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M4-3



町の市場は、中々の活気だ。野菜や果物、木の実を売る店……と言っても簡単なテントに木箱を並べ、その上に盛ってるだけだがね……他には川魚を売る店、肉を売る店……どちらも魔獣らしい……少し離れた場所に雑貨屋があった。ここだけはちゃんと店舗を構えてるな……


「らっしゃいやせー!」


中を覗くと、山と積まれた雑貨が所狭しと置かれている。元の世界のペンギンの店を少し小さくした感じかな。


「収納用のマジックアイテムある?」


「おう。お嬢ちゃん、これなんかどうだ?」


見せてくれたのは、細身のベルトにタバコケースくらいの革製のBOXが2つ付いたもの。小さな石で色とりどりにデコってある。


「コイツはなぁ、冒険者御用達のマジックアイテム、1つにポーション類を入れて、もう1つに生活雑貨を収納出来る。ナイフのホルダーも後付け出来るぜ!勿論収納力もバッチリだ!これに入れときゃ食材も腐らねぇ!銀貨50枚でどうだ?」


……ついでに聞いてみるか。


「金貨だったら?」


「金貨なら2枚と半分ってとこだな。」


なるほどね。銀貨20枚で金貨1枚くらいか。


「んじゃ、買う。他にもいろいろ買うから、オマケしてくれる?」


こういう時にキラキラスマイル使わなくて、いつ使うんだ!って話だ。喰らえ!まどかスマイル!


「お、おう。」


それからポーションやマナポーション、毒消しや麻痺解除のポーション、毛布、鍋やフライパン食器など、一通りのものを揃えた。


「金貨で12枚ってとこだが、お嬢ちゃんの笑顔に免じて、10枚でどうだ!」


「……ねぇ、このナイフ、光ってるように見えるけど……」


「あ?あぁ。そいつは解体のスキルが付いたナイフだ。食材になりそうな魔獣を仕留めた時にゃあ役に立つが……」


あぁ、こんな女の子が魔獣狩りなんかする訳が無いと思ってるだろうなぁ……だが、このナイフは使えそうだ。食費も浮くしね。


「んじゃあ、今持ってるナイフを買い取りしてもらって、その解体用のナイフとナイフホルダーをください。それで金貨10枚でどう?」


「……えぇい!もうそれでいいや!お嬢ちゃんにゃかなわねえなぁ……」


「うふふ。ありがとう」


それから野菜や肉、調味料や香辛料を買いまくった。収納の上限がわからないが、まだまだ余裕があるようだ。物価は野菜で言えば元の世界の半分くらい、肉は同等、香辛料は50倍くらいかな。

そう。香辛料がべらぼうに高い。胡椒1粒は黄金1粒って、ゲームのセリフで見たことあるが、それに近いな。唯一の心残りは、米がない。麦で代用は出来そうだけど……


というわけで、主食は麦だ。現状、楽しみと言えるのは【食】しか無い。こればっかりは妥協したくないので、この旅の裏テーマは、米を探すこと、だな。


調味料は、岩塩と豆を発酵させたもの。半乾きの味噌のような感じで、味は味噌と醤油の間くらいかな。砂糖は、ないな。いや、あるにはあるけど手に入れにくいらしい。

帝都の貴族達が買い占めて、田舎町まで回ってくることは無いんだと。ここいらでは、熟れきってグズグズになった果物を煮詰めたもので甘味を摂るらしい。砂糖の入ってないジャムみたいなもんか。


「ま、こんなもんかな。」


買い物も済ませたし、ギルドで地図でも貰って、明後日くらいには旅立つとしますか。

まだまだ続きます。

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