寮対抗戦をする少女14
思い出しました。
入学早々に勝負を持ちかけてきた人ですね。
その後の接点が無かったため、記憶が薄れていました。
「名前を間違えてしまい、すみません。では私は急ぎの用事がありますので、先に進ませて頂きますね。」
「はい、また今度会いましょう…となる訳ありませんわ!!先輩方からあなたの対処を任されているんですのよ!みすみすここから先に進ませれませんわ!」
頑なに進ませてはくれないようですね。
足止めを食らうわけにはいきませんし、どのように進みましょうか?
このような事も想定してプランはたくさんあるのですが、あまり目立つような事はしたくありませんし、かと言って時間を掛けるわけにはいきません。
プランAの聖なる、光による魔力の暴力で一掃してしまいましょうか?
いえ、あれはお姉さまのために作ったものです。
試し切り以外で使うわけにはいきませんね。
それに、明日お姉さまに使っていただくわけですから、ここで使用して壊すわけにはいきませんね。
「顔つきが変わりましてよ。やる気になりましたか?」
「そうですね。少々荒業時になってしまいますが、貴方達と対峙しましょう。皆さん、私が動いたらプランCを実行してください。」
その言葉を残してナーヤさん目掛けて、走り出しました。
それと同時に皆さんは左右に散らばっていきます。
「私とやろうと言う事ですね、いいでしょう。皆さんは他の方に当たってください。逃してはいきませんよ!」
狙い通り、それぞれ散り散りになりました。
これなら複数人相手することはないでしょう。
「準備は整いましたわ!さぁ、あの日の再戦をしましょう、リーナさん!解核!!」
「こちらも乙女衣装を使わせてもらいます。解核!!」
胸元ペンダントが光り輝き、一つの鍵を取り出します。
その鍵を目の前の扉に差し込み、扉の中から一つの扇子を取り出します。
目の前のナーヤさんが取り出したのは、先の方が尖ったムチでした。
中距離型の武器という事でしょうか。
相性で言えば五分五分で、武器の性能としてはまだ分からませんね。
「ここから先は私のテリトリーです!」
手に持ったムチを振り回して、自身の周りに円を描きました。
その中に入れば確実に倒せるという事でしょうか?
「すみませんがそのテリトリーは意味がありませんよ。!」
扇子に魔力を流し込み、魔法を放ちます。
ナーヤさんに向かって放った魔法は、普段よりも小さく遅かなっています。
「さんですかこれは?こんなものが私に当たるとお思いですか?こんなもの、簡単に避けられますわ!」
火炎球の通り道から簡単に退き、新たな場所に円を描きました。
またしても自身のテリトリーを作り出し、向かい合って出る気です。
「貴方の弱点を教えて差し上げましょう。」
「弱点ですって!私に弱点なんでありませんわ!」
「人は誰しも弱点はあります。そして、貴方の場合は慢心ですね。私の魔法が弱いと分かったらすぐに避けましたね。そのムチでかき消せばいいものをしませんでした。そして、みすみすその場を離れました。」
「それのどこが弱点だとおっしゃりたいのですか?」
「貴方はここを通さないようにする役目ですよね?なのに、その通り道を塞がっていた貴方が退いてしまったのですよ?職務放棄ですね。」
私の言葉で役目を思い出したようにハッとした顔をしていました。
やはり、慢心による一瞬の緩みでしたね。
門番が門を離れるなど、愚かな行為にも程があります。
「そしてもう一つ言っておかなければなりません。貴方のテリトリーを使った戦い方を責めるわけではありませんが、貴方の性格ではそのスタイルは合いませんよ?」
開かれた道を使い、ナーヤさんの横を通り抜けます。
この後も戦うつもりでいたナーヤさんは呆気に取られてしまい立ち尽くしていました。
「皆さん、来てください!」
先ほどの火炎球を目印にしていた皆さんが即座にもどってきます。
個々からであればをしても違和感を持たれることもありませんで、遠慮なく使わしてもらいます。
「私たちは先に行かしてもらいますね。それでは!」
「ま、待ちなさい!」
ナーヤさんの言葉に耳を傾けず、周りの皆さが若さに触れているのかを確認して空間断絶を発動させました。
目の前は暗転し、その中を通っていきます。
フワッとした感覚に襲われると、そこは建物の中で無事に第8寮に戻って来れたみたいです。
『侵入者が出ました!B区間へ直ちに数人対応してください!!』
私たちが寮の中に入った瞬間、エラー音と共に先輩方のアナウンスが流れました。
アナウンスの差している場所は、私たちが今立ったいる所です。
客観的に見てみれば、私たちが侵入者として間違わられた可能性もあります。
もしかしたら、私たち以外に侵入してきた人がいるかもしれませんが。
「そ、尊師様、今のアナウンスって……!?」
「いえ、私たちだと気づいていないだけかもしらません。むしろ、迎えに来てもらったと思いましょう。」
アナウンスが流れてから数秒で足音が聞こえてきました。
しかも、大人数のようです。
マリア会長の指揮の高さを窺えます。
「人影を発見しました!至急対応します!!」
廊下の曲がり角から、声が聞こえました。
しかし、見つけた瞬間に人間の識別をせずに攻撃されそうですね。
「落ち着いてください!侵入者はいません!!一年リーナ・アインベルトとその他一年が戻ってきただけです!」
「んっ!?」
顔を合わせる前に私の声を聞くことで、思いとどまってくれました。
顔を出した時には手の動きが無差別に襲いかかってきそうでした。
少し危なかったですね。
「よかった、みんな戻ったきたのね!」
「侵入者じゃなくてよかった。」
後ろから2年生数人が出てきます。
皆さん乙女衣装を解核して、いつでも応戦できるようにしていました。
本当に私たちに気づく前に攻撃されていたかもしれません。
洗濯を謝らなくてよかったです。
「戻ってきて早々悪いですが、私たちの後ろについてきてください。先に戻ってきた一年生もそちらに待機してもらっています。現状報告もそちらでするつもりです。」
「分かりました。皆さん、ついていきましょう。」
「「「はい」」」
続きを読みたいと思ったら、ブックマーク、評価、感想をお願いします。
カクヨムでも投稿しているのでそちらもお願いします。
Twitterで更新報告しているのでフォローお願いします。