夢を見る少女8
お姉ちゃんが部屋を離れてから、なかなか帰ってくることがなかった。
座っていても少し退屈だったので部屋の中を見て回ろうとベットから降りた。
と言っても、このお部屋はお姉ちゃんのだから、引き出しの中は見ないようにして、部屋に飾ってあるものを見ることにした。
(お姉ちゃんのお部屋はきれいだな。……あ、この時計可愛い。)
部屋に飾ってあった時計に目を向けた。縁がピンク色で猫の形をしていた。
そして次に目を向けたのは机の上に飾ってあった写真だった。お姉ちゃんのほかに知らない女の人が2人いた。
(お姉ちゃんのお友達かな?それにしても、お姉ちゃんはきれいだな。)
写真を撮った場所は分からなかったけど、彩り豊かな花がバックでとてもきれいに撮られていた。
しっかりと脳裏に焼き付けた後、元の場所に写真を戻した。
そして、まだお姉ちゃんが戻ってこないかと部屋を出ようとした時、突然異変が起きた。
いきなり胸が痛くなり、立っているのが苦しくなってきた。
足の力もだんだん入らなくなってきて、しまいには倒れてしまった。
そして、徐々に息をする事が苦しくなり、今にも死にそうだった。
(私、死んじゃうのかな。やっとお姉ちゃんと会えたのに、お別れなの、かな?こんなすぐにお姉ちゃんとお別れだなんて、いやだよ。)
心の中で何度も願い続けても体の苦しみが収まることがなかった。
そして段々遠のいていき、だんだんと自分が自分じゃなくなっていっているみたいだった。
(お姉ちゃん早く、早く戻ってきて!)
心の中でお姉ちゃんを求めても現れてはくれなかった。
「・・ナ!しっ・・・・、リ・・」
苦しんでいる間、何か声が聞こえてきたような気がしたけど、それどころではなかった。
そうして徐々に時間がたってくると、徐々に苦しみだけではなく他の何かも呼び覚まされていった。
(あ、これ、何だろう。今の私なら、お姉ちゃんと一生一緒にいられそう。)
先ほどまでの苦しみが消えているわけではないが、力と快楽に似たようなものが込み上げてきた。
そのっ込み上げてきた快楽のようなものが、私を染め上げ違う何かへと変えていく。
(お姉ちゃんの所に行かないと。お姉ちゃんを取り戻さないと。お姉ちゃんを私のもとに)
次第にお姉ちゃんへの気持ちでいっぱいになる。
そうしていると、いつの間にか知らない誰かに体を抱かれていた。
苦しいのを我慢しながら、目の焦点をそろえる。するとそれはお姉ちゃんだった。
「リーナ、リーナ!しっかりして!」
「はぁ、はぁ、……お姉、ちゃん?」
私の声を聞くなり、お姉ちゃんはホッとする。
「意識があるのね。それならもう少しの我慢よ!」
「もう、少し?」
「ええ、私の血を……そう言えば!」
何やら思い出したのか顔が真っ青になる。
「お姉、ちゃん、どうしたの?」
「記憶が無い以上、このままじゃ……。」
何やらおねちゃんは深刻な問題があるらしい。でも、私にはどうして困っているのか今ではわからなくなっていた。
「はぁ、はぁ、お姉ちゃん。もっと、近くに。お姉ちゃんが感じられないよう!」
今でも苦しいはずなのに、全然それを感じられなかった。それよりも、お姉ちゃんが愛おしくてしょうがなかった。
「お姉ちゃん、キス。」
「リーナ、どうしたの?……もしかして、効果が表れて!」
「お姉ちゃん、お姉ちゃん!」
私はお姉ちゃんが欲しくてほしくて仕方なかった。でも、お姉ちゃんは顔色が悪くになっていくばかりだった。
「このままではいけない!こうなったら直接…。」
「あっ!」
何故かお姉ちゃんは私から離れて行ってしまった。そして机に向かい引き出しから何か取り出すと戻ってきた。
「お姉、ちゃん、何を‥‥。」
「リーナ、口を開けて。これは命令よ。」
言われるがままに私は口を広げ舌を出す。
「今はこうする事しか出来ないから、我慢してね?」
「え?」
お姉ちゃんは自分の腕をカッターで切った。そして、その切れた部分から出てくる血を私に飲ませようとしてきた。
「何、してるの?お姉ちゃん、血が!」
「いいからあなたは飲みなさい。命令に従いなさい。」
「いや、いやだよ。それよりも早く傷を!‥…え?」
私はすぐに動こうと思ったけど動けなかった。苦しかったからではなく、命令に背けられなかった。
こんなことしたくないと思いながらも、垂れてくる血をまだかまだかと求めてしまう。
そして、一滴血が舌に流れると、もう抵抗する気力が湧かなくなった。
美味しくて次々と流れるお姉ちゃん血を飲んでいくと、さっきまでの苦しみが無かったかのように、体が癒えていく。
そして最後には、カッターで切った部分を舐めていた。
「血が流れなくなるまで飲みなさい。」
「お姉、ひゃん、お姉、ひゃん……。」
流れ出る最後の最後まで欲し続けた。そして、血が出てこなくなると同時に体も楽になる。
さらに、血を欲求する気持ちも無くなってきて、それらの代わりに睡魔に襲われていく。
「お姉、ひゃん。私…」
「いいわよ。そのまま目を閉じなさい。」
「怖いよ。このまま、お姉ちゃんの事も……」
「大丈夫よ。手を繋いでいれば、忘れることはないわ。」
お姉ちゃんは右手をつなぎ、頭を撫でてくれる。それだけで私の心は満たされ、
「心配しないで。私はあなたの記憶から消えないし、ずっと離れないようにつながっていてあげるから。」
そうして、意識を閉じていく。
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