表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王女だってお姉さまを好きになる  作者: 雪の降る冬
100/127

寮対抗戦をする少女

夏季休暇は十分な期間があったはずなのに、なんと明日から学園が始まります!

部活動のメンバーによって旅行に行ってから約1か月の期間、お姉さまのおうちでべったりとくっ付いていたかったのですが、案の定と言いますか王女として出席しなければならない案件などが急遽入ったりなどしてお姉さまと言られる時間がほとんどありませんでした。

それだけに飽き足らず、お家の中ではイロエというお姉さまの兄が割って入ってきて2人だけの時間はほとんど寝るときだけでした。

夏季休暇を存分にと思っていた私の気持ちを返してほしかったです。


しかし、逆に言えば学園に通っている間は外部との干渉が立たれ、寮内では一緒にいられるのでこちらの方がいいのかもしれません。

夏季休暇中も早めに戻ってきていれば人数の少ない寮生活を楽しめたかもしれません。


「レオナちゃん、おはようございます。」


教室に向かうと机とにらめっこしているレオナちゃんがいました。

最近はマリア会長にべったりで私とお姉さまの関係のようによく一緒にいるところを見ます。


「登校初日からお勉強ですか?」

「会長の隣に立つために少しでも賢くなりたいんです。」

「そうなんですか。目標をもって努力をすることはいいと思います。ですが、根を詰めすぎてはいけませんよ?何事も息抜きは必要です。マリア会長とデートして気分転換は必ずするようにしてくださいね?」

「息抜きは大事ですも……って、デ、デートは、私には…」

「大丈夫ですよ。マリア会長も喜びますし、旅行の時も2人で観光したんですよね?」

「そうだけど、やっぱりデートは恥ずかしいよ。」


観光した時のことを思い出しているようで、耳まで赤く染まっています。

ちょこっと触っただけで反応しそうなぐらいですが、悪戯するのはここまでにしておきましょう。


「話を戻しますが、マリア会長の隣に立てるよう頑張ってくださいね。応援してます。」

「う、うん!頑張るよ!」


握りこぶしを作って燃えていました。

同じ女性を愛する者として私も協力してあげたいと思わされました。


初日の授業は午前中に終わり、お昼からは部活動をすることになりました。

夏季休暇中は育てていた農作物・動物たちと触れ合えなかったので心配でした。

一応マリア会長とレオナちゃんが寮にいる間は2人が面倒を見て、いない時は設備の機能で自動的に管理していたのですが、自分で手を出さないと心配でした。


「私がいない間も十分育っていたようでよかったです。」

「この場所は設備が整ってるからね、心配がいらないようにはなってるけど私もついつい考えちゃうかな。自分で育ててるからこそ、目を離したすきに何かあるんじゃないかっていう考えがよぎるんだよね。」

「分かるわ。自分で管理してないと知らない間に枯れていそうだわ。最後まで面倒を見てないと不安になって仕方ないのよね。」

「サナの場合はかなり過保護すぎるけどね。」

「ヒマリだって心配してるんだから同じでしょ?」

「でも、リーナちゃんを見てるとそんな感じがするんだけどな?」

「わ、私は、お姉さまにねっとり観察するように見られているのでしょうか?!」

「なんでそこに食いつくのよ。しかも、曲解しすぎ。」


お姉さまに呆きれられてしまいました。

しかし、最近になってお姉さまのそんな態度に快楽を見出していまして、これはこれでアリです。

新たな性癖の目覚めでお姉さまの愛が深まっています!


「会長、こっちの子の対応なんですけど、間違ってないですか?」

「もうちょっとだけタオルの締め付けを緩めてあげて。その子は他の子に比べて締め付けに過度のストレスを覚えるの。」

「そうなんですね。すみません。」

「説明をしていなかった私も悪いから次から気を付けましょう。でも、ほかの子の場合はそれでいいから続きをよろしくね。」


レオナちゃんは失敗して落ち込んでしまっても、マリア会長がすかさずフォローしていました。

普段はレオナちゃんの方が立場が上でマリア会長がしりに敷かれている風景を見るのですが、こういった場合だと立場が逆転するようです。

しかし、最後にはフォローを入れているのはどちらも同じようでそっくりです。

ある意味私たちよりも姉妹に見えるかもしれません。


「会長とレオナちゃんって距離が近づいたよね。」

「そうですね。レオナちゃんが勇気を出しているみたいです。」

「そうだよね。そして、リーナちゃんはサナとで、私余ってるよね?」

「……否定しずらいわね。」

「大丈夫です。ヒマリ先輩は美人ですから男性の方から近寄ってきますよ。」

「そうなんだけどね、最近イチャイチャの波動が撒かれすぎて私の肩身狭いんだよ。やめろとは言わないけど、せめて私にもできてからにしてほしいな。」

「でも、あなたは妹がいるじゃない。」

「か~、これだからだめなんだよ。リーナちゃんも大変だね。」


私は大きく賛同しました。

それを見たお姉さまはひどく困惑していて、何が間違っているのか気づいていない様子です。

私がこれだけ好意を向けていても鈍感系主人公のように無視されて大変です。


「会長も多少は姉妹感覚に思っていてもほんの少しだけ(・・)を出してるんだよ?この意味わかる?」

「えーっと?会長は生物学上雌であるわけで何かおかしいのかしら?」

「これだから鈍感系主人公はダメなんだよね。同性愛者じゃないけど一人ぐらいな~、あ~あ、私もLoveじゃなくていいからLikeの子が近づいてくれないかな?」

「なんで同性愛の話に?」

「お姉さま、そこまで行くと私も多少幻滅です。」

「リーナまでどうして!?」


本当にわかっていないようで何度も私に聞いてきました。

でも、教えてなんか挙げません。

こういったことは自分自身で気づいてほしいですし、私の口からとなると恥ずかしくて悶えてしまいます。

もしかしたらツンツンしちゃって、デレている所を見せられないかもしれないです。

それに、黙っていればお姉さまが質問をしに私に近づいてくるので、私に興味があると思えて自己肯定が高まります。


部活を終えると寮に戻るのですが、寮内が少しだけ浮ついているようです。

ザワザワとなにかあわただしくもあり、登校初日の放課後とは思えない空気です。


「…っ!会長が戻ったぞ!部屋にいる者をすぐに連れてくるんだ!」

「3年生は結界を張って!」

「会長、食堂の準備は出来ています。」


マリア会長が戻ったと知った生徒が3年生を中心に動きました。

本人は何が起こっているのかわかっていないようでしたが、お姉さまとヒマリ先輩に耳打ちをされて気が付いた顔になりました。


「そうだったわね。もうその時期よね。」

「忘れてたんですか?」

「みんな楽しみにしてるんだから忘れないでくださいよ。」


何のことかはわかりませんが、マリア会長が何かを忘れていて呆きれられているようです。

ですが、マリア会長が忘れていて寮生全員が慌ただしくなるような事とは何なのでしょうか?


「リーナ、レオナちゃんこれから作戦会議だからしっかり話を聞いておくようにね?」

「作戦会議ですか?」

「何があるんでしょうか?」


二人して顔を合わせてみましたが、何の作戦会議が始まるのかわかりませんでした。

お姉さまは付いてくれば分かると言われましたので、その通り付いていくと食堂につきました。

そこには第八寮の全寮生がそろっていて、用意されていたホワイトボードに『秋の寮対抗戦作戦会議(秘密厳守)』と書かれていました。

続きを読みたいと思ったら、ブックマーク、評価、感想をお願いします。

カクヨムでも投稿しているのでそちらもお願いします。

Twitterで更新報告しているのでフォローお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ