ポンガ村~道中~
シンとサラがライハルトタウンをでてから10分、2人はポンガ村に続く道、というか森を歩いていた。
「あぁ~、ダルい!!なんで私がこんな森の中を歩かなきゃいけないのよ。」
サラは文句を言いながら歩いている。
「うるせぇ、つうかそんなに面倒くさいなら帰れよ。任務は俺が1人で片付ける。」
その言葉にサラがムッとした表情をする。
「何よっ!ちょっと愚痴こぼすぐらいいいじゃない。アンタだってよくしてるくせに。」
「はいはいそうですね、サラお嬢様。何なら俺がお姫様抱っこして連れて行ってさしげましょうか?」
サラの顔がみるみる紅くなっていく。
「ばっ、馬鹿じゃないのアンタ!ふざけた事言ってないで早く歩いたら!?」
そう言って先にいくサラにシンはやれやれと言う。この2人はいつもこんな感じだ。
その時前を歩いていたサラに茂みから狼のようなモンスターが襲いかかってきた。
ザシュ
刹那、サラは腰にある刀を抜いて一撃でそれを仕留めた。
「流石だな。」
シンが後ろから声をかける。
「当たり前よ、この位。シンにも負けないわよ。」
サラは得意気に言ってみせた。
「そりゃ頼もしいな。」
「ホント、流石ね。」
不意にかけられた声にシンとサラは驚き声の方に2人が振り向くと茶髪の背の低い少女が立っていた。
「子供?「誰が子供かっ!私は18だ!!」
シンの言葉をかき消すように少女は怒鳴る。
「あ、あぁ……悪い。」
「分かればよろしい。」
シンが謝ると少女は満足そうに頷いた。
「で、あなた誰なのよ?」
シンと少女のやり取りを見ていたサラが呆れながら少女に聞いた。
「よくぞ聞いてくれたわね。私は天才トレジャーハンター・マリ様よ!!」
マリは腰に両手を添えありもしない胸をはって威張っ「誰がありもしない胸だっ!!」
「あんたらポンガ村に向かってるんだろ?」
「あぁ、「じゃあ私もついてってやるよ。」
「おい、勝手に決めてんじゃねぇ。今ポンガ村はゲリラ部隊に占拠されてんだぞ。」
シンがそう言うとマリは頷きながら
「うんうん、そうなのなだからあんたらにアイツら追い出すの手伝って欲しくてさ。」
「言われなくてもゲリラ部隊は追い出すわよ。それが私たちの任務なんだから。」
「やっぱり?じゃあ私も連れて行ってくれ。」
「俺達はお前を庇う余裕はない。それに何でポンガ村に行きたがる。あそこはただの集落だぞ?」
その言葉にマリはイタズラっ子のような顔をする。
「聞きたい?聞きたい?聞きた「いや、止めとくわ。」
「聞けやヨワクソォォォォォ!!」
「誰がヨワクソだ……分かった聞いてやるから。」
シンがそう言うとマリは満足気に
「やっぱり?実はさぁポンガ村の村長がすんげぇお宝を持ってるらしくてさ、天才トレジャーハンターの私としてはほっとくわけにはいかないじゃん?」
「お宝?」
サラが聞いた。
「お宝が何なのかは分からない。分からないからこそ面白いんだ!頼む!!自分の身は自分で守るからさ。」
マリはそう言って額の前で両手を遭わせた。
シンとサラは一度目を合わせ
「好きにしろ」
こうしてシンとサラそしてマリを加えた3人は再びポンガ村目指して歩き出した。