M3-3
洞窟内部、スケルトンに揉みくちゃにされると思っていたが、気配がまるで無い。
「どういうこと?」
中に入って思ったのが、洞窟という程の広さも奥行きもない。
「でもみんなは、洞窟って言ったよな……」
ダンジョン情報
マナ反応 一部土魔術使用箇所あります。
同系魔法でレジスト出来ます。
お!アプリさん情報か。つっても俺、土魔術無いんだよなぁ……
テキトーにぶっ壊してみるか?
ダンジョン情報
物理的破壊は、崩落の可能性あり。危険です。
なんだよ……土魔術じゃなきゃ無理ってことか?
一度戻って土魔術使えるヤツを連れて来るか?
いや、ヘタなヤツ連れてきて、レジスト出来なかったり、最悪俺の職業バレることは避けたい。
どうする、考えろ!
スキル情報
使用制限が解除されました。EXスキルにより、残留マナにaccess
土魔術 ストーンウォール ダウンロード可能です。
インストールしますか?……
「え?よくわからんが、yes!」
ストーンウォール ダウンロード開始します。……
残り2秒……正常にダウンロードしました。インストール中……
……完了。ストーンウォールは、正常にインストールされました。
EXスキル ロック作動。次回使用可能まで24時間
「なるほど。使用制限があるのか。だがこれでなんとかなる!」
「レジスト!ストーンウォール!」
仄かに光り、壁が崩れ落ちる
「やべっ!ミスったか?」
洞窟入口が塞がり、壁の奥に地下への階段が現れた。
-「粗方倒せたか。残りを殲滅するぞ!」
突然の地鳴り。見ると洞窟入口が塞がっていく。
「「まどかー!」「まどか様ー!」」
「お前ら、スケルトン共を殲滅しつつ、まどか救出に向かうぞ!」
「大変だガンツさん!洞窟前に階段が現れて、スケルトンが溢れ出して来やがる!」
「なにー!くっそー!押し返せ!おそらくその階段の先にまどかが居るぞ!数を減らしたら、突入だ!」
「まどか様には指一本触れさせん!(オレだって触れたことないのに)」
「親衛隊、行くぞー!」
普段より統率された一団が、洞窟前の階段へ斬りこんで行く。
ただのお調子者だと思っていたヤツらだが、さすがは歴戦の冒険者、上位種とはいえスケルトン如きに後れを取るものでは無い。
とは言え、数による圧力で、階段に辿り着くことが出来ない。スケルトンが正に骨の壁になっていた。
「えぇい!邪魔するなぁー!」
-俺は階段を降りた。それ程広くない。高校の教室ぐらいか……
二歩三歩、足を進める。すると岩陰に人の気配が……
「誰?」
「まーどーかーちゃん、だったか?てめぇよくも俺様に恥をかかせてくれたな。今度こそひん剥いてやる!覚悟しろ!」
「だから誰?」
「忘れたとは言わせねぇぞ!その腰のナイフ、俺様のナイフだろうが!」
「忘れた。(ごめん、本当に忘れてた)」
「くぅーっっ!舐めやがって!まぁいい。俺様の新しい力、思い知れ!
マジックアイテム『冥王の壺』サモン アンデッド!スケルトンナイト!」
床に魔法陣が浮かび上がり、ドス黒いマナが渦巻く。
三メートルはあろう武装したスケルトンが這い出てくる。
「俺様に恥をかかせたてめぇだけじゃねぇ!町のヤツらも皆殺しにしてやる!行け!スケルトンナイト!アイツを蹂躙しろ!」
「くだらない。そんなくだらない事の為に町の人達を殺そうなんて……誰だか知らないけど、そのアイテムごと叩き潰してやる!」