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2、

 街コンは、ホテルの大宴会場で行われると、申込みサイトに表記されていた。

 バイキング形式で、料理は食べ放題。ドリンクもアルコール、ソフトドリンクの両方が用意されている。


「今回も大勢いるねぇ。ここからは、戦場だよ。さち」


 私たちよりも先に、大宴会場に入っていた人たちを見て、撫子の目はハンターのそれ。


「撫子、目がハンターになってる」

「そりゃあ、ハンターになるよ。早く結婚したいんだから」

「はいはい。あたしは、ゆっくり座って食べれるなら、邪魔しない。もう食べちゃって良いんだよね?」


 始まる前だけど、美味しそうな料理を見ていたら、我慢出来ない。

 白いお皿を手に、何を食べようかな。


「もう! さち、食べ放題だからって、参加してる男性と話さなきゃ、街コンの意味無くなるからね?」

「あたしは、食べ放題と、撫子の懇願に負けただけだから。街コンとか、どうでも良いの」

「さちは、結婚したいとか、彼氏欲しいとか思わないの?」

「あたしを好きになる人、今までいた? こっちが好きになっても、一方通行で、失恋するだけじゃん。お、このローストビーフ、美味しそう! 撫子も早く取ろうよ」

「さちってば! マイペース過ぎ!」


 あたしはあたしの道を行く。誰かに狂わされるなら、ひとりの方が楽だ。


「よし、こんなもんかな」


 欲張り過ぎない程度に、お皿は2枚。美味しそうなローストビーフにテリーヌ、鮪にサーモンのお寿司、くるみ入りの巻き寿司2切れ。


(続きは、食べ終わってからにしようっと)


 鼻歌交じりで、入り口近くのテーブルに座っている撫子の元へ。


「取り過ぎじゃない?」

「そう? これくらい、余裕だけど」

「どうしようかな。私も取って来ようかな」

「ん、いってら。食べて待ってる」


 撫子が料理を取りに行っている間、まずはローストビーフから。


(ん~! 噛めば噛むほど、口の中に広がる牛肉の旨味! この風味は赤ワインかな)


「すみません。隣、良いですか?」


 私の右隣にやって来たのは、紺色のスーツを着て、ワインレッドの無地のネクタイをしている、ワイルド系の男性。


 この街コンでは、席は自由で、男女入り交じったテーブルになるとかどうとか、サイトに記載されていた。


「どうぞどうぞ。席は自由らしいので」

「それじゃ、お邪魔します。俺、街コンとか初めてなので、よくわからなくて。もう、バイキングって取りに行っても良いんですか?」

「良いと思いますよ? あたしも初めてで、わからないんですけど。でも、あたし以外に既に食べてる人いますし」

「そうですか。じゃあ、俺も取って来ようかな」


 隣に来た男性はそう言うと、バイキングの料理を取りに行った。


(ゆっくり食べれる……)


 ローストビーフを味わいながら、始まるまであと2、3分。


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