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王女だってお姉さまを好きになる  作者: 雪の降る冬
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寮対抗戦をする少女5

事の始まりは、入学して数日の事でした。

複数人のそれも同じ寮生に詰め寄られ、私にこう聞いてきました。


「す、すみませんが、お時間よろしいですか?あ、後、ここでは話しにくいのであまり人がいないところでお願いします。」


複数人に取り囲まれてこのような事を言われ、誘拐でもされるのかと思いましたが、かなり真剣な表情であったため彼女たちの話を聞くことにしました。

どう見ても厄介事であるのは気づいていましたが、私と同じような匂いを感じましたので言葉のままを受け取りました。


あまり人がいない所でと言われましたので、万が一に備えてお姉さまの隣の部屋である私の部屋に招待しました。

皆さん興味深々でありながら、相談に来ている事を深く思い直して土下座までして事の話をしてくれました。


「どうか、リーナさん……いえ、リーナ様にお姉様と密接に成るすべをご享受してもらえませんか!!」

「お願いします!!!」

「なんでもしますので!」


皆さんは勢い任せに口をそろえて言いました。

ですので、私は率直な意見を言いました。


「すみませんがお引き取り下さい。」

「そんな……!?ど、どうか、お考え直して……」

「誰が好き好んで敬愛するお姉さまに雌豚(他の女)を近づけたいと思いますか!?こちらとしては、権力を(ほしいまま)にその首を消すこともできるのですよ?」

「ひ、ひぇ~!?、ご、誤解です!?」

「今更何を言っているのですか?私に言い訳があるとでも??」


つくづく卑しい雌豚()たちですね。

私のお姉さまに手を出そうなど国家反逆罪ですよ?

死刑にすべき大罪ですよ?


「ほ、本当に誤解なんです。お姉様とはサナ先輩の事ではなく、それぞれが敬愛する先輩たちの事ですぅ!!」

「そ、そうなんです。サナ先輩は魅力的ですが…」

「魅力的で、どうしたのですか!?」

「ひゃぁ、あ、その、……サナ先輩はリーナ様をとても大事にしているように見えて、私達では入る隙間もありません。」

「私たちだから思うのですが、とても似合っているカップリングを引き離すのは最低行為じゃないですか!?」


あははははは。

そうですか、そうですか。

お姉さまが私を一番に思っているように見えると、お姉さまと私は世界で一番お似合いであるカップルと皆さんは思っているのですね。


皆さんちゃんと分かっているようですね。

お姉さまは私以外が手にすることがないと、気づけていてよかったです。


「それで、お姉様って言うのは自分たちが敬愛する先輩たちの事なんです。リーナ様にサナ先輩がいるように私たちもお姉様と崇める先輩がいるんです。ですが、ここにいるみんなリーナ様のようにお姉様に近づくことが出来ない臆病者なんです。」

「私たちは積極的に近づけるようになって、あわよくば、妹なんかに、なれたらいいなと思っています。」


なるほどです。

私のように崇めるお姉さまと親睦を深め密な関係になりたいと言う事ですね。

確かに通常であれば難しいでしょう。

両親や親友といった方々に話す事も出来ずにいるのはとても分かりますし、こうして同志を引き連れて、この私の元へ訪れるのは決まっていたことなのかもしれません。


「そのような経緯であれば、微力でありますが協力しましょう。」

「あ、ありがとうございます!!」

「「「リーナ様バンザーイ!!」」」


救世主のように称えられ、とても嬉しいのですが何をすればいいのでしょうか?

尊敬する彼女たちを応援してあげたいですが、私から教えられる事はないのではないでしょうか?

本人がどれだけ話しかける事が出来るかと言う点がかなり重要であって、それ以外をどうこうしても意味ないと思います。

となれば、精神的に強くしてあげればいいのでしょうか?


「協力はしたいのですが、私はどのようなことをすればよろしいでしょうか?」

「私たちの要望としては、お姉様に嫌われずに接する方法の伝授をしてもらいたいです!」

「それから、徐々に距離を詰める方法と、(シスター)と言ってもらえるようにしてもらう方法を伝授してほしいです!」

「恋人にならなくてでいいのですか?」


妹に拘りがありそうでしたので聞いてみました。

実際のところ、恋人の方が精神距離は近いと思いますがどう考えているのでしょう?


「なりたいですが……お姉さま達は素敵ですから卒業すれば婚約してしまいます。しかし、周りが恋愛対象として私たちを受け入れてくれません。例えお姉様達が私たちを好いてくれていたとしても、周りがそれを許しません。」

「ですからせめて、お互い割り切れる姉妹関係がいいのです。それに、お姉さまの中で女の子を恋愛対象としてみてくれる人は少ないはずですから、より傷つかない方法はこれなのです。」

「お姉様の気持ちが第一にしたいと言う事ですね。」


なんと健気で儚いのでしょう!

彼女たちの思い、私はとても理解できます。

同じように悩み苦しんだ者としてこれほど見捨ててはならないと思ったことはないでしょう。


「分かりました。あなたたちが満足できるよう全力を務めます。そこで提案したいのですが、この活動は私達だけでなくもう少し幅広くやりませんか?」

「幅広く、ですか?」

「それはどういったことでしょうか?」

「簡単に言うと、学園内で一つの組織として活動してはどうでしょうか?私たちのように苦しむ女性はまだいると思います。その人たちを勧誘して仲間にするのです。」


どうせするのであれば独占するのではなく、多くの人を巻き込みたいです。

そうすれば、私のお姉さまの良さを広めながら私のお姉様が好きな人がどれだけいるのか監視もできます。

これは私にとてもメリットがあります。


「リーナ様の言っていることは納得できます。しかし、人が多くなれば、好きなお姉様が被るような事が起きるのではないでしょうか?」


そう来ますか。

気持ちは分からなくもありません。

むしろ、共感できるほどです。

しかし、ここで屈するわけにはいきません。


「質問を質問で返すようで悪いですが、後輩がいがみ合っている姿と仲良くしている姿、お姉様にとって喜ばしいのはどちらでしょうか?」

「仲良くしている姿です。」

「私もそう思います。ですから、お姉様の事一番に考えるのであればいがみ合う事はナンセンスです。それを避けるために勧誘するのです。同じお姉さまが好きな人同志で手を取り合って譲り合いお姉さまと接する方が良いと私は考えます。それに、有益な情報を共有する事も出来るようになるので一段と先輩たちを知ることが出来るのではないでしょうか?」

「確かにその通りです!」

「今までは自分一人がと思っていましたが、譲り合いの精神は大切ですね。」


上手く丸め込めたようです。

これならば、私が組織を管理しながら大きくできるでしょう。

お姉様の布教と監視をこなせるなんてありがたい限りです。


「最後にですが、私のお姉さまはNGですからね?」

「分かっています!リーナ様、いえ今日からは尊師様とお呼びさしてください!尊師様は私達に教えを説いてくれる方であります。そのような方の逆鱗を触れるなど万死に値します!」

「尊師様は特別であり、私たちの掟を作る者であり守る者ではありません!」

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