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リャナ・ベルソン。〜前編〜

そろそろ物語が大きく動きます。

書き切れるかな…。

そして、時は戻る。

『彼女の指定した時間』まで。

その言葉どうり、時の歯車は動き出す。

幾つもの他人の意思が風のように通り過ぎる。

そして、だんだん近づくその時間(トキ)の行き先は。


勇者一行は、目を覚ます。

ここは…

光の差し込まない巣窟。

照らすのは、紫のシャンデリア。

真っ赤な真紅のカーペット。

ガーゴイルの銅の銅像。

あの憎しき魔王の顔…

腕…身体…


そう、ここは、魔王城。

彼女は彼等にもう一度、挑戦権(チャンス)を与えた。

だが、己のプライド故かもう一度時をとめ、

会場に居たメディアや、貴族に彼女(まほうつかい)が仲間になるまでの話。

勇者がもっとも語りたかったであろうその話を記憶に植え付けた。

そして、その記憶は彼等の脳内で再生される。



リャナ・ベルソンと勇者が出会ったのはある夕方の事。

その日リャナは、ある男に追われていた。

昼に友人のパーティーへと出かけた帰りのこと。

自分とは違う足音がもう一つ聞こえた。

だが、その足音からは、悪意と戸惑いが感じられた。

ただ、リャナは身体能力には自信があった。

それと、聴力にも。

だから、ストーカーが自分をつけてきても逃げきれる自信がある。

空は青空。

風は吹かない。

聴力が高い事を自覚している彼女にとってそれは最も望ましいものであった。

(あと一歩分私に近づいたら走るか…)

耳に全神経を集中させながら歩く。

その時だった。

足音がふと止まる。

それは、嵐の前の静けさとでも言うべきか…

ただ、相変わらず空は明るかった。

風も吹かない。

ただ、足音が止まっただけ。

きっと、諦めただけだろう。

そのはずなのに。

なぜか、恐怖が心を取り巻く。

蛇のように。

そして、同時に好奇心も。

未知であるそのナニカに興味を持たずには居られなかった。


そして、動く彼女の首。

後ろという、未知のナニカに向けて。

好奇と恐怖のまなざしで。



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