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Monk unliked.〜嫌われ者の僧侶〜

まぁ、僧侶ってだけあって、真面目そうな見た目だった。

ただ、彼を取り巻く周りの環境は劣悪で、最低だった。

彼に向かって石を投げる者。

罵声を浴びせる者。

なぜなのだろうか。

当時の僕には到底理解出来なかったよ。

ただ、今なら分かる。

そして、あいつが僧侶で良かったと思ってる。

うん。

そして壊れかけの教会に入って行った彼を僕は追った。

あ、名前言い忘れてたね。

彼の名前は、カイト・シャル

カイトは一人で教会を切り盛りしているそうだ。

切り盛りといっても、ほんのたまにお客さんが来るだけなんだけど。

それで、なんでこんなに嫌われてるか聞いたんだ。

だけど、なにも答えてはくれなかった。

仕方ないから彼に許可を得て教会の中をちょっと探検してたら凄いの見つけたの。

三十体ものミイラが兵隊の如く並んでたの。

まぁ、ミイラに命は宿ってなかったからただの人形みたいな物だったんだけど、見た時は腰を抜かすかと思った。

で、その奥には祭壇があった。

そして、その祭壇の上にはなにか黒い人型のなにかが佇んでた。

とにかく、怖かった。

だけど気になったから、そのまま祭壇へ一歩また一歩って近づいたそしたらだんだん本能が

「二ゲロ、二ゲロ」

って、呼びかけてきた。

だから、流石にやばいと思って引き返して思い切って本人に聞いた。

少しの間を置いて彼は答えた。

「あれは悪魔だよ。」

嫌われている理由が完全に把握できたんだよね。

カイトは、悪魔を飼っていた。

彼曰く、趣味なんだそうだ。

そして、なぜか僕は奇抜な彼に惹かれていった。

なんというか、その時僕は強いっていう基準よりも、人より変わってるっていうのを求めてたんじゃないかな。


それから、一週間後くらいの事、カイトの教会な方角から奇妙な雄叫びと人々の叫び声が聞こえた。

瞬時に察した。

「悪魔だ。」

早朝の事だったので、寝ているエギルは起こさず教会まで走った。

着いたそこは地獄絵図だった。

地面は、めくれ上がり。

人々は命を枯らし。

教会は、半壊。

そして、悪魔は不気味な笑みでこちらを見つめる。

いくら、勇者志望だからと言って悪魔に一人で勝てる自信がない。

それに、ここで悪魔を傷つけたらカイトは、もう絶対仲間になってくれない。

だけど、戦わなければ街の人が怪我を負うかもしれない。

それで、僕が出した結論は。

「戦う」ことだった。

腰にかけた、木の剣を抜く。

一か八かだ。

負けてもそれだけ。

そして、悪魔が鼻息を漏らしこちらに突進してこようとしたその瞬間。

「おい。ジェノア。何してる。」

その声の持ち主はカイトだった。

どうやら、カイトが出かけている間に自然に封印が解け悪魔が暴れ出してしまったらしい。

そして、すぐに怪我をした人を回復魔法で治した。

それも凄い威力の。

ほんとに一瞬で擦り傷は治っていた。

怪我をした人は怪訝な表情を浮かべていたが、腕が確かということが分かるとお礼を言って立ち去った。

そして、その後カイトは僕に

「まだ、朝早いから帰りな。

また、昼になったら来いよ。」

と言った。

だけど、また家に帰るのも少しめんどくさかったので街をぶらつく事にした。

結構いい街だって事に今更気づいた。


そして、昼になって教会を訪れひと段落ついた後にカイトにパーティーを募集しているということを話してみた。

何故かオッケーがもらえた。

理由は勝てっこない悪魔に挑む勇気を持っているからだそうだ。

なんか嬉しくなった。

仲間が増えて一緒にいることができるからだ。

いつまでも…一緒に…


さて、じゃあ、最後のお仲間。

魔法使いちゃんの話をしようかな。

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