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P4-1



『まどか、上手くいった!いいわよ!』


『流石妖精さんだな。よし!』


ドアを蹴破って廊下に出る。辺りを確認しながら出口を探す。途中の部屋でカーテンを引きちぎり、頭から被ると、裏口から飛び出した。ここまで追手はない。陰に身を隠しながら山道を進むと、篝火が見えた。鉱山の入口だ。

薮の中に潜み、様子を窺う。


『ジョーカー、そっちはどう?』


『まどかお嬢様、ご無事でなによりでございます。メグミお嬢様は?』


『私も居ます。ジョーカーさん。』


『なによりでございます。わたくしは洞窟の奥の集積場におります。どうやら魔晶石の他に、魔鉱石まであるようです。』


『そうか。見張りは?』


『体格のいい者が5名程でございます。それからまどかお嬢様、調査中の冒険者様がいらっしゃいました。今は抜け出され、応援を呼ぶ手配をなさっておいでです。』


『応援が来るのか!』


『ですが、2日はかかると申されておりましたので……』


『間に合いそうもないな……』



-「ま、魔物の大群だぁ!」


「きさま!サボるな!」


洞窟の更に奥からボロボロの男が走って来た。見張りの男は、それを鞭で打つ。


「ほ、本当なんだ!魔物が……」


「うるさい!サッサと持ち場に戻れ!」


その時、洞窟内に地鳴りのような音が響く。奥から犇めくようにゴブリンが迫って来た!


「な!ゴブリンっ!おい!き、貴様らぁ!何してる!逃げるなぁ!貴様ら盾になれ!」


「酷いですなぁ……せっかく貴方良い身体をしていらっしゃるのに……貴方が盾におなりなさい!」


そう言うと同時に、ジョーカーは見張りの男をゴブリンの群れへと蹴り飛ばす。


「どわぁ!」


「さぁ貴方も、貴方も、貴方も、貴方も!」


「ぐはっ!ふぎっ!はうっ!でべっ!」


「さぁ皆さん、逃げましょう!」


見張りの男達を全て蹴り飛ばすと、作業員を誘導する。ジョーカーは自分が殿となり、迫り来るゴブリンを撃退しながら、皆を走らせた。


騒ぎを聞いた他の見張りも、我先にと逃げ出した。


『まどかお嬢様、始まってしまいました。』


『今行く!メグミ!武器を出して!突っ込むよ!』


『うん!』


見張りが走り去った後、まどか達は洞窟に突入した。閉じ込められている人々を見つけると、


「下がって!ドッカーン!」


格子を蹴破って逃がす。


「メグミ、皆んなを頼むよ!」


そう言い残し、更に奥へと駆けて行った。


「た、助けてー!」


奥から声が聞こえた。その集団が近づくのが見えると、


『ジョーカー、みんなを逃がしたらここを塞ぐ!ゴブリンから距離をとって!』


『かしこまりました。では少し数を減らしましょう。』


「ベノムバースト!」


ジョーカーの手から魔弾が放たれる。先頭のゴブリンに当たると、爆炎が辺りを覆った。逃げていた人々は、その爆風に押され、洞窟の外へ押し出された。


「ストーンウォール!」


まどかの土魔術による壁が、洞窟を塞ぐ。漏れ出たゴブリンは居ないようだ。


「とりあえずこれでいいか。」


「メグミお嬢様と、合流いたしましょう。」


二人は洞窟の外へ出た。山道の脇に公民館程のサイズの基地を作り、メグミの樹木魔術で覆い隠すと、逃げ出した人々を中に匿った。


「ジョーカー、みんなにスープでも作ってやって。」


「かしこまりました。」

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