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6、

「僕、ゲームよりも、体を動かすことが好きなんです。多田野さんは何かスポーツとかされてます?」


(あれ? あれれ?)


 アクティブな人なのかな? そうなると、話が合うかどうか、わからない。


「スポーツは全般的に苦手なんです」

「そうなんですか。あ、インドア派なんですね」

「はい。ゲームとか読書とか、そっちの方が好きです」

「それなら、《Game de Fitness》ってゲームわかりますか? あれ、結構楽しく運動出来るんですよ」

「それって、Sw○tchが出てすぐに、出てたゲームですよね。運動不足解消を目的にしたゲームだとか」

「もし良ければ、今度一緒にどうですか? 僕、持ってるんです」

「それってつまり、どちらかの家でって、ことですか?」

「いえいえ、それは流石に。レンタルスタジオがあるので、そこで」


 つまり、連絡先の交換を、必然的に行わなければ行けない流れに持っていこうとしてる。

 正直、そういうのは苦手なんだよね。


「すみません。そういうのは、ちょっと」

「そうですか。もし、気が変わったら、ここに連絡ください」


 名刺を渡され、渋々受け取ることに。チラッと目に入ったロゴを見て、不信感を抱いてしまった。


(この人、まさか……)


「ありがとうございました。プロフィールシートお返しします。良いお返事、お待ちしてますね」

「はい」


 まさかの、フィットネスジムのトレーナーだったとは。

 もし、了承してたら、フィットネスジムの勧誘を受けるところだった。


 もう疲れちゃったし、ピニャコラーダも無くなったし、ウーロン茶ないかな。


「お話、良いですか?」

「えっと、ちょっと待ってください。ドリンク、もらってくるので!」


 もう! 次から次へと、何なの!? 街コンなんて、もう嫌だ!


「すみません、スタッフさん。ウーロン茶ありますか?」

「はい。どうぞ」

「ありがとうございます」


 ローストビーフ、食べてるヒマ無いじゃん!


「お待たせしました!」

「いえ。逃げられたかと思いました。ドリンク、取りに行ってたんですね」


 次に話し掛けて来たのは、見た感じ年上の人。

 髪の所々に、白髪が混じっている。でも、何処かで、見覚えがあるような気がする。


「竹内隆之介(りゅうのすけ)といいます。43歳です」


(この名前、もしかして、もしかする?)


 プロフィールシートを見てみると、職業欄に書かれていたのは、《教師》。


「もしかして、竹内先生ですか? 世界史の」

「えっと、何処かでお会いしたこと、ありますか?」

桜川(さくらがわ)学園高校で、世界史教えていましたよね? お久しぶりです。多田野さちです」

「おお! 多田野さん! 覚えてますよ。見違えましたね。お名前を聞くまでわかりませんでした」


 この竹内先生は、あたしが高校生の時に、世界史の担当だった先生。

 あの当時も独身だったけど、今もらしい。


「先生って、あの頃も独身でしたよね?」

「そうそう。あの頃から結婚相談所に行ったり、街コンに参加したりで。未だ独身です」

「まさか、先生とこんな所で会うとは、思いませんでした」

「それは、俺もです。多田野さんはこういうの、苦手なんだと思っていました」

「幼馴染みの、佐藤撫子の誘いを断れなくて。半ば、強制です」


 疲れたし、出来ることなら帰りたいです。でも、ローストビーフが美味しいから、どうしたら良いのやら。


「佐藤さんも、参加されてるんですね。流石に、教え子を口説くわけにはいきませんね」

「先生なら、良い人見つかりますよ」

「ありがとうございます。多田野さんにも、見つかると良いですね」

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