1話 特別なことは何もしてないはず
俺の名前は渡瀬 玲。
しがない高校二年生だ。とある海無し県にある、自称進学校の一生徒である。今日は二年生になって初めての登校日なのだが、現在、家から駅まで全力で自転車を漕ぎまくっている。
「ハァ、ハァ…くそっ!初日から遅刻は不味い!!」
何故こんなに急いでいるのかって?察しのいい方はわかるだろう。寝坊だよ。そう、よく見るラノベにあるやつだ。まぁ、この状況のキーパーソンである美少女などいないのだが。
「あっぶね、間に…合った!」
駅に着いて、何とかギリギリ間に合う電車に乗り込むことが出来た。あとはここから5、6分電車に揺られれば高校は目の前だ。
「……?」
電車に乗れたことで余裕がでてきた俺は出口とは反対方向に目をやった。
「あ、あの…辞めてくだッ……」
「デュフ、デュフフフフ!」
なんと、ありゃ痴漢だな。1年間電車登校をしているが初めて見た。
どうやら、被害者は同じ高校のようだ。さすがに無視は出来ないな。俺はその女の子に迫っているおっさんの右肩に手を置き、
「なあ、おっさん」
名前知らないしおっさんでいいか。
「おっさんさぁ、とりあえず警察行こうか」
「!?ち、畜生!!」
あ、逃げた。しかしどうやら勇気あるほかの若者によって捕えられたらしい。
「まもなく、南高校前」
もうそろそろで目的の駅に着くらしい。あのおっさんもさすがに逃げられないだろう。
「あ、あの!」
「ん?」
「さっきは、その……ありがとうございました!」
さっきの被害者か、正直関わるのはめんどくさいな。
「気にするな。当然のことをしたまでだ。ほら、さっさと行かないと遅刻するぞ。」
俺はそのまま電車を降りて学校に向かった。
俺はこの時まだ気づいていなかった。ここから平穏は呼べない学校生活を送ることになるとは…。
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どうもはじめまして!やまともと申します!
初作品になります!学生の身なので不定期投稿になります
拙い文脈ですが、レビュー等、お待ちしています!