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M4-2



「帝都?」


「あぁ。今この国は不安定な状態でね、現皇帝が病に倒れて、次期皇帝候補が争ってるんだよ。今はまだ水面下の争いだけど、いつ内乱が起きても不思議じゃない。

基本ギルドは、戦争には不参加で権力の及ばない組織なんだけど、国が滅ぶような事があると、ギルドも立ち行かなくなってしまうからね……」


「だからって、私が行ったところで、国がどうこうなるわけが……」


「うーん、そうかもしれない。でもね、この国の人間じゃないまどかから見て、何が正しいのか、何が民の幸せに繋がるのか、その目で確かめて欲しいんだよ。」


「……確かめるねぇ……まぁ、見てくるだけなら……」


「そうかい!まぁ、旅のきっかけだと思ってくれ。その途中でまどかの探してる何かが見つかるかもしれないよ?先ずはこの国を見て、感じて、思うままに動けばいいと思うよ。」


こっちの世界に来る時も、そんなこと言われた気がするなぁ……とりあえず行き先だけは決まった。今はそう考えることにするか……


「わかった。そうさせてもらいます。」


「ん。それじゃあ旅の支度にも何かと必要だろう。今回の依頼の報酬だ。少し色を付けておいたよ。」


「ありがとう。明日買い出しにでも行こうかな……」


「そう言えば、まどかはここまで旅をしたにしては、持ち物が少ないねぇ……無駄を省く主義なのかい?あ、いやいや、聞くのはルール違反だね。それならまず、収納用のマジックアイテムを買うといい。この町のアイテムは優れものだよ。手のひらサイズでも、テント毛布食料くらいは平気で入るよ。」


俺はギルマスから、金貨百枚を受け取った。金貨と銀貨って、どう違うんだ?未だに価値観と物価がピンとこないが……まぁ路銀にはなるだろう。



-翌日。早朝から西の洞窟に来ている。事件の調べ……という訳ではなく、旅立つ前にスキルと魔術で出来ることの確認をしたかったのだ。


アプリさんによると、魔術には基本的な術はあるが、本質は「イメージの具現化」らしい。自然現象などをイメージし、そのエネルギー量に見合うマナを使用する事により、再現する事が魔術の真骨頂なのだそうだ。


「という事は……土魔術を使って山小屋的なやつをイメージすれば……」


ゴゴゴゴ……


うん。なんとか出来た。マナはそれ程減ってないな。土壁というか、石壁というか、雨露をしのぐことは出来そうだな。テントは買わなくてよさそうだ。

テーブル、椅子は勿論、かまども出来るし、火も着けれる。鍋や食器、薪くらいあれば生活出来るか。ベッドも作れるが、さすがに硬い。


まてよ……水魔術で水を出し、表面をマナの膜で覆えば……ウォーターベッドも出来るじゃん!毛布があれば他は必要ないだろう。街中ならば宿もとれるが、道中野宿はしなくて済むな。っていうか、宿も必要ないってことか。


「収入が不安定だからな。節約するに越したことはない!自炊も割と得意だし、なんと言っても俺のメシは美味い!(自画自賛)」


なんか、RPGで魔術って言ったら戦闘能力って思ってたけど、こんな使い方もアリなのかね?生活魔術とでも言えばいいか?元嫁には生活力がどうとか言われた事があるが、今や生活力有りまくりじゃん!


「さて、戦闘系の派手な魔術はここでは無理だな。買い物でも行くか。先ずは収納アイテムだとか言ってたな……」

まだ続きます。

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