表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
118/131

C2-1



「どうした、防戦ばかりでは勝負にならんぞ!ベノムブレット!」


無数のベノムショットが、トールに襲い掛かる!


「この数では防ぎきれまい!ハッハッハッハー……」


「ふん。ローリングサンダー!」


黒い散弾の間を、雷光が走る!全てが弾け、雲のように漂っている。まるで雨上がりの雷雲を雷が渡るように、黒い雲に光が走っているように見えた。


「気が済んだか?終わりにしてやろう。トールハンマー!」


トールが大槌を振りかざす。帯電していた黒い雲が、一際光を放つ。トールが大槌を振り下ろすと、黒い雲から極太の雷が落ちる!目を開けていられないほどの強い光を放ち、轟音を響かせながらデーモンロードに直撃した!


「グルォォーーーッッ!!!」


断末魔を上げ、デーモンロードの肉体が灰と化す。精神の塊となったデーモンロードは、マナを霧散させながら消えていく……


「ちっ!退散だ。また数百年マナを貯めて、次は絶対勝ってみせる!」


そう言い残して、デーモンロードは去っていった。


「ふん。ワシも帰るとするか。メグミ!もっと心を鍛えよ。さらばだ。」


トールはそう言って、メグミに吸い込まれるように消えていった。


メグミは膝をつき、荒い呼吸をしている。帝都を覆っていた黒い雲は晴れ、星空が広がった。


「メグミ!」


メグミの元へ、まどかとジョーカーが駆け寄る。


「だ、大丈夫。とりあえず、みんなを探そうよ。」


皇子や公爵、他の貴族やケーニッヒ卿……みんな無事だろうか……


貴族街の公爵邸付近には、各貴族よりかき集められた兵士や、皇子直轄の近衛や騎士団、そのほとんどが隊列を組み、集合していた。そこにはケーニッヒ卿の姿もある。


「此度の騒動、隣国のルシウス王国の企みと判明した!恐らくはこの機に乗じて、我が帝国に攻め入る腹積もりであろう!我々は決して侵攻を許してはならぬ!民を守る為、この程度では揺るがぬ帝国の力を 見せてやろうぞ!」


「「「うぉーーっっ!!!」」」


アレクセイ皇子の戟に、兵士達は剣を掲げて雄叫びを上げる。魔族相手には、手も足も出なかったが、敵兵が人間ならば臆する事は無い。兵士達は、国境に向けて進軍した。


「ケーニッヒ卿。」


「おぉ、まどかか。子細は公爵殿より聞いた。どうやら隣国の者に、上手く乗せられていたようじゃな。」


「はい。魔導師と思われる数名の者が、魔族を召喚の後姿を消しました。第一皇子様、正侯爵様、伯爵様の安否が不明です。」


「なに!左様か。よし。ゴルメス!居るか。」


「は。こちらに。」


「お前は、一隊を連れ、皇子、正侯爵殿、伯爵殿の行方を追うのじゃ。王国の魔導師が潜んでいるやもしれん、漏らさず討ち取れ!抜かるでないぞ!」


「はっ。まどか殿、ご助力願えるか?」


「わかった。私達も行こう。」


「感謝する。」


『ハンス、聞こえる?』


『まどか様!無事だったんすね!』


『帝都に王国の魔導師が潜んでるかもしれない。ハンスはエンフィーを連れてギルドに行って、エンフィーの保護と、魔導師討伐の依頼をして来て。』


『承知!』


「ゴルメス、ギルドに仲間を走らせた。協力が得られると思う。」


「それはかたじけない!者共!遅れを取るな!必ずや我らの手で、賊を討ち取ろうぞ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ