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S4-4



「さてと、始めるか。」


まどかは染料を作っている。植物をすり潰し、煮立てて、鉱物を砕き、溶かし……結構な重労働だ。メグミも手伝っているが、鍋をかき混ぜる担当で、力仕事はまどかがやっている。


「まどか、出来たよ。」


「よし。こっちもこんなもんだろ。」


それからまどかは、小さめの風呂桶のような物を作り、そこに染料を流し込んだ。


「準備出来た。メグミ、脱いで。私も脱ぐ。」


「へ?は、はい?えーっ!で、でも、心の準備が……」


「早く。こういうのは、タイミングが大事だから。」


「う、うん。やさしくしてね……」


「ん?ほら、染料が冷めちゃうから。脱いだらここに漬けて。」


「あ、あぁ、そういうことね……なんだ……びっくりした……」


二人は衣装を染料に漬け、洗っては漬ける、これを何度も繰り返した。


染め上がった衣装を乾かしてる間、まどかは魔鋼製の筒と、列車でもらった魔晶石を出した。


「今度は何するの?」


「ん?この筒に、魔晶石を仕込んで、風魔術の印を刻んだら……こうやって手に持って、魔力を込めたら、大砲みたいに打ち出せないかなぁって思ってね。」


「え!そんなこと出来るの?」


「わからないけど、実験だよ。」


「まどかって、凄いよね……」


「ん?なにが?」


「発想っていうか、能力の活かし方っていうか……」


「んー、私達ってさぁ、元の世界なら出来なかった能力を持っちゃったわけじゃん?使い方にもまだ慣れてないし、他に出来ることもあるかもしれない。」


「うん。」


「いろいろ試して、使いこなせたら、絶対便利じゃん!なんかそういうこと考えてると、ワクワクするんだよね。」


「ふーん。まどかのそういう所、男の子みたいだね。」


「ふぇ?(まさか、バレた?)」


「あ、ごめん。変な意味じゃなくて、その、頼もしいなぁって……」


「そ、そうかな……ははは……」


「私も頑張ろ!せっかく精霊さん達と仲良くなれたんだし、私の身体を使ってもらう以上、倒れないように体力付けないと!」


「そうだね。このところ地下に篭ってるから、身体動かしたいね。」


「ねぇ、この染料って、髪の毛も染まるかなぁ……」


「うーん、どうだろ?かぶれたりしないかな……」


「えいっ!」


メグミは、染料に頭を突っ込んだ。


「ちょ、ちょっとメグミ!いきなり突っ込んだら……肌にあわなかったりするかもだから、いろいろ試してからじゃないと……」


「大丈夫だよ。少しヒリヒリするけど……」


「それ大丈夫じゃないし!メグミ!洗って!」


まどかは慌ててメグミの髪を洗う。少し頭皮が赤くなっている。


「こういうのって、ポーション効くのかな……とりあえずかけるよ!」


まどかはポーションを取り出し、メグミの頭にかけた。すると頭皮の赤みが治まり、髪の毛が紫色に変化した。


「か、変わった!メグミ大丈夫、痛くない?」


「うん。もう平気。見て見て!染まったよ!結果オーライね!」


「もう、無茶しないで!メグミのそういう所も、男の子みたいだよ!」


「えーっ、それはきっと、まどかの悪影響だよ。」


「今、悪って言った?コラ!」


こうして、手配書の特徴とは別人の二人が出来上がった。これで地上に出ても問題ないだろう。ようやく二人も、行動開始するのだった。

読んで頂いてる方は、薄々気付かれたと思いますが

次回より、新章(帝都編最終章)突入です。

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