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P1-3



「まどか?知り合いなの?」


「アイツ、前居た村で事件起こしたヤツの下っ端なんだ……」


「え?でもなんでこの町に?」


「……わからない。」


「なるほど。それは怪しゅうございますな。」


ヘラヘラさんは、一通り周りを見ると、古びた建物に入った。町おこし研究所と書いてある。


「ここは……資料にあったとこだな……なんでヤツが……」


「へっへーん!こんな時こそあたしの出番ってわけ。」


「ちょっ、ティンク!町の中じゃ、出てきちゃダメって、言ったでしょ!」


ティンクは、メグミの胸元から飛び出すと、ジョーカーの肩に乗り、腰に手を当て胸を張った。


「あたしの次元魔術にはね、不可視化ってスキルがあんのさ。怪しいヤツがいるんだろ?あたしが見てきてやるよ!タダで。」


そう言って、返事も聞かずに姿を消し、飛んで行った。


「もう、ティンクったら、勝手に……」


申し訳なさそうに項垂れるメグミ。


「まぁいいよ。入ってったヤツもそんな強く無いだろうし、妖精さんも役に立つことをアピールしたいんだろ。」


にしてもアイツ、次から金取るつもりか?メグミの装備買うのに、持ってた物全部取られて小遣い稼ぎ出来なかった!って言ってたし、ここで稼ぐ魂胆かな?逞しいというか、なんというか……


「まどかお嬢様、いかがいたしましょうか?」


「そうだなぁ……一応ギルドには報告しといた方がいいかもな。妖精さんが戻ったら、一度ギルドに行こう。」



-ギルド内、ギルマスの執務室。


「おや?まだなんか用かい?」


「カスリン、資料室で見たんだけど、町の若者達が集まってる、町おこし研究所があるだろ?」


「あぁ、以前年寄りが難癖つけて来たとこだろ?あれがどうした?」


「ここにくる前にいた村で、事件を起こした輩がいたんだが、その中の一人が入って行くのを見た。」


「なるほどねぇ……でもそれだけじゃギルドは動かせないよ。他になんかあんのかい?」


「……うーん、ここならいいか、妖精さん!」


「あいよー!あたしの出番ってわけ。」


「え、な、えぇ?」


「あたしは神樹の森の妖精ティンク。この子達の面倒みてやってんの。」


「ティンク、情報は正確にね。」


「え、あ、うん。そんで、あたしが中を覗きに行ったのさ。中には黒いローブのヤツと、まどかの言ってたヤツがヒソヒソ話してた。なんかぁ、壺がどうしただの、もうすぐだだの……」


「壺?町おこしに陶芸でもすんのかね?」


「部屋には魔法陣があってさ、なんかどす黒いオーラが漂ってたわけ。あたし気分悪くなっちゃったから、そこで退散したけど。」


「なぁカスリン、これを見てくれ。」


まどかは、ネックレスを渡した。


「なんだい?」


「鑑定してもらえばわかるけど、それは冥王の壺ってマジックアイテムだ。前の村の事件というのは、それを使って大量のスケルトンを召喚して、村が襲われるって事件だ。なんとか村に入る前に殲滅出来たけど……研究所に入ってったヤツは、その事件に関係している。」


「壺!そうかい。コイツぁ繋がってると見て間違いなさそうだねぇ……わかった。こっちで調べようじゃないか。そこでちと相談なんだが……スケルトンの大群となりゃ、ウチのボンクラ共の手に余る。まどか、この件が片付くまで、もう少しこの町に居てもらっちゃくれねぇか?勿論、正式な依頼として、報酬も出す。どうだ?」

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