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S4-1



まどかは、今まで着ていた衣装をベッドに広げだ。


「メグミ、どれがいい?」


「え?これ、私が着るの?」


「そうだよ。嫌?」


「嫌とかじゃなくて、その、こんな可愛いの、私に似合うかなぁ……」


「絶対似合うよ。メグミ可愛いから。」


「え!わ、私が、可愛い……」


メグミは赤面する。まどかに可愛いと言われ、ドキドキしていた。


「じゃあ……こっち。」


メグミが選んだのは、まどかと出会った時にまどかが着ていた衣装。色々な想いが、この衣装にはあった。


「じゃあ、私向こう向いてるから、着てみて。」


「う、うん。」


メグミは衣装を手に取り、一度ギューっと抱きしめた。それから自分のドレスアーマーを脱ぎ、衣装に袖を通した。サイズは割といい感じ。少し胸が苦しいかも……


「ど、どうかな?」


まどかが振り返る。その可愛いさに少しの間見とれていた。


「そんなに見ないで……恥ずかしい…」


「あ、うん。ちょっと調整するね。」


まどかは我に返ると、衣装の脇や背中を編んでいる紐を緩めた。メグミの体型に合わせて編み直していく。


「どう?キツくない?」


「うん。丁度いい。ありがとうまどか!」


それからメグミは、少しの時間身体を動かし、動きやすさをチェックする。まどかが微調整をして、メグミの装備は完了した。


「よし。じゃあ私は、これを着ようかな。」


まどかも着替えた。脱いだ装備を収納し、今度はメグミを椅子に座らせる。


「髪型も少し変えよう。」


それから二人は、あーでもないこーでもないなどと言いながら、ようやく意見をまとめ、髪型を決めた。こちらの世界は、元の世界のヲタが喜びそうなツインテールが、割と一般的なのだ。


キッチンで生臭くなりながら、ようやく下処理が終わり、鍋に移して火にかけた頃、まどかとメグミが部屋から出てきた。ハンスが手を浄化し、匂いを確認して振り返る。


「もう、まどか様……何してたんすか?こっちは生臭い……え!えぇー!ど、ど、ど、どうしたんすか!やべぇ!可愛い!マジっすか!」


「ハンス、うるさい。」


「ハンスさん、似合いますか?」


ハンスは、首がもげそうなほど何度も頷く。ジョーカーはテーブルに料理を並べる手を止めると、


「よくお似合いです。メグミお嬢様。」


と胸に手を当てた。


食事中もハンスは、メグミをチラチラ見ている。たまりかねたまどかは、


「ハンス、いい加減慣れろ。」


と言って冷たい目で見た。ハンスは慌てて、


「違うっす!浮気じゃないっす!じゃなくて、いや、あの……可愛い過ぎて、その、頑張ります……」


「いや、逆に頑張らないで。リラックス。」


「ご飯、冷めちゃう前に、食べよ?ね。」


「は、はい。」


多分、今日のご飯の味なんか、ハンスはわからなかっただろう……とりあえず髪型は、もう少し大人しめにするかな。違う色に染めるとか、カラコンとか、元の世界なら出来るんだけど……何か方法を考えよう。


後はゴーンに頼んだ物が届けば、行動開始だ。まずはおたずね者の情報の出処と、爆発騒ぎの男達の洗い出しだ。公爵に繋がる証拠を見つけないと、ただの賊扱いで消されてしまうだろう。慎重に大胆に行動しなければ……

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