掃除
今日は学校に早く着て部室の掃除をしている。
早朝の時間、夜のうちにほこりが地面に落ちているため、掃除をするにはとても良い環境なのである。
掃除をするときは必ずマスクをして、なるべくほこりを立てないように気をつける。
折角ほこりを落としているので、基本通り上からではなく床を掃いた。
掃くときのコツは、「掃かないこと」
箒の先が跳ねるとほこりが舞うため、掃かずに先端を止めるのだ。
――これは働いていたときに教わっていたことだ。
精密機器を扱うときは特に気をつけるように言われたものだ。
丁寧に時間をかけて床を掃き、一通り床を綺麗にしたら、そこで窓を開けてはたきをかけていく。
二度手間だと言われればそうだけど、これはやっておかなくてはならない。
はたきをかけた後は窓を開け放して10分ほど休憩をする。
部室の外に出てマスクを外した。
咳をひとつした、ちょっと喉がいがいがしている。
僕は水飲み場に行き、うがいをしてから髪の毛と服をはたき、手に水をつけて頭や服を軽くなでた。
霧吹きに水をくんでから廊下の部室脇の窓を開け、少し休憩をした。
5分ほど座っていると、誰かが階段を上ってくる音がした。
――誰だろう? こんな朝早くに珍しいな。
「……あ、田中先輩じゃないですか。 おはようございます」
「今日は早いんだね、どうしたの?」
「はい、今日はお掃除をしようと思いまして」
「毎日神社の掃除もして大変じゃない?」
「いえ、日課ですから、平気です」
「そっか。 丁度掃除してた所だから、一緒にやろっか」
「そうですね」
僕はマスクをするとドアを空けて再び部室の中に入り、窓を閉める。
千家さんに霧吹きを手渡して部屋全体に噴霧するようにお願いし、モップ用バケツに水を汲んできた。
「掃除はもう床を拭いて終わりだからね」
「あら、折角なのにそれは残念です」
……掃除をするのがそんなに楽しみだったのか、奇特な人なんだな。
一通り部室を綺麗にし終え、僕らは自分の教室へと戻った。




