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王女だってお姉さまを好きになる  作者: 雪の降る冬
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寮対抗戦をする少女15

2年生の先輩に連れられて食堂に入りました。

現在、この場所を作戦本部にしているようです。


「みんな!無事ったんだね!!」

「レオナちゃん達の方こそ、無事戻れていたようですね。」

「私たちは、レオナちゃんのおかげで問題なく戻れました。ですが、その直後に敵の増援がきて、尊師様たちが戻ってこれるか心配でした。」


感想を言い合っている暇はないのですが、ついつい語ってしまいます。

お互い無事であったという安心感からくるものでしょう。


「そろそろ、状況説明をしたいけど、大丈夫かな?」

「どうぞ、よろしくお願いします。」


気を使っていてくれて、すぐさま会話に入らないようにしてくれていました。

そんな先輩たちに迷惑をかけるわけにはいきませんので、私たちも会話をやめて話を聞きます。


「あなた達から見えていたかは分からないけど、一年生が出払ってから数分後に事件は起こったわ。」

「大爆発がの事ですか?」

「それで合っていると思うわ。各寮の3年生たちが手を組んだのか、一斉に魔法を放たれたの。その攻撃は先輩たちが防御壁を張ってくれたおかげで寮事態に問題はなかったわ。ただ、魔力をかなり消費したせいで、余裕もなくて3・2年生全員で敵の討伐にあたったわ。今もここに居ない生徒だけで対応してくれているわ。」

「共闘ですか……。負傷者は出ていますか?」

「それはゼロよ。危なくなったら交代して、何とか食らいついてるわ。侵入者もないし、今のところは大丈夫。でも、先輩たちは今後のために温存しながら戦ってるか、少し危ういわ。」


他寮の3年生が共闘して攻めてきているのに、ここが落とされていない所を見るに戦力差は均衡なのでしょう。

力を温存している分を含めれば、むしろ有利なのでしょう。

しかし、それなりに時間がたっているとはいえ、人数差もあります。

そろそろ隙が出てもおかしくはありません。


「直ぐに、3年生を各寮に向かわせましょう。」

「いや、それではここを守れない。先輩たちがどれだけ強かろうと、ここが落とされる方が先だ。」

「いえ、多分大丈夫です。それに、こちらには宝玉が一つ、宝玉の在処が分かる寮3か所です。」

「それは本当ですか!?」

「は、はい!手に入れた宝玉はこれです!」

「おぉ!!!」


先輩たちには運が良ければ持てに入るかもしれないと言ってたので、驚きが隠せないようです。

私も、そこまでは求めていませんでしたし、嬉しい誤算です。


「こちらに一つでも他の宝玉がある以上、増援が来ることには変わりありません。むしろ、3年生たちが他寮に散ってもらった方が、他寮の生徒も自身の宝玉を守るために散るはずです。」

「それでも、ここが手薄になるのは……。」

「そこは大丈夫ですよ。会長からお墨付きをもらっているレオナちゃんがいますし、例の作戦をするつもりです。」

「話には聞いているが、本当にできるのか?」

「私も、半信半疑だから心配なの。」

「任せてください!」


今回想定していた3つの作戦のうちの一番難易度が高く、防御性が高い作戦。

私とレオナちゃんと切り札のお二人基本の要になる作戦です。


「分かったわ。私たち2年生は取りこぼしを外に追いればいいのよね?」

「そこはどうしても完璧にできませんので、よろしくお願いします。」


作戦を決め終わると、先輩たちはお互いの持ち場の確認を始めます。

私たち1年生は、また出かける人は再準備をし、残りは寮でやる作戦の振り返りです。


「レオナちゃん、いけますね?」

「うぅ…、勝手に私の名前出して……。」

「私たちも緊張して、震えが……。」

「なんだかめまいが…。」

「皆さん意識を強く持ってください。正念場ではありますが、ここさえ乗り切れば終わりなんです。取りこぼしても先輩たちが何とかしてくれます。それを信じましょう!」


決意はしてくれているみたいですが、それまでのようです。

心配する立場ではありませんが、3人を信じましょう。


「皆さんは、先輩たちと行動を共にしてください。基本的には先輩たちが戦ってくれると思いますが、甘えてはいけません。常に注意を!」

「「「はい!」」」

「では行ってください。」


それぞれが先輩たちの元に向かいます。

部屋から出ていくのを見届けると、2年生の一人がマイクに向かって話しだします。

1年生が向かったむねと、ここから反撃の狼煙であると言う言葉。


「私たちも向かいましょう。」


時を同じくして、私たちは屋上にやってきます。

ここからの眺めは、いつもならいい長めなのですが、今は女性同士の争いが見えて楽しいモノではありません。


「始めます。『藍の鎖(エターナル・チェイン)』!」

「「解核(シェイプ)!」」

解核(シェイプ)…そして、神装(アーマメント)


私は赤い鎖を取り出して、足場に伸ばしていきます。

そして、その赤い鎖を屋上を中心にして、建物を覆うように伸ばしていきます。


切り札の二人は解核(シェイプ)をして、武器を取り出してもらいます。

それは炎を纏う黒刀と、雷が司るとされる大剣です。

それぞれの武器を大きく振り上げて、私の鎖の一部に差し込みます。


レオナちゃんは、一人だけマリア会長から教わって習得した神装(アーマメント)を使い着飾ります。

東洋の方に見られるとされる薄い一枚生地の防御性の少なそうなドレス。

見た目に反して魔力耐性が高いらしく、手に持った二つの鉄扇はお姉さま同様魔法の威力を高める者らしいです。


「建物全体に行き渡りました!」

「リーナちゃん、いくよ!……炎、雷の聖霊よ、私のためにその力を振るいなさい!」


レオナちゃんが舞を踊り始めると、黒刀と大剣が振るえ始めます。

黒刀は荒々しくも炎が舞い上がり、大剣は静かに紫色の静電気が立ち始めます。

それらが私の鎖に炎と雷を流して、各所で無造作に吹き荒れます。

あそこでは噴火する火山のように吹き荒れたり、あちらでは雷帝が轟くように放電が起こります。


すでに3年生と散らばった一年生の姿はなく、侵入しようとする生徒たちだけであふれています。

しかし、炎と雷の無造作による攻撃と、私の鎖をほどくのに時間がかかっているようです。


「やはり、私の方では操作はできないみたいです。お二人はどうですか?」

「多少はできるようですが、ほとんど意味がありません。」

「私も同じ感じです。」

「では、ダメもとでも続けてください。ほんの一部でも魔法を操作できることに越したことはありません。」


私が操作できればと思っていたのですが、先ほどから鎖事態を重い道理に動かせません。

レオナちゃんも集中して舞を舞っているので、声をかけれませんし、これは想定外です。

しかし、神装(アーマメント)している分、魔法の威力が強くて建物に侵入できている生徒の姿も見えません。

これなら3年生が戻ってくるまで耐えれそうです!

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