちらに手を伸ばしてきたので思わず、
「きゃっ!触らないで!」
「…え?」
思わず手を振り放してしまった。
「あっ!……その、これは、」
「どうしたの、リーナちゃん?」
「あ、あの、その………んっ!」
思わずやってしまい、さらには謝ろうとしてもその言葉がなかなか出てこなかった。
そしてさらには、ベットの方に逃げ込んでしまった。
部屋のドアを開けたままにしてしまったことに気が付き、お布団で体を覆い体を縮める。
「……リーナ、ちゃん?どうして‥…、しまったの?」
声のする位置からして、付いてきてはいないようだった。
そうして、お布団でくるまっていると、廊下から知っている声が聞こえてきた。
「ライネル様にアイナ様、それに会長まで。すみません、私が部屋を開けているばかりに廊下で待たしてしまうなんて。……?そんな顔をされてどうしたのですか?」
「サナ、ちゃん。リーナちゃんが……。」
「……!」
そこからお姉ちゃんの声が聞こえなくなり、代わりに足音が近づいて来ていることが分かった。
そして、足音がベットまで来ると、やさしくお布団の上からなでてくれた。
「リーナ大丈夫よ。お姉ちゃんがちゃんとついているから安心して。」
「…‥…。」
「まずは深呼吸をするの。お姉ちゃんの真似をしてね?」
「……。」
「吸ってー、吐いて―。吸ってー、吐いて―。」
「すぅー、はぁー。すぅー、はぁー。」
お姉ちゃんの掛け声にあわして呼吸していく。
お姉ちゃんにお布団越しにさすってもらっていることもあって、だんだんと気持ちが落ち着いてきた。
「お姉ちゃん、ありがとう。」
「私は大丈夫よ。」
そう言いながら背中を撫でてくれる。
「会長すみません。来ていただいたところ申し訳ないのですが、リーナがこの調子で、もう少し待っていただいてもらえますか?ただ、廊下で待つのはいけないので、他の部屋で待っていてもらっていただいてもよろしいですか?」
「え、ええ。……それより、リーナちゃんはどうして……。」
「それはちゃんと後で話します。」
「なら、後で私の部屋に来てね。」
「はい。」
「それではすみませんがそう言う事なので、お2人には申し訳ございませんが違う部屋で待っていてもらうので案内します。」
「かまいませんよ。」
「しょうがないのぅ。」
3人でどこかに行っていくのが分かった。
私は謝る事すらできず、ずっとさすってもらう事しか出来なかった。
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