襲撃
ここライハルトタウンはイースタン大国の首都である。
1人のフードをかぶった者が街の路地裏にいる。
「フフフ、これからショータイムが始まる。」
フードをとった人物は隻眼の黒髪短髪の男だった。
男はなにやら呪文のような言葉をくちずさむ。
その瞬間街に巨大な大木がいくつも現れだした。
街は大混乱に陥る。
「必ずあの時の思いを晴らしてやる。」
男は表通りへと歩き出した。
ライハルトタウン防衛作戦指令本部
軍服に身をつつんだ1人の女が指令本部の椅子にすわる男に近づく。
「指令!!大変です。街が木々に―」
女が最後まで言葉を口にする前に男が喋りだした。
金髪で長髪の優形の男である。
「分かっているよ。もう彼を送り出したから。」
指令と呼ばれた男は落ち着いているようだった。
街では大木がうねり続け街は壊れていく。
そんな街中のビルの上に1人の青年が立っている。
顔立ちは整って髪は黒髪である。
背中には長刀を携えている。
少年は街中を眺めている。
「……アイツか。」
そう言ってビルから降りていく。
「はっはっは、最高にいい光景だぁ!」
隻眼の男は満足そうに街中を歩いている。
足取りは真っ直ぐに指令本部に向かっている。
「今頃奴はどんな顔をしているだろうか……考えただけでもゾクゾクする。」
「随分と派手にやってくれてるな。」
「!!」
隻眼の男は不意にかけられた言葉のする方に目を向けた。
「誰だ貴様は!?」
「犯罪者に名乗るつもりはない……衝刃破」
そう言って少年は背中の大刀を抜き、隻眼の男に向かって振り抜いた。
「何!?」
少年の振り抜いた大刀の衝激が男に襲いかかった。
「ぐはぁ!」
隻眼の男はその場に倒れた。
すると街を襲った木々は枯れ始めた。
「弱いな。」
少年は呟き、ポケットから携帯を取り出した。
「おい、終わったぞ。」
『やぁ、流石だね、ご苦労様。シン君』
電話から先ほどの指令の声がした。
「ご苦労様じゃねぇ。こんな雑魚を相手にさせやがって……」
シンと呼ばれた少年は不機嫌そうに言った。
『ははっ、ごめんごめん。君ならすぐ解決してくれると思ったからさ。』
「ふん……」
『とりあえず指令本部に一度戻ってくれ、直接話したいことがある。それからその男は別働隊が処理してくれるから、じゃあね。』
「おい、待て!」
『プツッ、プー、プー、プー』
どうやら指令は電話を切ってしまったらしい。
「くそっ、あのクソ指令。」
シンは指令本部に歩き始めた。