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S4-2



「まどか様、ご注文の品、揃えました。」


ゴーンが持ってきたのは、ハンス用の装備と染色用の植物や鉱物、魔鋼製の筒に把手を付けた物、紙、糊、銀の礫……


「何に使うんですか?言われた物は揃えましたが……」


「ありがとう。まぁ、いろんなことよ。代金は、これね。」


「あ、はい。たしかに。」


「それからビーン、あなたに聞きたいことがあったの。」


「へい。何でしょう?」


「貴族内の派閥について、知ってる事だけでいいから、教えて。」


ビーンは、大まかな派閥を教えてくれた。帝都内で現在、爵位を持つのは六家。筆頭がアクト公爵。その下に侯爵が二家、伯爵、子爵、男爵がそれぞれ一家いる。

第一皇子を推すのが正侯爵、伯爵、子爵。第二皇子を推すのが公爵、次侯爵、男爵。

ちなみに、皇帝が直接爵位を与えたのが正侯爵、功績が認められ、貴族院より爵位を与えられたのが次侯爵だ。これにはアクト公爵の推薦があったらしい。


第一皇子は、民を愛し、民に愛される文人。武人であった皇帝が、帝国を統一した後、


「今後の国を支えるには、武力だけでは出来ぬ。見聞を広めよ。」


と、各地で学問を学んだ。


第二皇子は、まだ13歳だが、帝国統一を果たした武人達を手厚く遇し、更なる武力強化こそ、我が国を守る事に繋がる!と、息巻く。


正侯爵は、第一皇子こそ、皇帝の意志を継ぎ、今後の帝国の繁栄を成す御方だと言い。アクト公爵は、どちらかと言えば文官タイプなのだが、第二皇子こそ、武門の誉高い皇帝陛下の血を色濃く受け継ぎ、必ずや帝国を繁栄させてくださる方だと言う。


「なるほど……」


まどかは目を瞑り話を聞いている。


「まどか様、こんなの子供でも感づきますよ!アクト公爵が第二皇子を裏で操って、帝国を牛耳ろうって魂胆だって!」


ハンスが話に割って入る。それは多分、皆同意見だろう。


「わかった。ところでビーンは、今どこかのお屋敷に入っているの?」


「へい。次侯爵のお屋敷です。」


「それは丁度いい!ハンス、ゴーンが持ってきた装備、ちょっと着てみて。」


「え!まどか様!俺のために装備を!あざーっす!早速着替えるっす!」


と言って脱ぎ出す。


「バカ!私もメグミもいるんだ!部屋で着替えろよ!」


「あ、そ、そうっすね……着替えてきます……」


しばらくして、新装備に身を包んだハンスが出てくる。だが少し不満顔だ。


「あの……まどか様、この装備って……確かに動きやすいんだけど、これじゃまるで、庭師じゃないですか……」


「そうだよ。今日からハンスは庭師!見習いだけどね。ビーンの下で、しっかり働いてね!」


「え?え!俺クビっすか!」


「ハンスさん、わからない?」


「ははは……まどかお嬢様はハンス様に、庭師として次侯爵の屋敷にて、潜入調査をせよ!と、仰っているのですよ。」


「な!なるほど!わかったっす。しっかり調べるっす!」


「頼むよ。人の出入りとか、屋敷の様子とか、気付かれるなよ!バレたらホントにクビだからね。」


「が、頑張ります!」


「ジョーカーは一度、ギルドに行って欲しい。ギルマスに手配書の事とか、いろいろ聞いてきて。」


「かしこまりました。」


「まどか、私は?」


「メグミは私と、この材料でいろいろ作るよ!」

明日から一日二話投稿になります。

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