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P1-4



「私が持ち込んだ話しだ。この依頼、受ける。」


「あたし達、MJ2がね!」


「?なんだい?そりゃ?」


「あぁ、私達ここにいるメンバーのパーティの名前だ。まぁ、昨日組んだばっかりだけどね。デビュー戦ってやつ?」


「だ、大丈夫かね?見たところ個人の強さは三人ともかなりのレベルだけど……まぁ、頼んじまったもんは仕方ねぇ、よろしくな、MJ2!」


ギルドに来たついでに、まどか達は訓練場を借り、連携の練習をすることにした。3人の連携はやったことはない。ある程度の動きの確認と、それぞれの能力の把握くらいはやっておくべきだろう。


連携の指導はなんと、ティンクだ。ティンク師匠と呼びたまえ!と、いつもの如く上から目線だが、


「もっとこう、ガーッときてビュン!よ。わかる?ちがうちがう、そこはシュッ!ときてババババーンよ!」


という感じで、なかなか進まない。そこでジョーカーが、


「ティンク様、ここはフェイントを入れて、その隙にまどかお嬢様が下から……こういうのはいかがでしょう?」


など、時々意見を言うと、


「そ、そう!あたしもソレ言おうとしてたのさ!アンタわかってんじゃん!」


と、冷や汗を垂らしながら指導する。最後の方は、ほぼジョーカーの受け売りになったが、


「やれば出来るじゃない!やっぱあたしの指導のおかげよね!」


と、満足そうに頷いた。調子の良さはレベルMaxかもな。


これまで底の見えなかったジョーカーだが、少し力を見ることが出来た。連携において、まどかが前衛の主戦力、メグミが後衛からの援護と攻撃、ジョーカーは二人の動きに合わせる形だったが、時にはまどかの盾になり、時には囮となって敵を引き付け、隙を見て攻撃、メグミが前に出れば後ろに下がって援護する……これは、まどかやメグミよりも上の技術が無ければ出来ない。それでもまだ力の一端に過ぎないだろう。


ジョーカーの武器はエストックだ。サーベルより少し幅のある細身の剣、高速の三連突きを見たが、一突きにしか見えない程のスピードと正確さだった。

魔術も多彩で、氷、闇、生命、精神、毒を操る。なんか魂を弄ぶ魔族の力を見せられたようで、背筋がゾクッとした……


「なんとか形にはなったな……」



-空き地の小屋に戻る。場所はカスリンも知っているので、何か進展があれば連絡する。と言われた。

その日の夕食もコース料理仕立てだった。あれだけの訓練をしたのに、ジョーカーは事も無げに料理をこなす。まぁ、どうせ聞いても、執事の嗜み……としか答えが返って来ないだろうけど。

今日のメインは魚。川が近いので新鮮なのが手に入るみたいだが、腕がいいのか泥臭さがない。白身のフワフワした身に、熱した油をかけてパリパリにしたウロコの食感がたまらない。香草の使い方も絶妙で、塩加減も丁度いい。毎日こんな贅沢で大丈夫かな?たまにはお好み焼きみたいなのも欲しい気がするし……今度ジョーカーに頼んでみよう。


(それからぁ……ふっふっふっ、もう一つ楽しみがあるんだよねー……明日、みんなを驚かせてやろう!)


少しニヤニヤしながら眠りにつくのだった。

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