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孔秀・ランスロッド

神様との邂逅から早6年が過ぎた。

6歳になった俺は、神様に仕事を押し付けられて忙しくなるという事もなく、のんびりと日々を過ごしている。

生まれ変わった俺の名は、孔秀=ランスロッドという。

エルグランド大陸西部にあるサングリア王国の南部を納めるランスロッド伯爵家の三男である。

まあ、名前を聞いて色々と違和感があると思うが、まずは家族の紹介をしよう。


父さんの名前はリュード=ランスロッド。

ランスロッド伯爵家の当主でランスロッド伯爵である。

若い頃に冒険者として、サングリア王国を突如襲った龍を討伐し、ランスロッド伯爵に叙勲されたサングリア王国の英雄らしい。

本来なら貴族の取り立てなどは、男爵位を賜るものらしいが、父さんが大陸でも5人しかいないS級ランクの冒険者だった事もあり、サングリア王国に引き留める為に伯爵位を与えられたとの事だ。

父さんは自身の過去の話をするのを嫌うのだが、執事のセバスが教えてくれた。

家の起こりを知る事は貴族にとって大切な事だそうだ。


母さんの名は、ミリア=ランスロッド。


長男のエルヴィン=ランスロッド兄さん。


次男のヨハン=ランスロッド兄さん。


妹のリーゼ=ランスロッドの5人が俺の新しい世界での家族だ。



13歳のエルヴィン兄さんは王都サングリアの王立高等学院で、騎士を目指し勉強しているので、家族4人と使用人数名がこの屋敷で暮らしている。


転生した俺の家族構成はこんなだ。

違和感があるとすれば、何故か俺の名前がゲームと同じ孔秀という名前で、西洋の貴族なのに何故か漢字ということだろう。

転生したての頃の赤ん坊の頃の事は、実はあまり覚えていない。

言葉を覚え始めた二歳の頃に、突然過去の事を思い出した。

思い出すなり、じいさんを呼び出して聞くと、0歳から2歳くらいにかけて本来は記憶の消去期間なのだと、じいさんは言った。

そして、自身の名前と家族の名前を知るなり、「俺だけ名前漢字かよ!」とつい自己突っ込みをしてしまったのも無理はないと思う。


父さんにその事を聞くと、大陸東方の有名な冒険者で、父さんの友人の周=双来という人が名前を付けてくれたらしい。

とはいえ、俺のゲームのアカ名だった孔秀と字まで一緒というのは単なる偶然とは思えない。

じいさんを呼び出し聞くと。



「そりゃあ、調整力が働いとるんじゃ」



と、返事が返ってきた。



「調整力ってのはよ。異世界人達を召喚した奴等は現実世界のお前さん達の力を見て召喚した訳じゃなく、仮想世界のお前さん達の力を見て召喚しとる訳じゃ。じゃから、現実世界のお前さん達ではなく仮想世界のお前さん達を召喚せんと、高い特殊能力は付いて来ないんだな」



さらにじいさんは続ける。



「じゃから、仮想世界のお前さん達の名前で召喚されとるから、召喚魔法の調整力が働き、仮想世界の名前でこの世界では存在させられる事になるはずじゃ」



東方の有名な冒険者に名付け親になられた事も、調整力が働いた為だとじいさんは言った。



「どうやら、転生しても調整力の効果は続くようじゃの〜」



俺のように召喚後、拒絶され事故死、転生などというパターンは初めてなので、神であるじいさんにも俺がどんな形で転生するかはわからなかったらしい。

まあ、そんな感じで、ゆっくりと時間を掛けて俺はこの世界に馴染んで行ったのだった。


孔秀=ランスロッドとして。

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