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新学期

ダンスコンテストが無事終わり、僕らは残り少ない夏休みを……と行きたかったのだけど、コンテスト翌日が丁度始業式なのだった。

まあ午前中で終わる始業式だからその後に休みたかったのだけど、始業式翌日には学習基礎力診断テストが翌日にある。

正直言ってしんどいけど、今日明日の二日間は部活動はしないことにした。

久しぶりの休みなのでストレッチくらいにして、勉強は簡単に復習するくらいにしよう。

多少の疲れは残っているが体は大分元気だ。


気温が高い中、校門へ向かう坂を自転車の立ち漕ぎで登る。

グングンと坂を登る感覚は久しぶりだ。


校門の側で千家さんを見かけて声をかけてみた。

千家さんは僕を見るとニヤっとして耳元に口を寄せて呟く。


「昨日、あの後どうでした? 気持ちよかったですか?」

「気持ちよい事なんてないよ、山田と小城を連れてご飯を食べて帰っただけだし。 まあご飯は美味しかったよ」

「あれ……? てっきりあのイケメンにホイホイ付いていったのかと思いましたけど」


僕は意識してしかめっ面をしたまま千家さんを見る。


「あのさぁ……僕は別に男が好きとかそういうのじゃないからね」

「じゃあ、お二人とあれですか? 三人で」

「いや、ご飯を食べて帰っただけだよ。 二人とも気になる人物と彼氏が居るって言ってたじゃないか」


千家さんはクスクス笑いながら「分かってますよ」と言う。

どう見ても完全にからかわれてるな。


「もういいわ、俺は先に行くから」


少し怒った振りをして立ちこぎで千家さんを抜いていく。

まあ、確かに男に好きとか言われる状況は笑っちゃうよね。

小城が僕にしてくれたメイクってそんなに魅力的に見えたのかもしれないな。

それだけの仕事をして貰ったんだから、昨日食べに行ったイタリアンなんか安いくらいかもしれない。

今度しっかり習ってみようかな。

教室に着くと山田と小城が居たので、簡単に挨拶はしておいた。

学校では僕みたいなキャラと仲良くしているって思われるのは迷惑かもしれないしね。


「お、田中ー。 昨日の店うまかったよ。 蟹トマトパスタとかしらすパスタってうまいのな」

「ちょっ、小城」


僕はびっくりして小声で小城に喋りかける。

影キャラをリア充の群れに投げ込む的な悪戯なのか?


「何いってんの田中? 昨日はアタシもいたんだし別に浮気にはなんないだろ」

「ちょ、山田!」


山田はさらりとやばそうなことを口にする。

女の子と食事とかその時点で僕には関係のない世界なのだ、やめてくれ。


「いや、たまたま会ってオススメの店を教えただけだって」


そう口にしてみたもののどう考えてもおかしいだろ。

とりあえず怪しい感じを消したくて急いで席に着く。


「いや、田中は山田と毎日学校周り走ってるじゃん」


ちょっと小城さん、山田に迷惑かかるからやめて。


「別にやましいところはないからね」


とりあえず、そう言っておく。

周りからはヒソヒソと何か聞こえるけどもう気にしないでおこう。

僕は窓際の自席に座り、一切山田の方を見ないで、簡単なメールだけ送ることにした。


『テストが終わったら、次は文化祭に向けての練習を始めるから』


メールの送信を終え、携帯電話をしまった直後に山田のポケットから着信音が鳴り、僕は思わず「あっ」と言ってしまった。


……僕が送ったってバレバレだよな。

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