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王女だってお姉さまを好きになる  作者: 雪の降る冬
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寮対抗戦をする少女13

全員を送り届けるとレオナちゃんと他二人が待っていました。

レオナちゃんには待機してもらうようにしていて、他二人にはレオナちゃんが襲われないように護衛として、また、助けが必要な場合に割って入ってもらうためです。

部活動などの競技ではこの二人は補欠(・・)と呼ばれるようですが、常に予測道理に動かない戦場においてはむしろ切り札(・・・)と呼ぶべきであると思います。


「レオナちゃん外の様子はどうですか?」

「まだどの寮からも反応はないよ。順調に行ってると思う。」


レオナちゃん達と合流して、現段階の進捗具合を聞きます。

数秒の間しか離れていないとはいえ、その数秒で何が起こるかわかりません。

一瞬の出来事で戦場の有利不利が傾くことは、過去の歴史が証明してくれてます。


「マリア会長の方に潜入が完了した旨を伝えてください。」

「ちょっと待ってね。今繋げてるんだけど…場所の問題なのか声が聞こえないんだよね?もしかしたら、私の声が聞こえていないかも?」


それはおかしいですね?

ここから寮までの距離はさほどありません。

以前、植樹イベントの時に使ったイヤホンで、事前に私たちが使っても問題がありませんでした。

この数分の間に都合よく壊れたとは思えません。

考えられる想定としては、第8寮でトラブルが起きたと言ったところでしょうか?


『ドグォオオォォォン‼!‼!』


トラブルがあった場合を想定して、今後の行動をどのようにとるか考えていると突如として爆発音があたり一帯を轟かせました。

突風が巻き起こり、私たち肌をかすめます。


「リーナちゃん、あれっ?!」

「見えています!緊急事態ですね!」


突然訪れた巨大な爆発音に、炊き上がる赤い煙。

赤い煙は緊急事態の状況に陥ってしまった時に焚き上げるように決めていたものです。

その焚き上げられた場所は第8寮付近でした。


「レオナちゃんは2人を連れて戻って下さい。」

「リーナちゃんは!?」

「私は潜入している皆さんを連れて帰らなければなりません。ですから、先に行ってマリア会長の手伝いをしてください。」


渋るように口をかみしめていましたが、レオナちゃんは2人を連れて行ってくれました。

7人を連れ戻すのは私しかできませんし、マリア会長と一番連携が取れるのはレオナちゃんですからこれが最善の行動です。

何が起きたのかは気になりますが、今は目先の事に集中しましょう。


「今度は青の煙ですね。」


数分もしないうちに青い煙が上がりました。

青い煙は役目を終えた時に焚き上げるように決めていたものです。

つまり、寮内に毒…睡眠薬を撒き終えたことを指します。


「急いで回収ですね。一人になりましたし、少し羽目を外してもよろしいですよね。……空間断絶(ショートカット)!」


まずは一人です。

煙となれば敵も気づくはずです。

早急に皆さんを迎えしなければ、危険な目に陥ってしまいます。


青の煙を上げた場合は、基本は私が来るまでそこで待機となっています。

ですが、先に見つかってしまった場合は即座にその場から離れるように言い聞かせています。

今回は直ぐに迎えますので、煙の元に向かいしました。


「尊師様!!」

「手を掴んでください!直ぐに戻ります!」


まだ敵に見つかっておらず、その場にいてくれました。

ですが、後ろから他の生徒が向かってきているのが見えていたため、息つく間もなく空間断絶(ショートカット)を使用しました。


「ありがとうございます!」

「これが私の役目ですから当然です。それよりも、ここからはスピード勝負です。先ほどの爆発音は聴いましたか?」

「いきなりの事でびっくりしましたが、何が起きたのかさっぱりです。」

「あの赤の煙を見てもらえばわかると思いますが、現在第8寮に何かしらのトラブルが起こっています。待機していたレオナちゃん達をすでに向かわせましたが、どのようなトラブルが起きたのかは分かりません。」


彼女にはこれからの選択肢を問いました。

一つは、レオナちゃん達の後を追って第8寮のとらぶるかいけつをてつだうことです。

もう一つは、私に付いて来て、他寮で役目を果たした仲間を救出する手伝いをする事です。


「私は、尊師様の手助けをします。」

「いいのですか?寮にはあなたの思い人がいますよ?」

「それも覚悟の上です。それに、いま私が戻ってしまえばさらに迷惑をかけてしまいます。これを見てください。」


彼女はポケットから一つの丸いものを取り出しました。

それは虹色の光は放っており、宝玉という言葉がぴったりの物でした。


「偶然見つけちゃって、取ってきたんです!」

「素晴らしいですね!お姉さま達に渡したらとれも喜んでくれると思います。ですが、確かに今の段階で第8寮に持って行くわけにはいきませんね。皆さんと無事生還した時お姉さま達に渡してあげましょう。」


彼女には宝玉をポケットの中に大事にしまってもらい、他の皆さんを連れ帰るための

サポートに回ってもらいます。

そして、次の人の準備をしていると、空に2つの青色の煙が昇りました。

2か所同時に連れだす事が出来ればよかったのですが、そのような事は私にはできないため片方には彼女に行ってもらう事にしました。

彼女に私と同じことをしろとは言いませんが、問題が起こればすぐに連絡をもらえるように監視してもらうようにお願いしました。



==============



「皆さん、お疲れ様です。ですが、まだ安心はしないでください。今現在第8寮では何が起こっているかわかりません。周りを注意しながら私の後をついて来てくいださい。」


7寮分回った結果、軽症者が一人出てしまいましたが、皆さん無事に取れ戻せました。

また、宝玉が1寮分、隠し場所を特定している寮が3つと潜入目的以上の成果が得られました。

結果としてかなり喜ばしいもので、皆さんをすぐに休憩させたいところではありますが、そうはいきません。

現在第8寮に異変が起きており、レオナちゃんが戻ってくる事も無かったため、すぐさま事態の確認へ向かわなければいけません。


無事を祈りたいのですが、あの大きな爆発音を聞いた限りでは7分3分ぐらいでしょうか。

音が大きいからと言っても必ずしも強力な魔法が放たれたとは言えませんし、先輩たちが強力な防御壁を用意していないとも思えません。

可能性の話をしても意味がないとは分かっていますが、どうしても考えてしまいます。


「見つけましたわよ!あなたたち、そこを止まりなさい!!」


私たちの行き先を挟むように彼女たちは待ち伏せていました。

行動をまるで知られているような動きからして、こちらの行動をどこかで見られてしまったいたのでしょうか?

それとも、私の言葉を信じた寮のどこが、待ち伏せを命じていたのでしょうか?


「レオナさんを見かけて、もしやと私の第六感が訴えてきていましたが、やはり現れましたわね!リーナさん、ここであったが百年目、春での続きをしますわよ!!」

「???」


目の前の方は何を言っているのでしょうか?

レオナちゃんを見かけてという所は納得できましたが、その後の言葉はどういう事でしょう?

春に、私と彼女はどこかで出会ったのでしょうか??


「その顔、もしや、私の事を忘れているわけがありませんよね?ええ、そんなことは無いと思うのですが、私の名前は言えますわよね?」


今の私はもしかしなくても、失礼な事をしてしまっていますね。

目の前で話しかけてくる彼女の名前は、正直思い出せません。

言われてみれば、彼女の顔をどこかで見たかもしれないと思います。

しかし、思い出すには程遠く、ここはありそうな名前を言ってみましょう。


「ナーナ・フライツさんですよ、ね?もちろん、覚えていますよ?」

「私の名前はナーヤ・フライツです!!」

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