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10、

「ミカンちゃん、お姉ちゃんのイチゴさんが《スクールライブ》や《ライブスター》を嫌っていたから、自分も嫌いにならなきゃって、加入したいけど、お姉ちゃんがって」

「思っていたシーンありましたよね。でも自分から、イチゴさんに思いを伝えて、CtoLonに加入した。あの回は、僕も好きなんです」


 《スクールライブ!》は、部として設立するために、生徒会に書類を提出しなければいけない。しかし、それを認めないとするのが、生徒会長。

 《スクライ》では、あたしの推しの深瀬(ふかせ)姫花ちゃんが生徒会長として、聖先生の推しである、笹原ういちゃんの前に立ちはだかる。


「姫花ちゃんといい、イチゴさんといい、最終的には加入して、一緒に活動するんですよね~。焦らさないで、認めてあげれば良いのにって、2作観ていて、思いました」


 なんて言いながら、聖先生のプロフィールシートに目を落とす。


「中々認めないからこそ、そこで諦めるか、何としても《ライブスター》になりたいと、本気度を見ているのかなって、僕は思います」

「おぉ、流石、マジックワークス文庫新人賞受賞作家ですね」

「いえいえ、僕なんてそんなに凄いモノは書けません。新人賞だって、まぐれですよ」


 壁が無い東屋を、吹き抜けて行くのは、心地良い風。近くを流れる信濃川のせせらぎを聞きながら、あたしたちは《スクールライブ!》の話で盛り上がっていく。


 けれど、そろそろ話を変えないと。


「聖先生って、アルバイトもされてるんですね」

「両親が農家レストランを営んでいるんです。手伝いながら、執筆をしています」

「へぇ。農家レストランですか。じゃあ、畑とか田んぼをしながら、お店をやってるんですか?」

「そうです。代々農家の家系なので、田んぼと畑はそれなりに」

「聖先生も、トラクターとかコンバインとか、乗られるんですか?」

「乗りますよ。祖父から、叩き込まれてます。作物の管理とか収穫は、どうしても、人手がいるので」


 農作業が出来る小説家は、聖先生だけだと思う。執筆しながら、締め切りを守りながら、聖先生って、凄い。


「多田野さんは……。桜川学園高校って、文化祭が有名な私立ですよね」

「はい。あたしが入学した年には、ロックバンドのMarch(マーチ)が来ました。2年生の時は、声優の宮田(まこと)と水沢なつみ が来たんです。3年生の時は、ロックバンドのSPHERE(スフィア)And JAM(アンドジャム)が来て、結成20周年記念と、桜川の創立50周年記念の対バンがありました」

「凄いです。僕は、高卒の資格はあるんですけど、高校には行ってないので」


 16歳でプロの作家になった聖先生だけど、プロの世界なら、学歴とか経歴なんて関係ない。作品の良し悪しで決まるんだ。


「それでも、プロの作家さんじゃないですか。高校生くらいで、小説なんて書けませんよ」

「そう言ってくれるのは、多田野さんだけです」

「でも、ファンは多いですよね?」

「それなりにいると思います」

「それなら、大丈夫ですよ。聖先生の作品を認めているって、証拠じゃないですか」

「だと良いんですが」

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