表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
117/131

C1-4



「それは、少々困ります。止めさせていただきます。」


デーモンロードの前に立ちはだかるジョーカー。


「ほぅ、アンタか。久しぶりだな。強さは認めるが、まだまだだな。アンタじゃ止まらんよ。」


「でしょうな。しかし時間稼ぎくらいは、させて貰えるでしょうか。」


ジョーカーは、相手の力量を測るために、ベノムショットを放つ。先程のように、圧縮してピンポン玉くらいになったものだ。デーモンロードは右手を出し、掌で受け止めると、そのまま握り潰した。


「わかったかい?」


「これならば、いかかでしょうか。ベノムバースト!」


黒い爆炎がデーモンロードを包む。爆風で皇城の三分の一は瓦礫と化した。爆風の治まった中央に、デーモンロードが立っている。


「なるほどなぁ。でも足止めしたきゃ、これくらいはしないとな。ベノムバースト!」


同じ術だ。だがデーモンロードは、手を左右に開き、同時に二発のベノムバーストを放つ。デーモンロードが左右の手を前で揃えると、ジョーカーを挟むように二つが衝突し、大爆発を起こす!

かろうじて直撃を避けたジョーカーだったが、爆発の勢いで皇城外周の壁を突き破り、片膝をついてギリギリ立っていた。


「「ジョーカー!」さん!」


「大丈夫で、ございます。」


「なんて破壊力だよ。」


まどかは、辺りを見回す。皇城のあった場所は、巨大なクレーターになっていた。


「城にいた人達、避難出来たかな……」


『ハンス、大丈夫か!』


『だ、大丈夫っすよ。なんなんすか、今の?』


『城が、消し飛んだ。』


『えーっ!!』


「とりあえず無事みたいだな。」


「それよりまどか、水晶が反応しないの!」


「メグミ、落ち着いて。森でやったこと、思い出して。」


「え?森……」


メグミは、クレアの言葉を思い出す……心を解放して……


(全てを委ねる……精霊と友達になるんだ……心を解放して……)


仄かに水晶が点滅する。まるでメグミに応えるかのように……


『……魔族が調子に乗っておるようじゃのぅ。ワシが制裁を加えてやろう。さぁ、メグミよ、解放するがいい……』


「はい。精霊召喚。裁きの雷光にて、全ての魔を断罪せよ。トール、解放!」


水晶が輝きを取り戻す。眩い光がメグミを包み、その光が膨れ上がり、やがて巨人の姿へと変わって行く。大槌を持ち、仁王立ちする巨人は、その身体に稲妻を纏っている。


「我が名はトール。雷の精霊。我が鉄槌を食らうがいい!」


「ほぅ、一度ヤッてみたかったんだよ。元々魔族も精霊も、神に準ずる力を持っている。どっちが強いのか、ハッキリさせたいと思ってたのさ。まったく、いいタイミングで地上に来たもんだ。行くぜ!」


デーモンロードはベノムバーストを放つ。トールは大槌でそれを弾く。帝都の外まで弾かれた黒炎は、荒野にクレーターを作って行く。地形が変わるほどの攻防が、帝都上空で繰り広げられた。


いつ街に落ちてくるかわからない人外同士の闘いに、人々は恐怖し逃げ惑う。しかし街が被弾することは無かった。それはトールがデーモンロードの攻撃を 角度を計算して弾いていたからだ。一見拮抗しているように見える闘いも、トールにはまだまだ余裕があったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ