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P3-3



ガチャリ。見張りの男が、屈強な男二人を連れて入ってくる。


「おっさん!お迎えだぜ。」


『ではお嬢様方、行ってまいります。』


ジョーカーは屈強な男達に挟まれ、腕を抱えられて出て行った。


「お前達はもうちょっと後だ。その前に……へへへ……」


あー、テンプレだ。


「少しくらい いいよな……あばれるなよ……」


ここは、いやっ!やめてーとか言うべきかな……


「おい!何してる!」


痩身の男が入って来て、見張りの男の胸ぐらを掴み、殴りつける。お!いいぞ!やれやれーっ……


「男爵様への貢物に手を出すとは、教育が必要だな。」


やっぱりかー、正義の味方登場!じゃないよね……


「お前達には男爵様の命令に背かぬよう、精神支配の術をかける。別に痛くはない。多少の自由が無くなるだけだ。」


それはまずいな。今動くにも早すぎるし……どうする?


『報告 名称アプリさんのバージョンアップにより、精神支配の無効が可能です。』


そうか、黒いローブに操られた時、アプリさんが解除してくれたな……


『アプリさん、それは他の人にも出来るの?』


『可能です。』


『じゃあ頼む。私とメグミに……』


「では始めるぞ。スピリットテイマー!」


痩身の男が支配の術を掛ける。まどかとメグミは、人形のように表情が抜け落ち、意思を感じられなくなった。


「よし、縄を解いてやれ。」


「ふぁ、ふぁい!」


顔が腫れて、上手く喋れない見張りの男が、二人の縄を解き、立ち上がらせる。


「ついてこい。」


「「……はい。」」


二人を従え、痩身の男は部屋を出て行った。



-鉱山内部。

洞窟の窪みに格子を張った、牢のような場所にジョーカーはいた。奴隷風のみすぼらしい男達や、他所から連れて来られたであろう人達、十人以上はいるだろう。隣に同種の格子が有り、同じように人が居る。


中に一人だけ目の輝きを失ってない男がいた。その男がここの現状を教えてくれた。

今、坑道の奥にもう一組の集団が居て、魔晶石の回収作業をしているらしい。その集団が戻ってくれば、自分達の番だと。三交替で24時間365日、作業は続けられている……


「まぁ、大まかな流れはそんな感じだ。」


「なるほど、ご説明ありがとうございます。」


「だが、こっからが大事だ。この奥にはな、魔物が出る。倒しても倒してもキリがねぇほどな。」


「なんと!」


「だが安心しろ、大きな声じゃ言えねぇが、俺はストーシティの冒険者だ。調査でここに来ている。皆んな必ず助け出す!それまで辛抱してくれ。」


「それはそれは、心強いですな。」


『あー、テステステス……ジョーカー、聞こえる?』


『ティンク様、何かございましたか?』


『あ、繋がった。この洞窟ヤバいよ!魔物うじゃうじゃだ!』


『そのようですね。』


『落ち着いてる場合じゃ無いって!マナを充満させる為に、ある程度は倒してるみたいだけどさぁ、追いついてないよ!このままじゃ、スタンピードが起るって!』


『それは由々しき事態ですな。』


『あたしは、一旦ここ出るね!まどかとメグミの様子見て来る!』


『かしこまりました。それにしても、どうしたものでしょうか……』


事態は一刻を争う。

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