B1-3
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もっと上手い表現があるんじゃ…と、毎日落ち込みながら書いております。
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精霊使い。
下位の精霊であれば、精霊魔術を使って使役することも可能だが、精霊と契約し、自分の身体を依代にして上位の精霊を召喚する……それが精霊使いと呼ばれる術者であった。本来精霊とは、自由気ままで、人間とは違う価値観を持ち、気分次第で暴威を奮う。精霊界に住み、たまに人間界を覗き見る。人々は畏れ、あるいは崇拝し、災いが起こらぬように祈る。そんな精霊と契約するには、並々ならぬ集中力と、暴威を抑えるだけの精神力が必要である。
町の外れに森がある。普段は立ち入ることを禁じられ、精霊使いだけが入れる森。精霊界への入口とも言われ、町の人々は、精霊の森と呼び、聖域として崇めた。クレアはメグミを連れて森の入口へ来ていた。まどか達は同行を許されず、クレアとメグミだけだった。
「では、行くとしようかねぇ。難しい事は考えんでえぇ。先ずは……そうねぇ……友達になることね。」
「はい。やっぱり森は、落ち着きますね。」
「そうかい、そうかい、良いことだわぁ。」
メグミは森に身を委ねるように、心を解放した。
『初めて見る子だね』
『この子の匂い、誰かに似てる』
『こんな小娘、どこにでもいるじゃねぇか』
『なんだか懐かしい匂いだよ』
『この匂い、あいつの、裏切り者の匂いじゃ』
『燃やしちまおうぜ』
『氷漬けにするわ』
『石にしてコレクションにしようかな』
『待て……』
気がつくと、メグミはクレアの膝枕で眠っていた。大量の汗をかき、それをクレアが優しく拭っていた。
「目が覚めたかい?」
「あ、すいませ……」
「そのままそのまま。」
「クレアさん、私、嫌われているのでしょうか?」
「どうしたんだい?」
メグミは、聞こえてきた声のことを話した。たくさんのもの達に見られている感覚、声の内容、するとクレアは、
「ほうほう、そんなにか?資質だろうね、見られてるんだよ、魂をな。言葉の意味は……そのうちわかるさね。」
-まどか達はハンスの案内で、防具屋に来ていた。ギルド御用達の、腕のいい職人が居ると聞いて、新衣装の発注をする為だ。
今回は劇場公開用衣装だ。シングル曲の衣装程派手さは無いが、個人的には一番好きな衣装だ。
「こんな形は、今まで見たことねぇな。」
「作れる?」
「あぁ、この……背中んとこなんだが……」
「ん?あぁ、そこはね、こういう金具を使って……」
「なるほどなぁー!細けぇ細工だな、腕が鳴るぜ!」
何とかなりそうだ。さすがギルド御用達だな。
その後、食材を探しに市場に来た。
「!米だ!!」
量は多くないが、穀類を扱っている商店の隅に米があった。少し赤みがかった古代米のようだ。
「まずは一食分買って、食べて美味しかったら仕入れていこうか。」
「かしこまりました。」
「へぇー、こんなの好き好んで食うやつもいるんだな……」
ハンスは好みではないらしい。聞くと、野菜と一緒に煮込んで、少し芯が残った状態で食べるらしい。炊飯器とか無いからな……
というわけで、金物屋で羽釜も注文した。絵で説明し、底の厚みとか細かく指示した。ここは妥協したくない!メグミも頑張ってるようだし、帰ってきたら美味しいご飯出してやりたいよね。




