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M1-2



(ふむ。自分的には、二割程度の力だと思うんだけど、普通乗用車の交通事故並だなぁ…俺様さん、無事か?)


「敵対者情報、状態 戦闘不能」


あぁ、アプリさん、そこも教えてくれるのね。


「え?あ、へぇ……ま、まどか、強いのね……冒険者なの?でも服は制服っぽいし……まさか騎士団の人?」


「ん?今のところ無職ですが、なにか?」


「え?……そ、そう……だったらウチのギルドに来ない?って言っても私 下っぱの雑用なんだけど、ギルマスが面倒見が良いから、まどかも雇ってくれるよ!なんてったって強いし!」


(だから村人A、その流れはやめろ……穏やかな生活を壊すな!)


「う、うーん……考えとく……」


「やったー!決まりねっ!!」


(おい村人A、この場合の「考えとく」は、大人の世界では遠回しの否定だ!空気読め!)


「ギルドに所属すれば、職業の選択が可能です。また、職業についている場合、変更することも出来ます。」


(アプリさん、あんたもか……働かざる者食うべからずってか?)


「ギルドに関する情報提供と可能性の示唆です。他意はありません。」


(そうだろうけど、情報くれるタイミングってあるじゃん!大人としては、深読みするじゃん!)


「それはそうと、まどか、コイツの所持品、探ってみない?」


「うーん、とりあえず身元くらいわかるかな?一応持ち物とか確認してみるか。」


ナイフ 攻撃力15

革袋 銀貨15枚


「ふむ、身分証的なやつは無いな。てか、貨幣価値がまったくわからん。」


「結構持ってたね、まどかラッキー!」


「え?ラッキーって、追い剥ぎじゃないんだから。いったい どういうことだよ?」


どうやら、この手の盗賊、チンピラ相手の戦闘時は、絡んだヤツの所持金など、取られても文句は言わないのが暗黙の了解らしい。

まぁ、言われてみれば、絡んだ相手に返り討ちにされて、金まで取られたなんて、メンツだなんだと気にする輩が言えるはずも無い。

そこで騒ぎ立てれば、恥晒しもいいとこである。黙って「無かったこと」にするのが最善である。


ちなみに、貨幣価値は

銀貨1枚で定食屋で満腹に食える程度、酒場でどんちゃん騒ぎしても3枚で十分らしい。


(とりあえず、数日の食費にはなるな。それにしても、判断基準がガテン系のおっさん丸出しだなぁ……)


転生時、いろいろ身体を魔改造されたようだが、以前と同様に腹は減るようだ。【食】というのは、元の世界でも楽しみの一つだった。美味いモノを喰う、それだけで元気になれるし、仕事にも身が入るってものだ。

喰う必要のない存在に転生しなかったのは、まどか(辰巳)にとって、僥倖とも言えるだろう。


「(とりあえずメシ屋でも探すか……)じゃ、じゃあ、私はこのへんで……」


「え?ちょちょ、ちょっと、ギルド行かないの?」


「ん?あぁ、私そういうの、いいんで……」


「だって無職なんでしょ?アテはあるの?あ、もしかして、すっごいお金持ちが、旅行とかしてる感じ?にしては、お付の人も居ないみたいだけど?」


「いやいや、一般庶民だけど。冒険者ってほら、魔物との戦いに明け暮れる、ごっついおっさんとかの仕事でしょ?(いや、おっさんだけどさ、中身は)私にはちょっと……」


「そうとは限らないわよ。情報収集や調査の仕事もあるし、女性の冒険者も居るわ。まどかなら、即ランクアップすると思うけどなぁ。」


「いやー、遠慮しとくよ。」


意外に執拗い村人A。ひょっとして、紹介料的なものがあるのか?まどか(辰巳)は、粘着する村人Aに、呆れるしか無かった。

飽きずに読んで頂けたら幸いです。

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