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P1-2



翌日

次に向かう町の情報を仕入れるため、まどか達はギルドの資料室にやって来た。手持ちの地図と照らし合わせながら、移動ルートと、周辺に住む魔物の情報を把握していく。昨夜はパーティの名前について少し揉めた。と言うより、ティンクが一人へそを曲げただけなのだが……自分の名前が入ってない!とネチネチ抗議を続けられた所を、メグミの機転こじつけで、


「ほら、MJ2の2はTwoでしょ。ちゃんとティンクのTが入ってるじゃない!」


と、強引に納得させた。まぁ、初めは納得していなかったが、ジョーカーの、


「ティンク様は、言わばパーティの秘密兵器でございますれば、名前も隠されておいでなのですよ。」


と言う機転あとづけに気分を良くし、ようやく大人しくなった。


この騒動のおかげて、みんな寝不足気味だが、欠伸を抑えなが資料に目を通した。


あぁ、秘密兵器と言えば、近頃ほとんど出番の無いアプリさん、俺も元の世界にいた頃、スマホで調べ物をする時に、声に反応して教えてくれる機能があると聞いて、最初の頃は面白がって使っていたけど、そのうち飽きて使わなくなった。まぁ、初老のおっさんなんで、単に使いこなせていなかっただけかもしれないが、歳食ってる分の知識があるので、そうそう調べ物も無かったのも事実だ。


だが、こちらのアプリさんは、少し違った。喋る機会はほとんど無いが、まどかの戦闘中、動作の補助を行っているのだ。俺がマンガや格闘ゲームで培った技のイメージを アプリさんが高速演算で最適化してまどかの身体を動かしている。咄嗟に思い付いたような技でも、絶大な破壊力を出せているのは、実はアプリさんのスキルだった。


-話しを戻そう。資料に目を通していると、一つ気になるものがあった。帝都から戻った若者達が、この町の外れの空き家に集まり、何やら実験を行っているらしい。若者達に尋ねると、町の復興と町おこしの一環だと言って、詳しい話を聞けないとの事。年長者が不審に思い、ギルドに調査依頼を出したのだが、時折黒いローブを被った人物が出入りしている以外は、怪しいことも無く、事件が起こることも無い。黒いローブの人物について尋ねると、町おこしの企画の指導者として、若者達が呼び寄せているらしい。


「出発のついでに覗いて行くか…」


町の今後を見据えている若者達に、少し感銘を受けたし、町が復興すれば、年長者側の蟠りも、だいぶマシになるんじゃ?なんとなくそう思い、興味を持った……


ギルドの帰り、一応カスリンには明日出発することを伝え、町の様子を見て回る。ポーション類の補充と、食材の調達、革製品の工房なども覗いた。全盛期には、革製品を芸術の域にまで高め、貴族の鑑賞用や、兵士らのステータスとして重宝されたのだが、今では日用品の製作がほとんどらしい。あまり人気のない展示室には、過去の匠の作品が寂しげに並べられていた。


工房を出ると、何やら辺りを窺ってる人影があった。不審者ってヤツだな。そいつの顔を見ると、なんか見覚えがある……誰だったっけ?……あ、俺様さんの後ろでヘラヘラしてたヤツだ!

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