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R2-4



武闘大会の試合が進む。

各貴族から代表がそれぞれ一名、第一皇子直属の騎士が一名、第二皇子直属が一名、計八名のトーナメント戦が組まれていた。


現在、まどか達は一般の観客席にいる。一回戦が終わり、皇子達の代表とゴルメス、次侯爵の代表が勝ち進む。準決勝の第二試合が終わろうかという時、


「そろそろいいだろう。」


正侯爵が席を立つ。どうやらそれが合図だったらしい。


『まどかお嬢様!場内に結界以外のマナの反応がございます。』


『ジョーカー!場所を特定出来るか!』


『一つは一般席、もう一つは……皇子様と公爵様の席付近!』


『ちっ!めんどくせぇ……メグミは、ここからが不審な動きをするヤツを見つけて!ハンス、一緒に来て!』


『承知!』


まどかとハンスは、全速力で駆ける。一般席と貴賓席の境目まで来た時、


「解放!」


突然皇子達の席付近で、黒い煙が上がる!皇子達は、その黒い霧に包まれて行く……


「間に合わない!ハンス、これ使って!闘技場に降りて、皇子の下から撃って!」


「はいっす!」


ハンスは闘技場に飛び降り、警備の兵を掻い潜りながら、皇子達の席の下に転がり込む!まどかの渡した筒を構えると、霧にめがけ、筒にマナを込めた!


「ボシュン!!」


筒から竜巻のような風が放たれ、皇子達を覆っていた黒い霧を巻き上げる!上空高く巻き上げられた黒い霧に、まどかが火魔術をぶつける!


「バーニングショット!!」


黒い霧は火炎に巻かれ、白い煙となって、やがて霧散していった。


「賊を捕らえろ!」


まどかとハンスは、衛兵に取り囲まれた。


「馬鹿野郎!それどころじゃないだろう!」


まどかの威圧に、衛兵達が怯む。その隙にまどかは、風魔術を噴射して、一気に皇子の元へ飛んだ。


「大丈夫か!」


「ぶ、無礼者……」


近習の警護兵が、ヨロヨロと立ち上がる。少し霧を吸い込んだらしい。


『アプリさん、これは?』


『解析。麻痺性の毒と死毒と判明。』


久々だけど、ありがとうアプリさん!


「今治す!キュアメディケイション!!」


辺りを柔らかな光が包み、毒性を中和していく。


「貴様、何者だ!」


「待て!この者はよい。よいのじゃ!」


取り押さえようとする兵士を止めたのは、アクト公爵だった。まだ痺れが残っているようだが、命に別状は無さそうだ。


「公爵様、話は後で。賊を追います!」


「頼むぞ!」


まどかはひとっ飛びで観客席に戻った。ハンスも一度、兵士に捕えられたが、事情が伝えられ解放された。


「メグミ、居た?」


「まどか、あそこ。」


騒然とする客席内で、一人フードを被り、足早に立ち去ろうとする者がいる。ハンスは、まどかの言葉を聞く前に走り出している。


「メグミ!」


その一言で弓を取り出し、矢を番えて構える。十分引き絞ったタイミングでまどかが叫ぶ。


「みんな!伏せて!」


客席のみんなが伏せる中、メグミの矢は放たれた!


「ビシュン!!」


矢はフードの男の肩に突き刺さる。その矢から蔦が伸び、男を縛り付けた。必死にもがいている男に、ハンスが飛びかかる!


「観念するっす!」


ハンスは頭を覆っていた布を解き、男の口にねじ込むと、頭の後ろで縛った。

勝ち残りメンバーを修正しました。

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