表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
129/131

C4-4

平成の最終日に合わせてみました。

ようやくです。



数日後。

まどか達は行き先を決めた。ジョーカーが調べたところ、コクシン島という島があるらしい。差程大きな島では無いが、島全体がコクシン共和国という国であるようだ。


「船旅もいいなぁ……」


何となく言ったまどかの一言で、皆もノリノリである。コクシン島へ渡るには、帝都を南に抜けたハクタンシティという港町へ行き、そこから船に乗る。ビーチでバカンスとか、のんびり魚釣りとか、妄想は膨らむばかりだ。


「よし。準備も出来たし、行くか!」


皇子の命令で動いている衛兵を躱すべく、ゴーンに馬車を用意してもらった。帝都の外に出るまで、見つからないようにするためだ。見送りにビーンも来ていた。


「ゴーン、ビーン、世話になった。」


「こちらこそ。貴重な体験をさせていただきました。ハクタンシティにも、私が経営する宿がございます。この手紙を宿の受付にお出し下さい。色々便宜をはからせていただきます。」


「ありがとう。頼らせて貰うよ。」


「ハンスさん、もっかい考え直しちゃどうだい?庭師になりなよ!」


「いやいや、冒険者っすから。冒険するっす!」


「じゃあ、馬車借りるね。」


「行ってらっしゃいませ。」


御者に合図を出す。軽快に走り出した馬車の窓から、街並みを見る。エンフィと出会った噴水広場、市場のおばちゃん達、しばらく眺めていると、突然横付けする馬車があった。並走する馬車には、ケーニッヒ卿が乗っている。スっと手を上げ、そのまま走り去った。


「ケーニッヒ卿には、感謝しか無いな……マイヤーさん、モツ煮込み食べてんのかな……」


ギルドが見えた。今日も人の出入りが激しい。


「ギルマスの言葉、胸に響いたなぁ……守るための戦い……」


駅が見える。そう言えば、帝都に入って来たのって、魔導列車だったな。ナツ、元気かな……


「ハンス、ナツの手料理、食べるんじゃなかったの?」


「あ!そうっすね。旅が終わったら行くっす。」


「旅、終わんないかもよ?」


「それはそれで、楽しいっす!」


いよいよ門だ。通常の警備兵しか居ないようだ。御者が商会の身分証を見せ、難なく通過出来た。


「よし。ここまで来れば……」


そう言いかけた時、後ろから馬を走らせる音が聞こえる。


「追っ手か?いや、私達犯罪者じゃないんだから……まさか皇子の衛兵がここまで……」


「その馬車!止まれぃー!」


仕方なく馬車を止める。馬で追って来たのは、ゴルメスだった。


「まどか殿!」


「ゴルメスか。」


「行くのか?」


「あぁ、世界を見て回ろうと思う。」


「そうか……戦士の旅立ちだ。引き止めはしない。これを持って行け。」


ゴルメスは、皮の袋と紫色の紐を一本、まどかに渡した。袋には、魔晶石が五つ入っている。


「帝都騎士団の風習でな、戦士が旅立つ時、無二の親友は、自分の剣の飾り紐を切って渡すんだ。腕にでも巻いてくれ。私は切れた飾り紐を見る度、まどか殿を思い出すだろう。」


「そうか。では私は、この腕の紐を見る度ゴルメス、あんたを思い出すよ。」


「まどか殿、あの日の言葉、忘れん。この国を、陰で泣くものの出ない国にしてみせる!」


「期待しているよ。ゴルメスなら、必ずやるだろう。」


「あぁ。必ず。」


ゴルメスは、別れの言葉は言わず、馬に乗り帰って行った。まどかもそのまま皆の元に戻る。


「よし。MJ2!行くよ!」


〜完〜

今回で、【帝都編】終了です。

お付き合い頂き、ありがとうございました。


明日からは、シリーズ二作目【アイランド編】をお届けしたいと思います。

https://ncode.syosetu.com/n5046fj/


その前に、おまけを一話だけ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ