ライト向けとSF風ファンタジー
私が投稿した2つ「昔はSF好きだったな」 「ファンタジーは子供向けなのか?」これらを出来たら先に読んで欲しいと思うけど、後でも良い。ライト感覚と言うのはどういう事か?の説明から入らないといけない。すでに私のエッセイを読んでくれた人は分かってると思う事を書く。頭をあまり使わない読者に向けた内容。そういったものをライト作品。気軽に楽しめる娯楽作品となる。それらの特徴が強く出たものが漫画アニメラノベって言われるものになる。
これらは、既存の実写小説などをベースに発展してきた。2つの変化があり、漫画アニメは小説からだと絵がある事に対する変化。実写からだと実写と絵の違いなど。ただこれに子供向けとしての変化もあった。これと元合ったラノベ(これらをライトノベルに含めない異論も有る)を融合する形で今のラノベが作られている。元々あったラノベは、小説ではマイナージャンルだったSFやファンタジー要素を含む作品になる。ただ形として小説文化から創られている。でも最終的には漫画アニメ文化と完全に融合して今では元の形は無い。それでも初期のラノベは今とは違っていたという事は書いておくべきだと思う。
ライト向けにおいて子供向けへの変化が、頭を使わない読者ってものになる。何故か?成長した大人がそのまま楽しむようになったから。これを文化の衰退と嘆く人がいるけど、元々こういった人は知識階層で、中流以下のような生活をしてる人達はそういったものとは別の大衆文化のようなものを楽しんでいた。こういった創作の特徴は子供向けの作品と特徴が良く似ている。
漫画アニメは子供が見るものと言うのは偏見だと見てる。作品構造的には見る側に頭を使わせない受け手を先回りして用意されたサービス創作と言うのは大衆向け作品の共通点で、受け手は赤ん坊の様に作り手にあやされてきゃきゃ言う構造になってる。これは子供向けと全く変わらない。違いは素材の違いになる。素材が大人の方が楽しめるってだけに過ぎない。(構造的極論で現代においてライト向けに特化した漫画アニメと違い、実写などは幾つか違いがアリやや頭を使う)ここに漫画アニメが入り込んだだけとなる。
こういった創作の極めと言うのが笑いに成る。何故笑いが低俗とされるか?と言うと多分ここになると思う。特に漫才の突っ込みと言うのは面白いもので、ボケの分かりにくさを誇張してここで笑えって合図を送ってくれる。笑いで観客の反応を無視する芸人はいない。それは議論の余地がなくて笑いの存在理由そのものに成ってる。だからそれについて論じない創作もある。ゆえに間違ってる正しいという圏外にある創作があるなら、すべての接待サービス創作は笑いにたどり着く。そこには議論の余地が無い。最初から笑いはそれが必須項目として存在してるから。
前置きが長くなったけど、こういった客に向かってSFをやると、SFはファンタジーに置き換えら得る。これが本題になる。私は小説としてのSFを否定してるわけじゃない。日本は漫画アニメがSFを広めてきたと言って間違いない。ここで重要なのは発展してきたと言って無い広めてきただ。なろうでは気が付きにくいが、SFが衰退したのはライト向けの流行としてファンタジーに置き換わってしまったからだ。なおかつ、ライト向けファンタジーにSFの面白い手法の一部は組み込まれてしまった。
その中で漏れたのが科学知識を土台とする作品構築ハードSFとなる。それ以外はファンタジーが持っていたものが代替して、一部は組み込まれて今でも生きている。ライト層向けにSFは絶滅したのではなくて、ファンタジーにの中で遺伝子だけが生き残る事になった。これが正解だと思う。
次にじゃ何が衰退したのか?それがライト向けにおけるSFの役割になる。ファンタジーってのは擬人化や生物主体の物語になる。魔法も生物が発することが多い。神も自然現象などの擬人化が元になってて、それらの確か雷の神からユダヤ教の神が特別視されて1神教が生まれたと私は見てる。後は獣の擬人化の獣人。妖精の発展形のエルフ、ドワーフ。妖精っては生物的イメージなので分かるかと思う。神くずれ?と言うかそんな不思議な存在。神未満?が良いかな。モンスターは人間と対局する形なので擬人化は少ないが魔族がいる。どっちにしても生物っぽい。
SFはこれら現実に存在し無いものを機械ですべて表現する。これを生物でやればバイオテクノロジーとなるが、その時は別途説明が絶対に入ると思う。メカと生物。これがSFとファンタジーを抽象化して対比したイメージになる。
メカ世界観が廃れて、生物世界観?自然指向と読んでも良いと思う。こっちに摩り替わったと私は見てる。ロボット物の衰退もこれで語れる。(ロボット物の直接的な衰退は子供向けが消えた事による洗脳効果の低減も大きいとは思うが)魔法科のヒットは、これをファンタジーと融合させた点で、とあるはSFの残滓だと見てる。融合では?レールガンの方が人気が有るので、あれはSFで見てよい。
SFは衰退したと言うより、漫画アニメラノベに置いて、ライト向けのメカイメージが古くなったと言う方が正しいと見てる。私の中でライト向けSFはレトロフューチャーになってる。多くのイメージは手塚イメージがレトロフューチャーになるが、ガンダムも私はもうレトロだと感じてる。SFが衰退したのは、新しい斬新さを提供する世界観じゃなくなったからと見てる。
機械世界観が悪いわけじゃないが、そこに対して過去と決別するような新鮮な刷新が無いとSFのライト向けでの復権は無いと私は見ている。ライト向けSFの正体はSF風ファンタジーだと私は見てて、それは作風空気感の刺激こそが最大の武器だと見てるから。