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C3-3



「ふん!はっ!オラ!……」


ゴルメスと子爵は、激しく切り結ぶ。


「ハハハハ!お前程の剣士が居たとはな!帝国の兵士達など、腑抜けばかりだと思っておったわ!」


「お前の様な、帝国に仇なす輩が居る限り、日々の鍛錬は怠らぬ!」


「ぬかせ!所詮兵士。人の身で人を超えた、暗部の実力、見せてやる!狂戦士化!」


子爵は赤いオーラを纏い、獣の様な唸り声をあげる。


「魔獣の細胞を身体に取り入れ、半魔人となった我の力、とくと味わえ!」


「なんと!そのような研究までされていたのか!」


「我が身を兵器とし、強くなる為なら、何だってやるさ!」


「狂ってやがる……」


日々の鍛錬で己の技を磨いてきたゴルメスにとっては、子爵のやり方は納得出来るものでは無かった。


「そのような邪道な力、認める訳にはいかぬ!我が最大の奥義にて、お前を倒す!」


「人の力の及ばぬ領域、とくと知れ!」


子爵は獣のように身を屈める。対するゴルメスは剣を正眼に構え、集中力を高める。ほぼ同時に二人は距離を詰めた。


「喰らえ!ビーストファング!」


「断頭迅雷·極!」


赤い炎と眩い雷撃が衝突する!二人は交差し、足を止める。ゴルメスの頬から鮮血が流れ、そのまま片膝を着く。


「トドメだぁ!」


身体を反転させ、飛び掛かろうとする子爵。振り返った身体に、首はついてこなかった。滑り落ちるように、ぼとりと首が転がる。首を無くした身体から、噴水のように血が吹き出し、二歩ほど歩いて倒れた……


「ふぅ、ふぅ……討ち取ったり!」


暗部達を殲滅し、一騎討ちの行方を見守っていた皆は、一斉に声を上げる。勝鬨だ!まどかはゴルメスに駆け寄り、ハンスは死体を確認する。


「ゴルメス、大丈夫か?」


「あぁ、問題ない。」


「まどか様、死体確認しました!それにしても、面白い武器っすね。貰っていいっすか?」


「好きに、しろ……」


そう言うとゴルメスは倒れた。


「ゴルメス!」


「まどか様!この武器、毒が仕込んであるっす!」


「待ってろゴルメス……キュアメディケイション!」


「ん……ゴフッ……くはぁ、はぁ、はぁ……」


「ゴルメス!痺れはないか?」


「あ、あぁ……動けぬ程ではない。すまん、助かった。」


「おあいこだ。地下室で助けてくれたろ。」


「そうか。皆は無事か?」


「あぁ。兵士達も目を覚ました。皇子達も無事だ。」


「よかった。忠義を果たせた。」


みんなが身体を起こし、立ち上がる。貴族達は複雑な心境だ。策にはまり、皇子を危険な目に遭わせたのだから。


「皆の者!よくぞ我が国を救ってくれた。我の盾となり、鉾となって我を守ってくれた。礼を言う。」


皇子のその言葉に、貴族達は救われる思いだった。皆が膝をつき、最敬礼で応えた。その時……


「ボヒューン!パーン!」


倒れていた暗部の一人が、花火のようなものを打ち上げた。それを確認すると、ニヤリと笑い、息絶えた。


「何だったのだ?」


辺りがざわつく。


「ジョーカー、空から見て。」


「かしこまりました。」


ジョーカーは翼を拡げ、空へ舞い上がる。


「魔眼、発動。」


紅く光る眼を開き、辺りを見回す。


「まどかお嬢様、国境付近に王国の軍勢。1000は下らぬと思われます。」


「めんどくせぇ……子爵も捨て駒ってわけか!」

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