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C3-4



「皆んな!王国軍だ!」


「まどか殿!誠かっ!」


「間違いない。」


「陣形を立て直せ!これからが我等の戦いだ!」


貴族達が自分達の兵を鼓舞する。


「ゴルメス、話がある。」


「どうした、まどか殿。」


「私達は、ここまでだ。冒険者として、国同士の戦争に関わる気は無い。」


「……そうか。うむ。世話になった。次は……友として会いたいものだ。」


「そうだな。ゴルメス、死ぬなよ。」


「あぁ、お主もな。」


そこで二人は別れた。


「まどか、いいの?」


「あぁ。これ以上、私達は関わっちゃいけない。他の冒険者にも迷惑をかけることになるし。」


「メグミさん、これは国とギルドの、暗黙のルールなんすよ。」


「わたくしは、まどかお嬢様に従います。」


「そっか……」


皆んなに言われ、渋々納得するメグミ。まどかは最後に、皇子とケーニッヒ卿に挨拶をする。


「アレクセイ皇子、ケーニッヒ卿、私達はここまでです。」


「そうか。まどかと申したな。度々命を救ってくれた事、感謝する。」


「勿体無いお言葉。ご武運をお祈り致します。」


「まどかよ。世話になった。後の大掃除は、我らに任せよ。」


「ケーニッヒ卿、色々便宜をはかって頂いて、ありがとうございました。この国をお願い致します!」


「うむ。また屋敷へ遊びに来い。歓迎するぞ。」


「はい。それでは、失礼します。」


まどか達は、乗ってきた馬車に乗り込む。皆んな無言だ。馬車を走らせながらまどかは考える。自分がこの世界に来た意味……自分の目で見て、成すべきことをする。たまたま冒険者になったが、自分は冒険者として生きたかったのか?……

否、戦争に関わりたくないのは、自分の意思だ。冒険者の暗黙のルールなんて、言い訳でしかない。我儘と言ってもいいだろう。

友として認識してしまったゴルメスには、くだらない戦争で死んで欲しくない。仲間を巻き込みたくないと言う理由もある。まどかは葛藤の中にいた……


街の方から馬車が走ってくる。もう夜明けが近い。仕入れに向かう商人なのか?今行くのは危険だ。まどかは馬車を止める。向かって来た馬車も止まった。中から子連れの男が降りてくる。


「良かった。入れ違いにならなくて。」


ギルマスだ。何故ここに?連れて来た子供は、エンフィだった。


「何しに来たの!エンフィまで連れて、ギルドは戦争には関わらないんでしょ?」


「まどか、誤解してるようだね。確かにギルドは戦争には関わらない。ただし国が無くなる状況は、ギルドも見過ごすことは出来ないよ。国が滅びれば、ギルドも立ち行かなくなる。ギルドを守るための戦いなら、全力でやるよ。」


「!そうか、守るための戦い……」


「それに依頼も受けた。まどか、君達への指名依頼だ。この子を護衛して欲しい。受けるかい?」


「お姉ちゃん!お願い!」


「エンフィ、なんで戦場に行くの?」


「僕は……見届けなけゃいけない!この国の行く末を!」


「なんでエンフィが……」


「それは……後で話すよ。お願いお姉ちゃん!僕を連れて行って!」


エンフィの真剣な訴えに、まどかは頷いた。


「仲間の頼みだ!この依頼、受ける!皆んな!それでいい?」


皆んなも頷く。心にあったモヤモヤが晴れる感じだ。


「仕事だ。行くよ!MJ2!」

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